読みやすかった。
読んでいてすんなりとキャラクターの行動や動きが分かった。さすが有川浩さん。そのとき、そのキャラクターがどんな風に手を動かしたかさえ頭の中で絵として構築できました。
ただ、好き嫌いも出る文章かなとも思いました。軽やか過ぎる文章を嫌う人もいるかもしれないですね。
さて、ストーリーセラーのネタバレです。
ストーリーセラー
”妻が思考をめぐらせると死に至る病になってしまった。それは夫のわがままを受け入れ自身の喜びを得た妻にとって残酷な現実だった。”
私が読んだ時点ではすでに二部構成でしたが、もともとはside:Aと呼ばれる部分だけで発表されたそうです。Side:Bは単行本のために書き下ろされたそうです。
あ、ちなみに有川浩さんは女性です。「ひろ」さんです。私はずっと「ひろし」って読んでました
ストーリーセラーの点数 2/5
創作で人の死を持ってくるのは卑怯だと感じてしまいます。特に死をテーマのど真ん中に持ってこられると感動するしかなくなっちゃうじゃない。悪くいえなくなっちゃうじゃない。
物語に触れる私の原体験が「全殺しの冨野」だから、そのテーマについてお腹一杯になっちゃってるだけかもしれませんけどね。
side:A:100
最初に医師の診断で「致死性脳劣化症候群」を提示されているので、
彼女が彼に心を開き、
彼女の世界が変わっていき
彼女の家の問題を二人で片付けて
、と、彼女が幸せの階段を上れば上るほど涙を誘いますね。
、、、、すみませんが、私はあざとさを感じました。雑誌連載などで小出しになってたら面白かったのかも。
side:B
彼が怒ったところに、うるっときましたが、それぐらいかなぁ。side:Aでこの物語の死ぬことの重さを把握したので、彼が死んじゃうことは私の中で確定してたからなぁ。
それにしても、side:Aもside:Bも今際の際はさっくりと通しましたね。
side:B-2
物語の落としどころが冒頭に提示されちゃっているので「ごたごたやっているけど、結局、、、、」って気になっちゃったんですよ。
完成品を見ているから感じるのかもしれませんが、side:Aだけで納得した読者っていたんですかね?編集と電話している2ページは余韻なのかもしれませんが、私にとってはこの2ページがないと小説として成立していない感があります。
みんなのストーリーセラーの評価
賛否がすごい。注目すべきは有川浩さん作品を全て読んできているような人でも賛否が分かれているところ。
ただ、夫婦生活が10年を超えている人は設定に無理を感じようとも涙されている感じがします。