タイトルと映画館で流れる告知を見る分にはコミカルな感じだったので超高速!参勤交代と同じ感じかなぁと思ったけど、別ベクトルの重厚な作りでした。
映画とまったく関係ない話。
レイトショーを見た後にいつも行くバーがあって、そこでなんとなく感想をまとめているんですが、今日行ったら閉まってました。土曜日に23:00に営業してなくて外に面した部分の塗装が削ってある。
これは、、、、もしかして、、、、うーん、、、、居心地良かったんだけどなぁ。
男性向けサービス?、女性向けサービス?
男性向けサービスとして、遊女が彫り物をされるために背中を見せてました。滑らかできれいな肌でした。ずっと見てたい。(気持ち悪いと思った貴女へ。男なんざこんなもんです。)
女性向けサービス?として、男の風呂場シーンがありました。どこかでモザイクが入っているんじゃないかと思うほどきわどいシーンが多々。そして鍛えられたお尻がいっぱい。あれは女性向けサービスだよね?
さて、ネタバレです。
※想像妊娠って言葉は江戸時代からあったの?
見ている側の意識を「あ、いかんいかん、思いっきり偏見で見てた」と思いなおせる映画でした。最初に与えられた印象をいやみなくなくしていくのは見事でした。
じょご(戸田恵梨香さん)
終わった後に考えてみると、なぜ私はじょごを「頭ではなく体を使って(製鉄ね)生きているタイプ」だと最初に思っていたんだろうと思いました。強いなまりとお吟に対するへりくだり方、信次郎が傷を見ようとすると意味も分からず跳ね除ける姿に時代の最先端なこと(今回でいえば治療)が分からないと。額の火傷も手伝って知恵よりも本能で生きているような感じがしたんだよね。
ですが、彼女の製鉄技術を考えれば分かります。彼女は”考える”ことを知っていることを。なまりが強いだけで、頭の良い女性だということを。
戸田恵梨香写真集 ERIKA×CECIL McBEE Vivace
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お吟(満島ひかりさん)
高飛車で鼻持ちならないやつだというのが最初の印象でした。彼女は凛としてかっこよかったですね。何より、見ている私よりも、じょごを親身に考えていて対等なパートナー(という言い方が正しいか分かりませんが)と思い大切にしていました。下っ端気質のじょごのことを私なんかよりもよっぽど相手の身になって考えられる人でした。
翻って、自分のことを考えたときの美学がかっこよすぎです。ほれた男にかっこ悪いところを見せたくなくて、かっこ悪いところを見たくなくて、最後は好きな戯作の最後まで読んで死にたい。
かっこよすぎです。
「ぎん」という名の持つものの魅力
日本人は「きん」よりも「ぎん」が好きです。この名をもつキャラクターに情けなかったりカッコ悪いキャラはいませんね。
私が勝手に決めたカッコいい「ぎん」さん。(ほとんどは「銀」だけどね)
中村信次郎(大泉洋さん)
とりあえず膨大なセリフ量、お疲れ様でした(笑)。大泉洋さんの俳優としての底力を見せていただいたような気がします。好きなシーンはハッタリだけでやくざを追い返したところですね。さらに、おゆき(神野三鈴さん)の治療を行って、自分に自信を持ってもよさそうなものなのにそんなことない。最後の最後にじょごに押し切られる形で江戸に上る決意をする。愛すべきキャラクターでした。
この映画に出てきた男は全員、女によって生かされてますね。見栄や世間体と銘打っていても根本は妻に帰ってきてほしいだけ。結果は人それぞれですが、「女は男が必要」よりも「男には女が必要」のほうが上な気がしました。
あ、そういえば、元鞘のパターンがいなかったですね。
馬琴(山崎努さん)・戯作・八犬伝
時代背景は1812年。水野忠邦による天保の改革が行われたころです。
映画の中の「げさく」は「戯作」。ずっと「下作」だと思ってました。創作がくだらないものとかご禁制品に直結すると思っていましたので。
その中で八犬伝。お吟の件で出てきていいところで収まったと思ったけど、最後に越智をもって行きましたね。
曲亭馬琴は滝沢馬琴。滝沢という名字は明治に入ってからつけられたそうです。
玉虫(宮本裕子さん)が”お部屋”で見つけたもの
幕府の密偵で東慶寺に入った玉虫が”お部屋”で見つけたものはキリスト像だそうです。私には暗くてよく見えなかったです(^^;
その後の話の流れから、聖書かと思ってました。
みんなの評価
べた褒め。大泉洋さんと満島ひかりさんに対して安定の高評価で、それ以上に戸田恵梨香さんの株が急上昇。
お吟がじょごを妹といえるほど感情移入したシーンがないって声がありました。言われてみるとそうなのかな?私は気になりませんでした。東慶寺に入るという人生の一大事のときに助け合ったし、お吟さんは懐の深い人だし。
追記
DVDです。
覚悟を決めた女は何があっても揺るぎませんね。お吟さんのかっこいいし、じょごは一生懸命。んで信次郎はかっこ悪く右往左往(笑)
3人がお互いを映えさせる見事な配役と演技でした。