フレデリカ LOVE 邦画<ネタバレ>

内容を知っている方だけどうぞ。ネタバレで感想や評価を書いています。たまに批評・解説になっちゃっているところもあり。

映画『後妻業の女』感想/評価:83点/小心者の豊川悦司さんとおおざっぱな大竹しのぶさん

こんにちは。フレデリカです。

 

 f:id:frederica2014:20170108155755p:plain第40回 日本アカデミー賞 優秀主演女優賞

 

映画『後妻業の女』の見どころポイント

  • 登場人物の誰目線になるかはあなた次第
  • 正義が勝つとかそういう話ではありません
  • 豊川悦司さんvs永瀬正敏さん

 

では「後妻業の女」のネタバレ感想です。

 

映画『後妻業の女』の評価は83/100

小夜子(大竹しのぶさん)は結婚相談所の柏木(豊川悦司さん)と組み、高齢者を巧みに操り大金を稼いでいた。

次のカモは大学教授だった中瀬 耕造(津川雅彦さん)。首尾よく公正証書を作らせ葬り、大金をせしめた。これまでと違ったのは次女の朋美が探偵を雇ったことだった。

面白かったです。でもグリーピーの方が好きかな。

バックボーンに”連続殺人”があるので、最終的には裁かれるんだろうなと思ってました。気持ちが切り替わったのは本多(永瀬正敏さん)と朋美(尾野真千子さん)が英子(余貴美子さん)を訪れて、10万円を見せびらかせたのに1万円しか渡さなかったあたりかな?

創作だと割り切れれば、小夜子や柏木に感情移入して「私の中にない感情」を楽しむと思うんですが、最初に感情移入したのは中瀬姉妹でした。

残念だったのは中瀬姉妹が普通の結論に落ち着いたところ。うん、、、まあそうなんだけどね。

 

アマゾンで「後妻業」を検索したら出てきました。当時大騒ぎになりましたね
百田尚樹『殉愛』の真実

百田尚樹『殉愛』の真実

 

 

なまめかしい大竹しのぶさんのライン

オープニングの直後、下着姿でソファに寝そべる女性が足元から映し出されるんですが、なまめかしかったなぁ。それが大竹しのぶさんでした。

その後も惜しみなく半裸姿になり、鶴瓶さんとキスしてました。鶴瓶さんとの絡みは”孫六と小夜子の手練れくだれ”というよりは、”笑福亭鶴瓶さんとさんまさんの元嫁の大竹しのぶさん”としてみてしまいました。「そーいえば、昔の27時間テレビ笑福亭鶴瓶さんとさんまさんと大竹しのぶさんでトークしてたシーンがあったよなぁ」とか思ってました。

 

 

永瀬正敏さんのインパク

後妻業の女は主人公格が4人と思ってました。誰に感情移入するのかでこの映画のとらえ方がずいぶん違うだろうなと感じてました。

  1. 小夜子
  2. 柏木
  3. 次女の朋子
  4. 本多

最初の30分以降に出てきた登場人物を、私は主人公の一人だとは思いません。主人公を光らせる脇役だと思っています。なので最初の30分以降に出てきた登場人物がクライマックスのいいとこ持っていくと、「そんなに重要人物なら、もうちょっと早く出してほしかった」とか思います。

ですが、今回の本多はその違和感が全然感じませんでした。1事件が完全に終わってから出てきたのに主人公格だってことがすんなり私の中に入ってきました。シナリオの妙なのか永瀬正敏さんの役者としてのインパクトなのかはよくわかりませんが。

気が付いたら私は本多目線で物語を見てました。

 

小心者の柏木とおおざっぱな小夜子

細かく計画を立てる柏木と

度胸と対応力と法令遵守概念がない小夜子。

どっちかがどっちかに惚れているとかじゃなく、信用しきっているってわけじゃなく、対等な立場って概念もなく、お金が多く入るので組んでいるだけ。なんとなく柏木は小夜子の面倒を見ていると思ってたかな?小夜子は何にも考えてなかったでしょうけど。

 

相手を売って自分が助かるなら躊躇なく売り飛ばすでしょう。そんな薄い関係。”同じ方向を見ている仲間”ではない。見てて楽しかったよ。

 

事務所に本多が踏み込んだあたりから思ったんですが、柏木は大悪党じゃないですね。虚勢でごまかしたけど、本多が帰った後はめちゃくちゃ動揺している。

 

殺害に失敗した博司が本多に会いに行ったとき、私は「バカ、報告なんてしに行くな、そのまま殺されるぞ」とか思ってました。

拳銃を捨ててやり*1、逃走資金まで渡しちゃう。

 

柏木は私が思っていたような完全無欠の悪人じゃないですね。

 

博司は何を焦ってた?

ラストなんですが、博司は金を作るために小夜子のマンションに忍び込んで物色します。高跳びするための資金がほしかったようですが、博司は何を焦ってた?

拳銃の代金が払えないから逃走資金?それも柏木からもらってたよね?

柏木が金をもらって、さらに「金がなくなったら連絡してこい」とまで言われてたよ。その柏木の言葉が本当かどうかわからないけど、博司は鵜呑みにして”俺は沖縄に行けば安全!”とか考えちゃうはず。何を焦ってたの?

 

結局、落としどころはそこだよね。金を持っていけるわけじゃなし

中瀬姉妹が言ってた「あまり父に会わなかった私たちにも非があるし、父が小夜子と楽しかったんならそれでいいんじゃない?」は詐欺師側の理論でもあります。

 

親父さんの遺書が出てきて、小夜子に100%だまし切られたわけじゃないってことで姉妹の溜飲は下せたんだろうけど、、、。この理屈はずっと小夜子が武器に使ってた理屈なんだよねぇ。もちょっと違う理屈が見たかったかも。

 

セーラー服と機関銃でも敵が同じようなこと言ってました。(町レベルで)

movie-review.hatenablog.com

 

映画『後妻業の女』のCAST

 

映画『後妻業の女』のまとめ

  1. 創作と割り切り、楽しめるなら小夜子や柏木に感情移入を!
  2. 現状把握と、それをうまく使って自分の利益を作る世渡りが素敵と思うなら本多に感情移入を!
  3. 小市民なら中瀬姉妹に感情移入を!

 

映画『後妻業の女』のベストシーン

本多が、柏木の結婚相談所に乗り込んだ時の対峙。二人ともかっこよかった。

それと本多を帰した後の柏木の焦り顔。人間臭くってよかったです。

 

映画『後妻業の女』の評判

3.54/5 yahoo映画より(2016.08.28現在)

 

大竹しのぶさんがすげえ!

おっぱいがすくない。笑えるポイントが少ない

落ちが弱い。犯罪者が裁かれない。

 

私は最後に同調かなぁ。物語は勧善懲悪であるべきであると思うと納得できないよね。んで落としどころが、あの姉妹の会話だったし。

 

タグ

監督:-鶴橋康夫さん-

脚本:-鶴橋康夫さん- 

俳優:-大竹しのぶさん-  -豊川悦司さん-  -津川雅彦さん-  -尾野真千子さん-  -長谷川京子さん-  -水川あさみさん-  -風間俊介さん-  -余貴美子さん-  -ミムラさん-  -松尾諭さん-  -笑福亭鶴光さん-  -樋井明日香さん-  -梶原善さん-  -六平直政さん-  -森本レオさん-  -伊武雅刀さん-  -泉谷しげるさん-  -柄本明さん-  -笑福亭鶴瓶さん-  -永瀬正敏さん- 

*1:弾丸に銃痕が残るので一度使った銃をもう一度使おうとすると銃痕で同じ銃から発射したものとして足が付きやすいので、一度使った銃は捨ててしまうそうです。、、、、とドラマで見たような覚えがあります