フレデリカ LOVE 邦画<ネタバレ>

内容を知っている方だけどうぞ。ネタバレで感想や評価を書いています。たまに批評・解説になっちゃっているところもあり。

映画『ミュージアム』感想/評価:40→70点/カエル男(妻夫木聡さん)のクライマックスのセリフで興ざめ

こんにちは。フレデリカです。

 

wwws.warnerbros.co.jp

 

  • キャスト:小栗旬さん、尾野真千子さん、妻夫木聡さん
  • 監督:大友啓史さん
  • 脚本:高橋泉さん、藤井清美さん、大友啓史さん
  • 公開日:2016.11.12
  • ジャンル:テレビ会社制作
  • 上演時間:132分
  • レーティング:なし

映画『ミュージアム』の見どころポイント.

  • カエル男の狂気
  • 追い詰められていく沢村
  • 雨の日にのみ殺人が起こるのと犯人がカエル男なのにはちゃんと理由が出てきます。

 

では『ミュージアム』のネタバレ感想です

 

映画『ミュージアム』の評価は40/100

沢村は家庭を顧みずに仕事に集中する刑事。妻の遥は愛想を尽かせかけていた。

雨の日、地下で見つかった殺人と工場跡で見つかった殺人は美術作品のようにタイトルがつけられていた。

被害者二人の共通点は妻の遥にも共通していた。

 

 

wowwowなのでテレビ局制作にするか悩みましたが(地上波じゃないので)、見てみたらテレビ局制作でいいやと思いました。原作があってその後追いなんだから、原作で失敗したところを再構築するとかは考えなかったのかな?

 

いろいろおかしなところには目をつぶったつもりでしたが、芸術家気取りのサイコパスが被害者面したのは、ちょっと受け付けられませんでした。

異常殺人ではなく、沢村の壊れかけの過程からスタートしたので「あー、落としどころとして家庭愛を確保しやがったな」とは思ってしまいました。それでも監禁されてハンバーガー食べているところは興味深く見れたけどね。

 

あ、雨の日にのみ殺人が起こるのと犯人がカエル男なのにはちゃんと理由が出てきたのはうれしかったかも。

 

 

 

裁判員制度

先に話のバックボーンを少し。

裁判員制度を否定しているのか舞台装置として使っただけなのかはちょっとわかりませんでした。

 

「怒り」の広瀬すずさんの衝撃シーンは「沖縄問題」と取り扱ったのではなく、「舞台装置」として使っただけだと思うんだけど、こっちはどういった意図があるのか分かりませんでした。

www.sankei.com

そーいえば、裁判員制度が始まったころ、裁判所のQAで「Q.裁判員になったら襲われることはありませんか?」という問いに

「A.そんなことは法律で認められていないので心配ありません」

と書いてあったそうです。まるきり現実を見ていない杓子定規だ!!

 

おかしなところが多すぎるだろ。

漫画と映画(実写)の表現方法が違うって話かも。

 

死刑判決

映画の中で死刑宣告を受けた大橋が崩れ落ちて、理由を説明できていない裁判官が休憩をとるか聞いていますが、、、。

 

裁判所は普通なら主文で刑を宣告し、理由を語るそうです。

でも死刑だけは別で、理由を説明した後に最後の死刑を宣告するそうです。

なぜなら被告が理由を聞けなくなってしまうから。死刑判決を受けた大橋のように取り乱すのが当たり前だからです。

 

私は裁判に詳しいわけではなく、ヤフーニュースで得た知識です。一般人が調べる気もないのに得てしまう程度の知識は得といてくれると感情移入しやすいっすよ。

 

こんなのが記事になっちゃうほど、死刑判決時に主文が後回しになるのは常識のようです

getnews.jp

 ま、ここまではこのくだりは過去シーンであり、目をつぶってやらんでもないと思ってました。でも、次のはダメだ、、、、

 

西野が殺されるところ

ビルの屋上で縁に立たされて、直立して体を外側に倒してネクタイをカエル男にもたれて命を保っている。直立できているのも体を外側に倒しているのもおかしいだろ!

 

漫画ではおかしく感じなかったのかなぁ。テラフォーマーズでは確かに映画で感じた違和感(重火器持ってけよ!)を、そのあとで見た漫画では感じないところがありました。それと一緒なのかなぁ。にしても映画には映画の表現方法があるってことで、漫画をマルパクリすればいいってもんじゃないってことだと思うけど。

 

見ている間にモヤモヤしていることが漫画だと気にならなかったです

movie-review.hatenablog.com

 

 監禁場所ととんでもない難度のジグソーパズル

1000ピースってあんなにデカかったっけ?絵がほとんど白地で、照明はチカチカしている蛍光灯。沢村はジグソーパズルが得意なタイプに見えないよなぁ。そんな沢村がイヤイヤやっているジグソーパズル。難度高すぎない?

 

敵の施し(ハンバーガー)を二度も受けなければ生命の危険を感じてしまうほどの長時間の監禁。、、、、トイレは?

dic.pixiv.net

 

フリーライターの関心事項

このシーンの肝はフリーライターが突然来たことによる将太のストレスなんですが、、、、。なぜ三か月前の拉致監禁事件ではなく3年前の誤審死刑判決なの?拉致監禁事件はマスコミにかぎつけられてないと読み取らないとダメなのかな?、、、、いやぁ、、、将太には拉致監禁事件のほうが自身の経験に直結しているわけで、物語としてフリーライターが避ける理由がないけどなぁ

 

おかしいというか残念なところ。心因性の説明と将太の首かき

霧島が狂ったのは心因性だそうです。お姉ちゃんが言ってました。それって沢村が最初に訪れたときに説明できなかったかなぁ。後述してますが、原作がこの順番でも仕方がないと思うんです。けど、後おいの映画なら、心因性の説明と運動会の将太が首を書いているところはできるだけ遠くに放しておいてほしかったなぁ。直結しすぎててつまらないよ。

 

 

サイコパスで芸術家気取りの霧島

 サイコパスとしての霧島は信用していたのですが、大きく裏切られました。

 

私にとってのサイコパスの原点
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沢村に執着する霧島

ちょっと分かりませんでした。沢村の壊れ度合いは霧島に共感を持たれるほどじゃなかったもんなぁ。ストーリー展開のために「霧島が妻子を殺さなかった理由」にしか見えなかった。

 

 フル勃起でいいのかな?

写真や画像を舐めているときは半勃起で、クライマックスに鬼ごっこしたり将太を人質に取って遥を殺せと言っているときはフル勃起でいいのかな?この映画にはR指定なし。表現を柔らかくしたかな?

 

 

作品作りはどこに行った?

霧島が沢村と作りたかった”作品”って何?展示物でも映像でもないんだけど?単なる自分の快楽になってますが?

霧島は沢村に作品を見てほしかったのではなく、一緒に作りたかったんでしょ?世間に対する曲がった承認欲求なんでしょ?”作品”が残ってないよ?

 

→ 追記:作品はできてました!

 

原作は三巻とはいえ連載しながら話を作ったり、実際に書いてみて頭に描いていたことが無理があったことに気づくことは多いと思います。だから霧島が沢村と作りたかった共作作品が形のないものになってしまったのはある程度仕方ないと思います。

 

 なにより週刊誌です。翌週に読ませる力を持つことが最重要なことの一つです。

しかし映画は違う。

映画は一度見た始めたらよほどのことがない限り最後まで見ます。

 

原作ありきの再構築なんだからさ。もうちょっと何かなかった?

 

 

 

霧島の最後のセリフで興ざめ。

タイトルにも使ったので別建てします。

 

霧島が屋敷の外で追い詰められて、大演説を始めます。その最後の言葉

 

同情するやつもいるだろう

 

ふざけんな。せめて関端のセリフの「そんなことは許さん」に対して、「ならよかった」ぐらい言ってくれ!

3年前の樹脂詰め事件も今回の連続殺人も”芸術家としての承認欲求”として始めたんじゃないか!サイコパスじゃないか!幼いころに両親を猟奇的に殺されたのがサイコパスになったトリガーにするのもいいが、なんで唐突に被害者面を始めるんだ!!

芸術家なら生い立ちではなく作品で勝負したいっていう気概や価値観を見せてくれよ!サイコパスなりの矜持を見せてくれよ!

 

見事なサイコパスでした!強さも弱さも自分勝手さも見事に描いています

movie-review.hatenablog.com

霧島に共感なんていらないんだよ!なんで突然、「僕チンかわいそうでしょ?だから狂っちゃったんだよ」っていう普通の人の感覚にそろえさせようとするんだよ!!

 

遥の反撃チャンス

冷蔵庫に入っていた遥と将太の首。沢村が驚いた後、霧島の部屋に場面が変わって遥たちが生きていることを観覧者は知るわけですが、そのシーンでのこと。

遥は強気で霧島に言い返します。数日の監禁は心が折れるような気もしますがそれはいいです。ここで私が期待したのは、普通の感覚をもつ遥が絶対的な価値観を持つサイコパスの霧島に勝利する一言です。残念ながらありませんでした。

ここで一度スカッとしたかったなぁ

 

こちらも欲しい一言がいただけませんでした

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沢村の過去

突然差し込まれたけど、必要だった?沢村が家庭を顧みなかった動機づけにも霧島に共感を受けたバックボーンにもなってないんだけど?

 

映画『ミュージアム』のCAST

沢村久志 - 小栗旬さん

まじめな小栗旬さんは初めて見た。熱演でした。

 

みうらじゅんさんのトンデモ映画に選出されてます(笑)

movie-review.hatenablog.com

 

沢村遥 - 尾野真千子さん

殺されてるかなと思ってました。霧島が沢村に固執する理由がみあたらないんだもん。

 

こちらでもヒロインでした

movie-review.hatenablog.com

 

西野純一 - 野村周平さん

情けないキャラで出てきたけど、カエル男を追いかけたのはかっこよかったですよ。もろに死亡フラグだったけど。

 

 

主人公です。

movie-review.hatenablog.com

twitter.com

菅原剛 - 丸山智己さん

ameblo.jp

秋山佳代 - 田畑智子さん

奥さんの友達。彼女が「沢村さんのダンナも!」って言ってたような気がしたんだけど聞き間違えかなぁ。

 

佳代さんの部分は見事でした。プライベートなつながりで佳代にたどり着く沢村と警察としての調査で佳代にたどり着く警察。

そして「私、彼氏なんていません」という驚かせ方。

 

いい感じに不意を衝いてくれて楽しかったです。

 

刑事役でした

movie-review.hatenablog.com

橘幹絵 - 市川実日子さん

「法律を尊趣し脅迫には屈しない!」って顔しているくせに

刑事が来たときは教えず、

その前の沢村の来訪の時には迫力と拳銃に負けて霧島のことを教える。

 

毅然としてても人間臭いなと思ったんだけど、霧島と兄弟ってことだと話が変わってきます。


 

彼女は霧島から沢村のことを聞いてたの?

だから沢村を誘導したってこと?邪魔させたくないから刑事たちには黙ってたってこと?

 

 

movie-review.hatenablog.com

 

岡部利夫 - 伊武雅刀さん

相変わらずの存在感でした

 

こっちでは組長役

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沢村久志の父 - 大森南朋さん

なんで差し込んだんだかわかんない。

 

ルポライターでした

movie-review.hatenablog.com

関端浩三 - 松重豊さん

霧島の「同情するだろう」に対して「そんなわけあるか」と切り返した人。

あの言葉で救われたりスカッとした人がある程度いるのかしら?

 

松重豊 公式ブログ「修行が足りませぬ」 powered by ココログ

 

 

カエル男(霧島早苗) - 妻夫木聡さん

芸術家なら芸術家としてのプライドを!

そこまで情けない姿をさらしているシーンがなかったじゃない。躊躇しているところとかなかったじゃない。自分の世界で胸張っていこうよ。

沢村との作品が作品じゃなかったのと、「同情するだろう」って言葉がどうしてもダメでした。

→ 追記:作品はできてました!

 

映画『ミュージアム』のまとめ

  1. おかしいところがいくつかあったけど、クライマックスが盛り上がればいいやと思ってみてました。けど、最後が「同情するやつもいるだろう」では、、、、、
  2. 心因性の光線過敏症の説明をもうちょっと前に持ってこれなかったですかね?将太が首書いているのが直結しすぎててつまらないです。
    追記。霧島と沢村の共同作品は着々と完成中!!
  3. この方向の話が好きなのに、不完全燃焼って人はグリーピーがお勧めです。

 

映画『ミュージアム』のベストシーンとセリフシーン

おかしさ満点のベストとセリフシーン。

 

ベストシーン

ネクタイ一本で命がつながっている西野。

 

告知動画でも使われてますね。おかしいよ。漫画だったら飲み込めたのかな?

 

 

セリフシーン

霧島の最後のセリフ

同情するやつもいるだろう!

 

えー、芸術家気取りだったんじゃないの?芸術家気取りなら作品で勝負じゃないの?

霧島が単なる被害者になっちゃったよ。

www.youtube.com

 

映画『ミュージアム』の評判

3.27/5

255星/78件 = 3.27

 

yahoo映画より(2016/11/12現在)

ステマなんだか遊びなんだかが飛び交っているyahoo映画。本映画は試写会前から星5を付けている人が400人いたそうです。

 

コメントにある星だけ拾いました。

この数え方だと文章を書く気がある人だけになってしまうんで、偏りが、、、、。

 

ちょっとの間、この部分のコンテンツは迷走するなぁ。

 

 

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もう一つの解釈-しまった!作品が出来上がってた!(追記.20161114

霧島は沢村に自分に同じものがあり、二人で作品を作りたいと言っていました。

 

沢村に作品を見せたいのではなく

沢村を作品にしたいのではなく、

沢村を振り回したいのではなく

沢村と一緒に作品を作りたいのです。

 

エピローグでは、沢村のもとに妻子が戻り、家族や夫婦として成長した姿が表現されます。明るい日の下で翔太が運動会で徒競走で走ります。

家庭に平和を乗り越えました。

ですが、将太は光線過敏症を発症しているように首を搔きます。観覧者は「心因性光線過敏症」は「霧島と同じサイコパス」に直結します。

将太がサイコパスになって霧島と同じようになってしまうんじゃないかと考えてしまいます。

サイコホラー特有の後味の悪いラストでした。

 

霧島が沢村と作った作品とは、将太か!サイコキラーに仕上げたことか!!

将太を光線過敏症になったのは偶然ではなく、霧島(と沢村)の作品が作成過程中ってことですよ。進捗が順調ってことですよ。

 

勝手な深読み1.豪邸の廊下での追いかけっこ

 

おかしいとは思ってたの思い出したよ!!

前半は霧島の作品作成過程。()は私が思っていたこと。

  1. 冷蔵庫の妻子の首で脅かす(ここまではいい)
  2. 劇場させたところを姿を現して追いかけさせる。(弾丸の入っている拳銃を渡しているのに何で姿をさらすのか)
  3. 遥にカエルの頭をのせて殺させかける(沢村が気付いてぎりぎりで回避できたと思った)
      ---- ここまでが下地。ここからが作品作成の肝---
  4. 夫婦が抱き合っている前に霧島が立ち、手元にいる将太に銃を向ける。(どうせ、警察隊が突入してくるんだろ?と思ってた)
  5. 将太に自分のせいで、泣きながら母が自身に銃を突きつけるのを見せる。
  6. 将太の頭の上をかすめる至近距離の銃撃戦。

 

霧島と沢村の合作が世の中に公表される(将太が私刑を行う)のは数年後ですね。

 

ラストは

将太がサイコパス予備軍になったのはわかったんだけど、

それが霧島の計算通りだったのは気づかなかったよ。

 

勝手な深読み2.私が嫌った「同情するだろう」

霧島が芸術家としての自分を否定してしまった「同情するだろう」。

もし、これが将太へのメッセージだったら?

お前(将太)も俺と同じように狂っていい!という免罪符を渡したのだったら?

 

、、、、ちょっと苦しいか、庭での大演説は地下の廊下にいるであろう将太には届いていないよね。

 

 

 

点数をあげました。

でも、道中の可笑しさとか、霧島が沢村にシンパシーを感じたのはよくわかんなかったけどね。

霧島が沢村に感じたのは自分との同調じゃなくて親父と同じ姿?だからこそ将太に自分を重ねて作品にしようとしたかな?