「一度も撃ってません」を見てきました。感想は優しい言い方をすると「なんだこりゃ?」。素直な感想は「尺を間違えましたか?」
一度も撃ってません
作品情報と鑑賞前感想
- キャスト:石橋蓮司さん 大楠道代さん 桃井かおりさん 豊川悦司さん 妻夫木聡さん 新崎人生さん
- 監督:阪本順治さん
- 脚本:丸山昇一さん
- 公開日:2020.07.03
- ジャンル:社会の裏側・犯罪・裏社会
- 上演時間:100分
- レーティング: G
あらすじ&鑑賞前感想
市川進、御年74歳。タバコ、トレンチコートにブラックハット… 大都会のバー「Y」で旧友のヤメ検エリート・石田や元ミュージカル界の歌姫・ひかると共に夜な夜な酒を交わし、情報交換をする。そう、彼は巷で噂の“伝説のヒットマン”だ。今日も“殺し”の依頼がやってきた――。がしかし本当の姿は…ただの売れない小説家。妻・弥生の年金暮らし、担当編集者の児玉からも愛想をつかされている。物語のリアリティにこだわり過ぎた市川は“理想のハードボイルド小説”を極めるために、密かに“殺し”の依頼を受けては、本物のヒットマン・今西に仕事を頼み、その暗殺の状況を取材しているのだった。そんな市川に、ついにツケが回ってきた。
監督は阪本順治さん。うちとしては「半世界」をみてますね
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あー、、、半世界か、、、、。
わたしとしては「さっぱりわからねえ。主人公たちが同年代です。なので年齢を重ねればわかるという話ではなく、数年後に見てもわからないでしょう。」でした。
うーん、、、タイミングがあったのがこっちだったから先に見ることにしたんだけど、今週の目玉「mother」を先に見るべきだったかなぁ。
ここから先は 一度も撃ってません の感想です。ネタバレしてます!!
一度も撃ってません - ネタバレ感想 ( 45 / 100 )
キャラクターと俳優
市川進/御前零児 - 石橋蓮司さん
ハードボイルドをやりきったよ、うん。
シナリオがちゃんとしていれば、かっこよかったと思うよ。うん。
市川弥生 - 大楠道代さん
うまく行けば、視聴者目線になれたはずなんですが、、、、。話の中心に躍り出てきたのが遅すぎでした。
玉淀ひかる - 桃井かおりさん
裏の社会の人。いつも通りの桃井さんでした。
周雄 - 豊川悦司さん
A級戦犯。
豊川悦司さんがではなく、周雄ってキャラがね。
中国の軍隊にいて海外マフィアにいたヒットマン。下調べもできる優秀な殺し屋。
、、、、なんですが、関西出身で人を殺したことのないヘタレ野郎。だそうです。
なんじゃいなそら。
ポパイ/南雲雄平 - 新崎人生さん
豊川悦司さんの次の戦犯。
新崎人生さんがではなく、ポパイってキャラがね。
店に襲撃に来た強キャラ(?)の豊川悦司さんが銃を出したり、石橋蓮司さんと銃を向け合っているときに、カウンターの中で気づいていないふりをしている小心者。
、、、の振りをして、最後に強キャラとして話を締めました。場面の収集の仕方が分からなくなっちゃったんだろうなあ。
客が怯えて逃げっててるんだから怒れよ、最後の営業を台無しにされたんだから最初っからブチギレろよ。
アル中なんだかポン中なんだかで酒を注ぐ手が震えている設定も使われなかったなぁ。
何しに出てきたんだかわからなかった人々
重要人物っぽく出てきたけど、何もなかった人たち
五木要 - 寛一郎さん
狂言回しか視聴者の分身として出てきたのかと思った。だけど冒頭の登場シーンの後は、石橋蓮司さんが居酒屋から出てきて凹んでいるところに通りかかって声をかけるだけ。それで何が変わるわけでもない。
あれなら、編集の世代交代とかは必要ない。
児玉道夫 - 佐藤浩市さん
舞台説明役。定年なんで筧一郎さんに引き継ぎたいんだと。どうせ何にもしないんだから、そんな細かい設定はいらねえよ。
中道亜美 - 前田亜季さん
岸部一徳さんの娘。冒頭で石橋蓮司さんから渡されたお金をもらったのはチップ。岸部一徳さんがカウンターに置いたお金を取らなかったのは、お父さんが嫌いだから。
劇中で親子の関係が進んだり、親子不和がシナリオに関係したりはしません。
若山得安 - 小野武彦さん
日常パートの町内会長さん。善意がしつこい人。日常パートの重要人物かと思いきや、最初に出てきて終わり。
物語の感想
見た直後に書いた感想がすごく端的に表している。
#一度も撃ってません
— はてなのフレデリカ (@flederica2015) 2020年7月3日
ジャンプ連載漫画で、最初はギャグだったけど、てこ入れでシリアス路線になり、それでも打ちきりになったので、最終回はやりたかったギャグ漫画にした感じ
ラス前まではそれなりに見ていられたんですよ。
最初:ハードボイルド系ギャグ-大人になっても中二病に戻れる世界
石橋蓮司さんはハードボイルドに憧れる一般人だと思ってました。お店の「Y」の中でヒットマンになり切れる。
大人になっても中二病を全開にできる場所があるって幸せなことだよなぁと思いました。
そういうふうに勘違いするようにタイトルも告知PVも作ってあるしね
ひょっとしたら店員や客の中に本物のハードボイルドがいるかもしれないけど、石橋蓮司さん自身は中二病。そんなバランスかなと。
ハードボイルドを茶化すギャグ作品はたくさんあるのでその系統かなと。そんなふうに思っていた時期が俺にもありました。
中盤:本物だったのか
石橋蓮司さんが本当に裏の世界の人間だったとわかり、家に帰っての尻に敷かれている具合と裏の仕事をしているときのかっこよさのアンバランスは好意的に受け入れてました。
日常のすぐそばにある非日常感がよかったんだよね。
終盤:日常とハードボイルドのコントラストがよかった
大楠道代さんが「Y」に入ってしまい、中国籍設定の豊川悦司さんが来襲。
日常とハードボイルドが交差して物語がこの場面に集約して行っている感はありました。
石橋蓮司さんが到着して近距離で銃を構えあってのクライマックス。ここまでは見てられた。
どうなるかと思ったら、編み物をしていた新崎人生さんがすっと入ってきて、豊川悦司さんが日本人のはったり野郎だって見抜いて終わり。
なんだそりゃ?
ラストシーンまでは私は計算通りに誘導されていました。大楠道代さんが豊川悦司さんに「石橋蓮司さんの嫁だ」と名乗っちゃうところまでは、そこそこ熱中してみてたんですけどね。
本当はちゃんとした展開があったのに尺を間違えてて短くしようとしたらこうなっちゃったんですかね?それとも物語を作るのに息切れしたんですかね?
その後は真面目にやっているのかギャグがしたいのか
阪本順治さん作品
前作の「半世界」でも、本作と同じような感想を持ちました。
阪本順治さんって話を締めるのがヘタってことかなぁ
ほとんどの創作モノって締めにクライマックスを持ってきています。
けど、話の中盤にクライマックスがあり締めは締めの意味でしかない作品もあります。
道中の描写で心をつかまれまくって締めの軽さが気にならなかった「ピンクとグレー」
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阪本順治さんの話って道中は見てられるんだけど、あくまで締めにクライマックスが待っていると思うから見ていられるんだけです。道中そのものにメッセージがあるようには見えてない。
バチっと締められれば、ちゃんと見れる作品群になると思うんですけどねー。
一度も撃ってません のベストシーン
映画のキモ
店の看板「Y」をひっくり返すと「Z」が出てくるところ
最初に「A」が提示されているなら分かるんだけど、スタートが「Y」だからね。
たぶん「終幕」って意味だと思うけど成立してない。
行き当たりばったりさの象徴に見えました。
冗談
幸せを見つけたヒットマンに「一緒に来てくれ」と粘る居酒屋で石橋蓮司さん。
ハードボイルドをやりたいんだったら、黙って去れよ。
きれい・かわいい・色っぽい
桃井かおりさんの非日常っぽさ
いつも通りの平常運転の桃井さんでした。
タグと評判
タイトル:-一度も撃ってません-
監督:-阪本順治さん-
脚本:-丸山昇一さん-
俳優:-石橋蓮司さん- -大楠道代さん- -桃井かおりさん- -豊川悦司さん- -新崎人生さん-
一度も撃ってませんの評判
***/5.0 (yahoo映画 2020/**/**)
その他
最近の世の中
2020.07.03
私のこと
まだテレワークはつづくらしい。もう一度、日常を考え直してみるか。