フレデリカ LOVE 邦画<ネタバレ>

内容を知っている方だけどうぞ。ネタバレで感想や評価を書いています。たまに批評・解説になっちゃっているところもあり。

ソロモンの偽証・後篇 裁判/文化祭は前夜のほうが楽しい。


タイミングが合わなくて、いつも行っている近所の映画館のレイトショーではなく、新宿ピカデリーで見ることになりました。

 

結論としては、見るのが遅れたとしてもレイトショーでもよかった。1800円ではなく1300円でよかった。

 

一言で言えば「何じゃそら?」です。

 

監督は後篇がつまらないものになってしまったことに気づいてた?

どのシーンだったか忘れましたが、涼子がしゃべっている間、後ろに座ってた女の子が、落ち着きなく足の位置をかえ、体を動かしてました。明らかに裁判に完全に飽きてました。

エキストラの動きに監督さんが気づかなかったのはおかしい。ってことは監督さんがやらせた演技ってことになる。あの女の子の態度は、監督さんの何かに対する反論だったのでしょうか?

 

ここまで醜くはありませんが、こんな感じ。(安倍さんにクイズ出した人です) 

 

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さて、ネタバレです。

前半を見た後、ちょっと調べたら、小説のオチが出てきてしまいました。

  • 大出の家の火災は親父さんが自分でやった
  • 柏木君は自殺。

映画になったら、もう一ひねりしてくることを希望していました。大出くんちの火事の真相は、さっさと明かしてくれたので助かりました。

 

前半の引っ掛かりを一個一個丁寧に解決していく

別の言い方をすれば、前編で広げた風呂敷を一個一個丸めて捨ててってる。

元校長は救われましたが、涼子は大人すぎないかい?

元担任の件は、隣のクレイジー(日本語はダメ。by幽々白書)のせいってことでいいのね。なんか納得いかないけど。

 で、そんな感じで大人フェーズをすらっと終わらせて生徒フェーズに入っていきます。

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前回、7つのポイントを挙げていたので、それにそって書いていきます。

 1.柏木卓也は自殺か他殺か、犯人は?

正直な感想:結局自殺だったんかい。

柏木くんの将来やこの世に対する絶望がまったく共感できませんでした。(この映画が一番腑に落ちない肝の部分。

前の記事に書いたことをもう一度使います。

”いじめの現場(あれは暴行じゃないか?)を見て逃げ出そうとする涼子を「お前みたいなのが一番汚い」といいますが、「偽善者!」といって糾弾して悦に慕っているあんたのほうが質(たち)が悪い。”

私が若ければ、柏木君の絶望に理解ができたの?うーん、、、、一方的に拒絶し捨ててわかんないんだよねぇ。

ちなみに柏木君が落ちたところを誰も見ていません。神崎君は帰っちゃった後だし。足を滑らせた?でもなぁ、直前の行動は『「別かれるんだったら死ぬ!」と付き合っている相手を脅すかまってチャン』だったしなぁ。同情するとか、十代の壊れそうなピュアなハートとかは思えないんだよなぁ。

 

そーいえば、自殺じゃない根拠はカギをぶっ壊した工具がなかったことだったよね?あの状況だと柏木君が持っているはずなんだけど、どうなっちゃったの?

 

2.浅井松子が事故るまえに何があったのか

裁判後、樹里が松子の両親に頭を下げましたが、それで済む問題じゃないだろ。

 元校長、元担任のときも思いましたが、きれいにまとめすぎようとして無理が出てると思う。

 

3.20年後の真実

 まさか、20年後はただの導入とシメだとは思わなかった。特に何もなく終わり。だったら、中学生の時間帯だけでよかったんじゃないの?

前篇の感想より

20年前の話が終わり、現代に戻って、頭の中で何かがつながって「状況が少し違えば犠牲者は私だった」ということになるのでしょう。柏木のほうか、松子のほうか。 

ぜひにこれが欲しかった。 

 

4.神原和彦の過去

こいつ、よその中学まで来て何やってんだ。

 

5.担任宛の手紙を捨てたのは誰か?

ひねりなし。隣のクレージー(日本語は駄目なんだよ(略)by幽々白書)がマスコミに垂れ込むなんて、よく思いついたもんだ。 そういえば、マスコミも最初に論破された後にまるっきり出てこなくなっちゃいましたね。

 

6.ウソについて

偽証とは。神原君が真実を知っているのに黙ってたところでいいのかな?隠蔽と偽証は違うかもしれないけど。

5日目に神原君が話し始めてからは柏木君の親御さんと大出くんの立場や心理を完全にほったらかして、真相を語りました。

舞台が中学である以上、これは裁判ごっこです。4日目の大出くんはともかく、柏木くんの親御さんをあんなふうに傷つけるのはおかしいと思う。(そこをぼやかすためにも柏木くんの親御さんははっきりとは画面に出てこなかったんだろうけどね)

津川雅彦さんの半年前の”あやふやな記憶”が、高速で”はっきりとした記憶”にすりかえられていくのも気持ち悪かったなぁ。

 

ソロモンの偽証: 第III部 法廷 下巻 (新潮文庫)

ソロモンの偽証: 第III部 法廷 下巻 (新潮文庫)

 

原作の大事なところを改変しているらしい。

 

7.まとめ。犯人は?あの歩道橋について

犯人というか、真相を知っていたのは神原くんです。柏木くんの超絶理論(かな?人の弱みをちょっとでも見つけたら上から目線で説教を始めているようにしか見えなかったけど)と絶望につき合わされ、最期に立ち会ってしまったモヤモヤや自殺を止められなかった後悔は理解できます。が、映画として面白くなかった。

前篇で立てた予想は外れました。まぁ、うん、外れたさ。真相に納得いってないけど。

歩道橋のいじめ現場は、前篇であれだけ煽っておいて、ほぼ登場しませんでした。

 

文化祭は前夜のほうが楽しい。

 学生のころに文化祭が楽しかったのは、本番があったからです。本番への期待からです。でも文化祭当日はどうでした?

学生時代が楽かったのは未来があったからです。大人への期待です。でも大人になってどうですか?

 前篇が楽しかったのは後編があったからです。後編への期待からです。でも後編を見てどうですか?

 

そんな感じ。”先”のことを夢見ているときは楽しいけど、実際に”先”になってみるとこんなもんだよね。

 

あ、思い出した。涼子の危機や守られていることってなんだったの?まるきり出てこなかったんだけど!

親父さんやおふくろさんが台所で小さな声で話してた、”真実を知っているけど涼子が傷つくかもしれないから隠しておく”っぽいことってなんだったんだよ?

 

みんなの評価

前半の盛り上がりをまったく引き継げなかった分、酷評の嵐。

 

 

涼子のパパ役の佐々木蔵之助さん主演!

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大出くんがいじめられっ子役してます。私の中で両者がまったくつながらないのは、役者としてすごいって事なんだろうな。

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