公開週の木曜日の午前中という見る人は一通り見て落ち着いたときに見に行きました。お客さんは私以外は女性ばっかりでした。
窮鼠はチーズの夢を見る
首を倒して、今ヶ瀬のためにスペースを開ける大伴。この関係性を受け入れた瞬間。
作品情報と鑑賞前感想
- キャスト:大倉忠義さん 成田凌さん 咲妃みゆさん 小原徳子さん さとうほなみさん 吉田志織さん
- 監督:行定勲さん
- 脚本:堀泉杏さん
- 公開日:2020.09.11
- ジャンル:人生・日常
- 上演時間:130分
- レーティング: R15+
あらすじ&鑑賞前感想
学生時代から「自分を好きになってくれる女性」ばかりと受け身の恋愛を繰り返してきた、大伴恭一。ある日、大学の後輩・今ヶ瀬渉と7年ぶりに再会。「昔からずっと好きだった」と突然想いを告げられる。戸惑いを隠せない恭一だったが、今ヶ瀬のペースに乗せられ、ふたりは一緒に暮らすことに。ただひたすらにまっすぐな想いに、恭一も少しずつ心を開いていき・・・。しかし、恭一の昔の恋人・夏生が現れ、ふたりの関係が変わりはじめてゆく
行定勲さん監督作品。
行定勲さんは描写しているものが深いんですがニッチすぎて、ピンとくるか時間の無駄かに真っ二つに分かれてきました。
人にお勧めしたい作品(だけど、ほとんどの人が”そこまでじゃない”と言われると思います。私には突き刺さったんだけど)
刺さる人には刺さりまくってるだろうなーと思う作品
私には全く分からなかった作品
時間の無駄なのは、作品がつまらないのではないです。劇中で描写されているものが、見ている私とかけ離れていて感情移入できなかったんです。
んで、今回のテーマがBLですよ。うーん、、、、見には行くが、、、、ちょっと私にはわからない世界かも知れないです。
ここから先は 窮鼠はチーズの夢を見る の感想です。ネタバレしてます!!
窮鼠はチーズの夢を見る - ネタバレ感想 ( 80 / 100 )
キャラクターと俳優
大伴恭一 - 大倉忠義さん
ナチュラル・リア充。イケメン イズ ジャスティス。
常に選ばれる側だったので、自分から何かを追いかけることはなかった。そのため、人間性が足りないと言われてしまい、夏生には「人を愛したことがない」と言われてしまう。
今ヶ瀬渉 - 成田凌さん
窮鼠。
中盤まで大伴が窮鼠かなと思ってたんですが、今ヶ瀬の方が窮鼠だね。
ことわざだと追い詰められた鼠は反撃に出ますが、現実から目を背けて自分の世界に逃げ込むこともある。
周囲を固める方々
大伴知佳子 - 咲妃みゆさん
守られることよりも並んで歩きたかった人。、、、といえば綺麗ですが、ほんとのトコは分からないですね。そっちが本題じゃないのですぐにフェードアウトしていったし。
井手瑠璃子 - 小原徳子さん
おっぱい担当。
もうちょっと深堀してもよさそうでしたけどね、粘着しそうだし。
夏生 - さとうほなみさん
大伴を巡るバトルは画面に火花が見えるようでした。
彼女の登場シーンは三回です。
- たまたまの再会。日常使いの厚手のカーディガン
- デート。ドレスアップ
- 今ヶ瀬との対決。日常使いの厚手のカーディガン
3回目の時に「日常使いの厚目のカーディガン」だったので、適当な相手と会うときはドレスアップなんてしないんだねと思ってました。その後、大伴を呼び出していたことが判明して驚いた。しかもSEXする気満々でした。衣装の違いが女性としての気合の入り方の違いかと思ってたけど、そうじゃなかったらしい
岡村たまき - 吉田志織さん
チーズケーキを持ってきたときにコートの下に来ていたドレスがかわいかったです。仕事の資料を届けに来ただけって名目なのにデートする気満々でした。
、、、、、なんだけどね、大倉忠義さんの演技がしっかりしている分、長尺の会話劇のシーンでちょっと、、、、。
締めでちょっとダレてしまいました。悪いけど、さとうほなみさんとテレコにした方がよかったような気がする。
物語の感想
俺と大伴の違いはイケメン力だけだ!、、、と思う!!!
色々ありますが、私が主題と思うところから。
大伴の人間性の薄さ
本編が始まるまでの大伴の人生は順風満帆そのものでした。なぜなら、目の前に並べられたものから受動的に選んできているからです。
やりたい仕事もなく、職務適正の結果から選んだ仕事がたまたま今の職場だった。酔ってきたお姉ちゃんから一番よさげなのを選んだ結果、今の嫁だった。
大伴はハイスペックなので、人生にやる気のない態度でも上流階級にいることができました。ハイスペックに生んでくれた親に感謝しやがれ、ちくしょー。
その”やれる範囲でのみ活動する”大伴の中で収まっていた嫁は大伴が完璧な人間だと感じていましたが、その範囲からちょっとでも外にいる人間には大伴がしょうもない人間に見えます。
そのしょうもなさを魅力に感じる人がいます。今ヶ瀬や夏生です。
やりたいことが明確になっている人って多いんですか?「経営学の天才の素養があるのに、どうしても俺は野球で食っていきたい!!」って人います?本人がやりたいって言ってるんだから野球をやることを応援はするけどさ。普通は経営学の方で食っていかない?
恋愛だってそうですよ。運命の人や赤い糸で結ばれている人と出会ったと実感できる人ってどんだけいるんだろう?そんな考え方で生きていける幸せな人っているのかな?
ま、物語だから、意思をはっきり持った人を描写してほしいし、意思をはっきり持っていない人は否定的に描かれてしまうものなんだけどさ。
「すべての人間関係は間に合わせ」と言っていた『青くて痛くて脆い』
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物語の大きな肝である「大伴の受動的態度」が変化します。それが今ヶ瀬を拒否るところです。受動的な態度が能動的な態度に変わった瞬間。
今ヶ瀬の涙を見て、私は「窮鼠とは今ヶ瀬の方だった。ギリギリだったんだね」と、ちょっぴり泣けました。
私としては、この物語は大伴が能動的な態度をとったところで完結すると思ったんだけどねぇ。大伴にとって、たまきは始めて能動的に選んだ特別な相手になりました。と。
その後、なんやかやで今ヶ瀬とくっつきました。どういうことだい?ひっくり返す必要あった?
そこからはサービスショットのオンパレード(正常位・バックあり)だったんで、絵的には必要だったんだろうけど、物語としてはどうだったんだろう?
拒否った後の描写、特にHシーン・たまきとの別れのシーン・今ヶ瀬がいなくなった後のシーンは『大伴か今ヶ瀬の頭の中の空想を表現しているだけかもしれない』まで考えました。
俳優ヒューチャー映画に見られる「話の筋なんてどうでもいいからイケメンを見せろ」ってわけじゃないよなぁ。私の読解力と人生経験が足りてないのかなあ、、、、、。
(追記:2020/09/25)あれは本当に今ヶ瀬の空想かも
精度の低い私の妄想です。
「大伴が今ヶ瀬に「お前はいらない」といった後の映像はすべて今ヶ瀬の妄想」
前提があります。これが崩れるともうこの文章にまったく意味はない。
前提:タチとネコはその関係性の中では固定されて入れ替わったりはしない
タチとは差し込む方、ノーマルセックスの男役。ネコは差し込まれる方、ノーマルセックスの女の方。
私はBLの世界に明るくありません。けど、私の数少ない閲覧したBL漫画では、その関係性がひっくり返ることはありませんでした。前日のシーンでネコだったほうが、翌日のベットシーンではタチをやっているようなことはなかった。もしかしたら、関係性を固定しないと私のような不勉強な読者が混乱してしまうから固定しているだけかもしれませんけども。
この関係はパートナーが変わると役目は変わるかもしれません。劇中でも今ヶ瀬は元パートナーとはネコの方だったので。
でね、現実では今ヶ瀬がタチで大伴がネコなんですよ。BL用語では「今ヶ瀬×大伴」(タチを先に書くそうです)。その世界では今ヶ瀬の方が先輩で積極的だからタチの方をやっていたってだけかもしれませんが。
今ヶ瀬は本当はネコになりたかった。それは前半からの描写で受け取れました。ベットシーン以外の積極性は今ヶ瀬は女性的でした。
後半での描写は「大伴×今ヶ瀬」になります。その後、たまきと買ってきたカーテンにケチをつけて大伴も同意します。カーテンとは日常や一般的な生活の象徴であり、それを否定しました。
さらに大伴がたまきを捨てて今垣が選ばれます。そして大伴の前から去ります。つまり大伴との幸せな空想もやめました。
いつまでも空想の中に逃げているわけにはいかない。だから振られたのではなく振ったことにした。
それは今ヶ瀬の自分の中でのけじめですね。
前提と描かれているシーンが異なるってところから考えたことなので、前提が崩れてしまえば、この段落はまるっと意味がありません(笑)
いつもに逃げ口上を言っておこうっと。「ま、物語の受け取り方は受け取る側次第」ですよ。
今ヶ瀬は大伴のどこを好きになったのか
本人が言っていた通り、「本気で好きになったら、その人はすべてが特別」なので、理由らしい理由はないかもしれません。本能としか言いようがない。
理屈らしいものを作るなら、その「流されやすいところ」がかわいく思えたんですかね。「完全な人間だから好きになるわけじゃない」みたいなことも言ってたし。
流されやすい大伴に責められたらたまんないとか妄想してたかも。いわゆるヘタレ攻め。
行定監督の技やコネか全てを突っ込んでるように見える
行定監督ができる全てを突っ込んでいるように見えました。
嫁と分かれるところまでがすごく多いんですが技がすごく使われていました。嫁が別れを切り出すときの(違うベクトルの)ドキドキ感とか、あっちのシーンで軽く触れているから、こっちのシーンでは全く表現しなくても理解できるようになっているとか。
ヘタすると、シーンのぶった切りのように見える展開が多いんですが、それが必要なぶった切りのように感じるんですよね。視聴者の心に落とし込み尺を使わないという技だよなぁ。
ちょっとぶつ切りがひどかった『パーフェクト・レボリューション』
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この二人の映画というだけで、劇場に足を運ぶ人も少なくないでしょう。BLなのにジャニーズのアイドルさんを引っ張り出せたのは、積み重ねてきた業界からの信頼性でしょうね。
んで、その二人がBLするわけですよ。成田さんや大倉さんにちょっとしか興味がない人も、BLが見たい人も取り込めるわけですよ。
描写もそれを見に来た人たちを満足させるボリュームでした。この一か月間、毎日見に行くような人がいても不思議じゃないですよ。
私としては、見ててずーっと違和感。
夫婦の家も、大伴のマンションも、今ヶ瀬の住処も、オフィスもシャレオツ。ゴミ一つ落ちてないし、洗濯物の置き場もない。生活感が一切ない。ハイセンスで女子が憧れてうっとりできるように作ってある。あのオフィスは絶対に使いにくいって。 とくに、たまきの机のある場所はおかしいって。
生活感があったのはたまきの実家ぐらいなもんですよ。
、、、、で、やっと気づいたことがあります。生活感あるところで男二人にイチャイチャされたら、生々しくて気持ち悪くなるかもしれん。
幻想的なシャレオツな空間にしておいてもらった方がいいかもしれないっすね。
妙に現実的な話。
どうでもいい話っすよ。居酒屋で酒のつまみに聞いた話 。
後ろを責めるときはゴムが必須だそうです。
大腸菌の巣窟に、むき出しの内臓を入れるようなもんなので、どんだけ洗浄してもゴムは使わないとダメらしいですよ。
新宿二丁目はあんなにきれいじゃない
迷走する大伴が新宿二丁目のバーに行きます。ソコのトイレでベロチューしているBLカップルがいます。
現実の話。一緒に飲んでいた女性が新宿二丁目に言った時の話。ドアを開けたら太ったおっちゃん二人がディープキスしてて気持ち悪かったらしい。すぐにドアを閉じて帰ったらしいです。
(追記:2020/09/25)ゲイバーに限らず
最近、一番グッときちゃったtweet。ゲイバーの話に限らないですね。
少なくとも”自信を持っているフリ”はできる。そこから始めよう。
自己肯定感で身を守る。 pic.twitter.com/zES6xO3XXy
— 望月もちぎ(10/30新作) (@omoti194) 2020年9月23日
TAKAHIRO「自信を持っているように演じるんだよ」
窮鼠はチーズの夢を見る のベストシーン
映画のキモ
SEX未遂後の夏生の言葉
「好きになったことないでしょ」
少し違和感を感じたんだよね。大伴は流されやすいと否定的に描かれているけど、強く何かを求め続ける人って、そんなに多くなくない?と。
冗談
拒否するつもりが、
今ヶ瀬にフェ○されたら速攻で感じまくる大伴。
脱がすところから咥えるまでが速かった(笑)
大した抵抗もしないし。
きれい・かわいい・色っぽい
やっぱり避けられないでしょう。
大倉忠義さんと成田凌さんの見せてもよい体
万年ダイエッターとしては、いい体してやがんなと悔しくなってました。
他には
大伴の部屋の今ヶ瀬イスに座る吉田詩織さんの脚。
美しかったです。
タグと評判
タイトル:-窮鼠はチーズの夢を見る-
監督:-行定勲さん-
脚本:-堀泉杏さん-
俳優:-大倉忠義さん- -成田凌さん- -咲妃みゆさん- -小原徳子さん- -さとうほなみさん- -吉田志織さん-
窮鼠はチーズの夢を見る の評判
4.4/5.0 (yahoo映画 2020/09/17)
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私のこと
ダイエットを中断して3か月。10kg戻ってしまったので、再開したんだけど、なかなか気がそちらに向かない。