Fukushima 50
作品情報と鑑賞前感想
- キャスト:佐藤浩市さん 渡辺謙さん 佐野史郎さん 安田成美さん 金田明夫さん 篠井英介さん
- 監督:若松節朗さん
- 脚本:前川洋一さん
- 公開日:2020.03.06
- ジャンル:社会の裏側・犯罪・裏側
- 上演時間:122分
- レーティング: G
あらすじ&鑑賞前感想
2011年3月11日午後2時46分。マグニチュード9.0、最大震度7という、日本の観測史上最大の地震が発生。全てが想定外の大地震による巨大津波は福島第一原子力発電所を襲う。全電源喪失により原子炉の冷却が不可能となり原子炉建屋は次々に水素爆発を起こし、最悪の事態メルトダウンの時が迫りつつあった。1・2号機当直長の伊崎は次々に起こる不測の事態に対して第一線で厳しい決断を迫られる。所長の吉田は現場の指揮を執りつつ、状況を把握していない本社とのやり取りに奔走。緊急出動する自衛隊、そして米軍。福島第一を放棄した場合、避難半径は250km、対象人口は5,000万人-想像を超える被害をもたらした原発事故。現場では何が起きていたのか?
地震があったときは客先でミーティングでした。
TVをつけたんですが、防波堤に止めてあるトラックを波が襲い掛かる映像が流れていたんですが、私の中で全く理解できなかった。同僚が上記を説明してくれるんだけど、TVにうつっている絵が脳みその中で組み立てられなかった。
それが私のあの地震の最初でした。
ここから先は Fukushima 50 の感想です。ネタバレしてます!!
Fukushima 50 - ネタバレ感想 ( 65 / 100 )
キャラクターと俳優
伊崎利夫 - 佐藤浩市さん
佐藤さんってなんやかやで「現場」の方が似合ってる。「空母 いぶき」で総理大臣をやってましたが、しっくりこないし、余計なこと言って変な注目あびるし。
吉田昌郎 - 渡辺謙さん
主人公です。あの時を生きていて「東電の吉田」さんを覚えていない人はいないでしょう。「生きている」の定義は下記を参照。
さすがの迫力でした。でもね、うっすらと「娘さんの一大事なのに婿と同じことやっているから何の力にもなれてないんだよなぁ」がよぎってました。
内閣総理大臣 - 佐野史郎さん
この時の総理大臣は菅直人さん。
劇中では「緊急時の政治家は邪魔にしかならない」という形で描かれています。
本人の言い分もありますがパワーワード「東電はつぶれるぞ」は確かに言ったらしい
覚えているのは、避難所を訪れたときの菅さんが失態した時の頭の下げ方。
選挙の時と違って適当な頭の下げ方が印象的でした。
浅野真理 - 安田成美さん
紅一点。総理大臣が権力と迫力でルール違反をしようとしているときに噛みついた姿がかっこよかったです
内閣官房長官 - 金田明夫さん
福島に行こうとする総理大臣に「こちらの全権は私でよいですね」と念を押していた人かな?
枝野さんが出てくるかなと思ってたんですが、あくまで東電の話なので枝野さんの活躍は描かれず
この時の枝野さんはかっこよかったんだよね。菅さんじゃなくて、この人が首相だったらと思ったよ。
その後、政治の文法と濁流にのまれちゃうんだけどね。
小野寺秀樹 - 篠井英介さん
中央の理屈を現場に押し付ける象徴。
物語の感想
”思い出補正”が強いです。
あの時、「ニュースは飽きたからアニメを放送してくれ!」という(精神)年齢的に視野が未発達だったり自国に興味がなかった人は、ちょっと辛いかも。
エンターテインメントとして
実話ものあるあるなんですけどね。クライマックスが一番盛り上がるとは限らなんですよ。第一建屋・第三建屋が爆発して、「第二建屋が爆発したら!!」をいう危機感がクライマックスですが、なんか気が付いたら回避されている。
エンタメとしては、回避するのは主人公たちの決死行で建屋の奥にあるボタンを押すことで事態が好転するべきなんですけどね。実話だから曲げるわけにはいかないんですね。
だからエンタメとしては不完全燃焼かもしれません。ただ、上の登場人物ごとに書いたように、あの時に、ニュース番組にくぎ付けになる程度の社会性があった人間としては痛みを覚える映画でした。
あの時生きていた人間として言いたいこと
本作を見ていて思い出したこと。ほとんど本作が描きたいこととは関係ないです。
あの頃、私も含め日本の全ての人が東北のために何かしたいと思いました。 地震後のガレキをかたずけに行く人がたくさんいました。ちなみにこの時のボランティアは想定外に集まります。その結果、指示・依頼や食事・寝床がうまく運用できずに人数に対して効率の低い作業量になってしまいました。この経験を経て、災害時のボランティアの運用方法が確立されていきます。
かくいう、私も何かしたいと焦燥しました。友達が「東北にいる友達が寒いんだって。使い捨てカイロが欲しいんだって」と聞いたときに、大急ぎでドン・キホーテにいって使い捨てカイロを買ってその友達に渡しました。
劇中では市民に被害が0みたいな雰囲気が流れていますが、津波で大きな被害が発生しています。
津波に飲まれた方のご遺体が200人から300人、岸に上がっているってニュースが夜が明けるまでずっと流れました。
今思えば、翌朝からそのニュースを見なかった。あまりの悲惨さに報道規制が入ったんでしょうね。
住めなくなってしまった土地に泥棒が入りまくったり、
被爆地に行く作業員を東電は下請けから募ります。下請けは、孫請けの会社へ丸投げ、受けた会社はさらに別の会社へ、さらに、、、を繰り返されて、東電が提示した金額が中抜きをしまくって、作業者には日当一万円未満だったりしてました。
劇中にもありましたが、現場が政府の判断を待たずに入れ始めて、中止を指示されてもまだ注水していた!ってニュースは覚えている。
報道は「現場が勝手なことやっていて海水が汚染される!」みたいな非難する方向で報道されてたけど、私の周りでは「現場の判断の方が正しいんじゃないか」という意見の方が多かった。政府の世論操作がうまく行っていなかったなぁ。
劇中で「ありがたいがセミのしょんべん」と評されていたヘリでの放水。ニュースで見てましたよ。全員が「効果なさそうだな」と思いながら見てた。
ジャッキーチェンが日本人の秩序に感動したそうです。緊急時でもちゃんと列を守る。お互いを思いやるなどなど。
なので、日本の心をもう一度世界に見せるために同じ状況になればいいと言ったらしい。
ジャッキーチェンさん、日本人をほめてくれるのはうれしいが、手段としてそれを選ぶのは違うよ。
意味合いちょっと違うかな?
TOKYO2020へ
wikipediaから引用。映画も「復興五輪」として歴史の節目としての言葉で〆られています。
「復興五輪」と銘打たれた「2020年東京オリンピック・パラリンピック」の開催を控え、「今一度、震災の記憶と向き合い、復興への思いを新たにする作品を世に問う、それこそが映画人の使命である」として、東日本大震災における福島第一原発事故を描いた本作が製作された。撮影は実際の現場を忠実に再現した巨大セットを用いて、2018年11月から2019年4月にかけて行われた。
新型コロナで東京オリンピックはちょっと難しいかもしれないのは何の因果ですかね。
Fukushima 50 のベストシーン
映画のキモ
今ぱっと出てきたシーン。
ベントを回しに行くメンバーを選出するシーン
俺はもう完全に行く側だよなぁ。
背負ってるものはないし、行って死ぬのは構わない
でも、ベントの前まで行って役に立てる技術や知識を持っていれるかしら?と考えながら見てました。(持っている技術に自信がもてないんです)
冗談
「東電がつぶれるぞ!」
あんた、何言ってんの?そんな次元で話してねーよ。
きれい・かわいい・色っぽい
紅一点の安田成美さん
わがままを言って自分ルールを押し通そうとする総理大臣に対して、噛みつく安田成美さんがかっこよかったです。
本部長の「バカの相手にするよりも時間が大事だ」という指示で引っ込んだけどね。
タグと評判
タイトル:-Fukushima 50-
監督:-若松節朗さん-
脚本:-前川洋一さん-
俳優:-佐藤浩市さん- -渡辺謙さん- -佐野史郎さん- -安田成美さん- -金田明夫さん- -篠井英介さん-
Fukushima 50 の評判
4.08/5.0 (yahoo映画 2020/03/08)
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寒い!今日が最後で明日から暖かくなるって話だけど、そうあってほしいなぁ