wikipediaには原作が全部書いてあるので注意です。
元になった事件があるのかなと思ったけど、いくつかの集合体で軸になる事件はないのかな?
静かなのでテレビだと飽きたかな?
宮沢りえの枯れ方
インターネットを支えている技術の安定したバージョンを「枯れる」ということがあります。最新すぎる技術はどこに穴があるか分からないし、使いやすいかはみんなで試してみないとわからない。みんなが使ってみて高い評価を得る頃には、みんなが知っている技術になっていますが、安心して使えるほど「枯れた」技術になります。褒め言葉です。
宮沢りえは一時代を築いたアイドルです。明星(今あるんだっけ?)でバイオリンを弾いている姿の写真が載っていて「バイオリンが乗っかっちゃうおっぱいの大きさ!」と友達も大盛り上がりしたものです。
そんな宮沢りえさん、いい枯れ方していると思います。アイドルのころの強い輝きはさすがにありませんが、一つ一つのしぐさに味が出ています。
さて、ネタバレです。
閉塞感・徹夜・後始末・開放感
夫婦間の見えずらいズレが分かりやすかったです。旦那は梨花のことを考えているようで、梨花の意志を全くくみ取ろうとしない。その閉塞感。
その中で「私を女として見てくれている」。それだけでよかった徹夜。さえなかった光太が変わっていく。梨香も変わっていく。光太に抱きしめられて顔が見えなくなると、この幸せが砂上の楼閣だと冷めてしまう梨花。
光太を捨てた・捨てられた後に待っていた後始末と自転車操業。
そして開放感。彼女が後ろめたいことなく自由と感じたのは銀行から逃げたして走っていた時ですね。
柱が三人
相川(大島さん)
バカっぽいけど、実は彼女なりの価値観でちゃんと歩いている人。倫理が他人と違うけど、自分で考えるから引き際とか道筋を持っている。ちゃんと周りを見れてますしね。彼女の価値観が銀行を大きくするとか立身出世に目が行っていないだけで、見なくてはならないことはちゃんと見ている。
言ってみれば、彼女は立ッションを始める人。梨花は誘われるままに立ッションする。梨花はよくわからずに付き合っただけなのでそのままだけど、相川はあとでちゃんと手を洗う。....うーん、このたとえは分かりにくいか。
隅(小林聡子さん)
ちゃんと価値観を持っている人。相川と全く違うのでよくぶつかっていたけど、会社員のシンボル的な存在名だけじゃなかったですね。梨花がやったことはちょっとあこがれている人。
少女の純朴で純粋で概念的な問いを、大人の理屈できっちりと具体例で答えを返した人。こんなに真正面から切り返したのって、めったにないと思う。行動ではなく言葉で表現したことを評価としてあげるのか下げるのかは見るひと次第なのかな。
正義感、他人の敷いた決まったレールに乗ってることが正義。多少の無茶や悪いことをしてでも一番最初に示されたことを守るの正義なんですね。考えなくていい状態を作ったり作ってもらったりして、その後はルーチンに乗っかってればいい。最初に示されたこと、光太が女としてみてくれたことです。蜜月がありますが恋とは違うと思う。独占欲・彼女なりの正義感のほうが強い。
濡れ場(この映画用語では”徹夜”)でほぼ裸を見せなかったね。
なんとなく「100分で名著」って番組で今扱っている『菜根譚』を思い出しました。分不相応は身を亡ぼす。
みんなの評価
評価に困っててとりあえず中間点をつけてる。つまらなくはないし、友達には見てみたらといえるけど、おもしろかったかと聞かれればうーん、、、
おっと忘れてた。「偽物でもいいじゃない」。これってお客様が言ってた言葉です。このころには何にも完全に心がマヒしてて梨花には何も響かなかったですね。