青くて痛くて脆い
作品情報と鑑賞前感想
- キャスト:吉沢亮さん 杉咲花さん 岡山天音さん 松本穂香さん 清水尋也さん 森七菜さん 茅島みずきさん 柄本佑さん
- 監督:狩山俊輔さん
- 脚本:杉原憲明さん
- 公開日:2020.08.28
- ジャンル:青春
- 上演時間:119分
- レーティング: G
あらすじ&鑑賞前感想
人付き合いが苦手な大学生・田端楓と、空気の読めない発言ばかりで周囲から浮きまくっている秋好寿乃。ひとりぼっち同士の2人は、「世界を変える」という大それた目標を掲げる秘密結社サークル【モアイ】を作るが、秋好は“この世界”から、いなくなってしまった…。秋好の存在亡きあと、モアイは社会人とのコネ作りや企業への媚売りを目的とした意識高い系就活サークルに成り下がってしまう。取り残されてしまった楓の怒り、憎しみ、すべての歪んだ感情が暴走していく…。あいつらをぶっ潰す。モアイをぶっ壊す。どんな手を使ってでも…。楓は、秋好が叶えたかった夢を取り戻すために親友や後輩と手を組み【モアイ奪還計画】を企む。
ここから先は 青くて痛くて脆い の感想です。ネタバレしてます!!
青くて痛くて脆い - ネタバレ感想 ( 65 / 100 )
新生したmoaiで旧モアイ時代の動画を流すのは、やめた方がよくない?
キャラクターと俳優
田端楓 - 吉沢亮さん
中盤はポリシーがあるように見えました。
この言葉が頭の中をずっと回ってました。
革命はいつもインテリが始めるが、夢みたいな目標をもってやるから、いつも過激なことしかやらない
— EXAM (@EC485raicho) 2020年5月16日
しかし革命の後では、気高い革命の心だって、官僚主義と大衆に飲み込まれていくから、インテリはそれを嫌って、世間からも政治からも身を引いて世捨て人になる
(アムロ・レイ:逆襲のシャアより) pic.twitter.com/L84rBK3pD2
↑楓は全く別のモノでした。
立ち上げた時とは全く違うものになった、秋吉が退学をやめることになったから、だからモアイを潰すとうまく誘導されてたんですけどねー。
終わってみれば非リアのオコチャマでした。
要するにサークル規模が大きくなるのについていけなかっただけですね。
秋吉に淡い恋心は持っていましたのでしょうが、それ以上にポリシーの体現者であり指導者だと思っていたのでしょう。
その秋吉が”女性”の面を見せたとき、”勝手に”失望しました。
受動的な大学生をすごくたくさん見てきたそうです。Fランク大学就職チャンネル
周囲を固める方々
秋吉は主人公の一人のようでそうでもない。この話は楓の一人相撲とそれに巻き込まれた人々の話なので。
秋好寿乃 - 杉咲花さん
杉咲花さん。あら、耳が隠れてた。杉咲さんの耳しか覚えてない映画(パーフェクトワールド)があるのに、一切気になりませんでした。
彼女は何も変わっていない。クライマックスのタイマンの時にそれが出ずに単なる大学生の言い争いになっちゃったのは残念。
最後に「ああ、この子は何も変わってなく真っすぐだ」と楓と私を圧倒してほしかった。
前川董介 - 岡山天音さん
テンに飲み込まれますが、映画としては唐突すぎました。
楓とは違い、目的意識弱く始めたモアイ撲滅運動を始めています。テンに対してフィルタが強くない。
テンに直接接して、そのリア充の光に取り込まれたってことでしょうが、テンの悪事が物語のメインじゃないから、フワフワしてました。
原作では、ちゃんとテンの魅力が描かれてたんですかね。トースケの心の移り変わりが描かれているんですかね。映画の中では「ちょいちょい飲むようになった」と言われただけなのでなんとも。
本田朝美(ポンちゃん) - 松本穂香さん
秋吉の代弁者が主な役目。
目の奥にいろいろと考えていることがありそうで、正体を探すのが道中の楽しみの一つでした。テンにリークして利益を得るんじゃないかまで考えてました。
結果的には、単に聡い女の子なだけでした。物語に影響を与えることがなかった。残念でした。
川原理沙 - 茅島みずきさん
楓の代弁者が主な役目。
でも楓側(っぽい)人間としてもう少し物語に影響を与えてほしかった。
演技はこれから頑張ろう
脇坂 - 柄本佑さん
楓にとって、最初の協力者であり敵であり社会。
天野巧(テン) - 清水尋也さん
リア充。
彼の悪事とモアイの偏執がつながっていないので、物語を引っ張る力は持っているけど、物語の軸にはなれない。
昔読んだ小説から抜粋します。
政治の腐敗とは政治家が賄賂をとることじゃない。それは政治家個人の腐敗であるにすぎない。政治家が賄賂をとってもそれを批判できない状態を政治の腐敗というんだ
— ヤン・ウェンリー (@_Yang_Wen_li) 2019年1月1日
楓は「政治の腐敗」。テンは「政治家の賄賂」。
テンがモアイを乗っ取ってるなら点を潰すのが目的でいいと思うんだけど、この物語はそうじゃない。
テンを潰すことが前半の盛り上がりならいいんだけど、主題に持ってくると話がぶれちゃうと思うんだよなぁ。
あ、最後にテンは頭を下げている描写がちょっとだけ出てましたね。物語の主題じゃないので、あの程度の扱いでいいんだけどさ。
清水尋也さんがぼっこぼこにいじめられています。騙されて男娼させられてます
www.frederica-movie-review.com
物語の感想
風呂敷の広げ方はすごいが、中に入ってたものが薄い。
公開の方法がtwitterってのが、今っぽいけど、今しかできない方法じゃないよなぁ。
昔なら、週刊誌に行くとか壁新聞を張りまくるとかで、ちょっと表現方法が変わるだけ。
白馬の王子様なんていないのさ!
※私は受動的なしょうもない奴側の人間なのです。それを踏まえて聞いてください。
受動的な楓を無理やり引っ張った秋吉にも少し非があるような気もする。自分は何もしないですべてを与えてくれる楓が、自分を見なくなったので盛大な嫌がらせをした。
これが成立するのは、お母さんだけですかね。
上にも書きましたが、簡単に言えばオコチャマです。それを具体的に提示してきました。
人間ってオンリーワンになりたいし、若ければ、それが顕著。それが生まれ持ったもんだと思っている。
楓は自分が生まれ持ったオンリーワンの価値に秋吉が惹かれてくれたと思ったんだよね。
それが、たまたまそこにいたからの間に合わせと気づいてしまった。、、、と楓は思った。
楓は理想論を掲げてまっすぐに進む秋吉しか見ていませんでした。それが、仲間と一緒に行動し、彼氏まで作ってる。
楓にはそれがどうしても許せませんでした。
10代の私なら絶対に受け取るものを間違えたよ
この映画の言いたいことは、「外にでて人と接しよう」です。
自分の世界を自分の中だけにとどめておくと、後々大変なことになるよ。です。
10代の私が見たなら「外ってこえーから、自分の世界の中にいよう」になります(笑)
だって、他の人間に接したり期待するってのは裏切られるもの(=自分の想定とちょっと違うだけで、全然違うって拒否する)
創作技術の話
私は映画を撮ったこともなければ、勉強したこともありません。
笑っといてください。ムカついたならすみません。
人物の感情や立場を別個に表現する
私が好きな技術です。
一つ目は、モアイの活動から疎外感を感じ始めたのに気づいた秋吉が声をかけているのと、ギターを弾く瑞希が元担任に追い込みをかけられているシーン。
元担任がちょっとロリ変態っぽくみえちゃうのはご愛敬(笑)
モアイが大きくなり秋吉の目線を独り占めできないことの不服を大人(?)として口をつぐむで楓。
本当は瑞希のように暴れたいんです。盛大に拒否りたい。楓の心情を瑞希が表現している。胸に刺さっちゃいました。
秋吉と元担任の言っていることのベクトルが同じじゃないからわかりにくいんですけどね。
二つ目は、タコパで帰ろうとする理沙とポンちゃん。
視野が狭くAに見せている姿とBに見せている姿が違うなら嘘つきという理沙(楓の代理)。
人間色々な面があるよというポンちゃん(秋吉の代理)。
理屈的なメインのシーンです。そういえば、この後二人が和解した姿は提示されなかったね。
クライマックスに理屈はいらない
代表的にはワンピースの手法なんですけどね。
理屈は全部作って、あとはルフィ(状況の深刻さはわかってない)がラスボスをぶっ飛ばす。最後に宴ですっきり。
本作の理屈はクライマックスの前後で描かれています。
一つ目は上記の「タコパで帰ろうとする理沙とポンちゃん」
二つ目は脇坂の教室を訪れたときの「すべては間に合わせ」。
ワンピースと違うところがあるとするなら、二つ目の理屈がクライマックスの後だったことかな。
腕が追い付いてなかった?
本作のクライマックスとは、楓と秋吉が教室で言い合うシーンです。
感情だけで話をして言いたいことをぶつけあっているんですけどね。
よくある大学生同士の痴話げんかにしか見えなかった。
もうちょっと違うものを表現したかったんじゃないかなぁ。
- 楓が人を一面しか持っていないと思っているところ。二面持っていたら欺瞞だと思っていること
- 最初は唯一無二のパートナーだったのに、次第に特別な存在として扱われなかったこと
- モアイの成長についていけなかったこと。
この楓の「青くて痛くて脆い」ところを感情的に描ければよかったんですけど、、、。
途中で「私のことが好きだったの?」を経由するのはわかる。けどケンカの落としどころじゃないでしょうに。
それと、私の好みとしては、『なんやかやで秋吉の肝の部分は変わっていない。楓はそれに圧倒される』が見たかったです。
青くて痛くて脆い のベストシーン
映画のキモ
上にも書きましたが、この描写が好きなんです。
ポンちゃんと理沙の言い争い
理沙は多面性のあるポンちゃんを嫌がりますが、ポンちゃんは自分の多面性を受け入れています。
楓と秋吉の違いの骨子。
他には
脇坂の「すべての人間関係は間に合わせ」
もうちょっと言い方を変えたいけどね。
冗談
パラパラ漫画。
モアイが軍隊と戦うのは楓の性格とは少し違わない?
きれい・かわいい・色っぽい
BBQでテンが女の子を口説いているシーン。
ポンちゃんのベットシーンより悶々としました。
タグと評判
タイトル:-青くて痛くて脆い-
監督:-狩山俊輔さん-
脚本:-杉原憲明さん-
俳優:-吉沢亮さん- -杉咲花さん- -岡山天音さん- -松本穂香さん- -清水尋也さん- -森七菜さん- -茅島みずきさん- -柄本佑さん-
青くて痛くて脆い の評判
3.59/5.0 (yahoo映画 2020/08/31)
その他
最近の世の中
2020.07
2020.08
私のこと
久しぶりにジムのストレッチレッスンに出たら死にかけた。
体はあと3㎜を普通に伸ばせるはずが、硬直した筋肉はそんなに伸ばせない。
そんな繰り返してたら、一日動けなくなってました。