フレデリカ LOVE 邦画<ネタバレ>

内容を知っている方だけどうぞ。ネタバレで感想や評価を書いています。たまに批評・解説になっちゃっているところもあり。

映画『火花』/70点/神谷のあがき方逃げ方/ネタバレ感想と評価

こんにちは。フレデリカです。火花を見てきました。前半のダラダラは後半で巻き返してきますよ。

火花 - 作品情報

作品情報

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公式HP

hibana-movie.com

あらすじ

若手コンビ「スパークス」としてデビューするも、まったく芽が出ないお笑い芸人の徳永(菅田将暉)は、営業先の熱海の花火大会で先輩芸人・神谷(桐谷健太)と出会う。神谷は、「あほんだら」というコンビで常識の枠からはみ出た漫才を披露。それに魅了され、徳永は神谷に「弟子にしてください」と申し出る。神谷はそれを了承し、その代わり「俺の伝記を作って欲しい」と頼む。その日から徳永は神谷との日々をノートに書き綴る。2年後、徳永は、拠点を大阪から東京に移した神谷と再会する。二人は毎日のように呑みに出かけ、芸の議論を交わし、仕事はほぼないが才能を磨き合う充実した日々を送るように。

火花 || TOHOシネマズ

火花の原作は未読です。母ちゃんにもらったんだけど、読んでないなぁ(実家にいる父ちゃんと弟も読まなかったらしい)

板尾創路さん監督。最近、板尾さんのスキャンダルが出てて、「今、板尾さんの話題で引っ張れるか?なんのこっちゃい」と思ってましたが、そういうことなんですね。週刊誌が映画公開のタイミングを狙ってすっぱ抜いたのか、炎上で映画に注目させたかったのかはわかりませんが。 

 

お笑い芸人って見ているの楽なんですよね。下記のフィルタを外していいので。

人が一生懸命なことを笑っちゃいけない。いけないということではなく、笑っていることを不快に感じてしまう。母も同じようなことをいっていたので、この潔癖は母からの遺伝らしい。

ロンドンハーツなんかで「お笑い芸人」がだまされているのを笑うのは私はだまされるのも「お笑い芸人の仕事」と割り切って笑っていられます。ですが母はそれもダメみたいです。

完全版 BiSキャノンボール 2014 /私はその辺について潔癖です。 - フレデリカは日本映画ばっかり見ています<ネタバレ>

彼らの身上が、自分らの行動の成果として「見ている人を笑わせること」と信じています。火花はそんな感じで見れればいいかなと思ってます。 

 

告知PV

www.youtube.com

火花 - ネタバレ感想- 評価:70/100

全ての人の人生に直結する話。過激な世界を選んだ人たちは濃淡が激しい。

私に一番ヒットしたのは「神谷の逃げ方」です。

本来行くべき方向はわかっているのに道が見つからないから、「より高次元の求道者」のふりをして目を背けてる。一番重要なのは「客の笑い」のはずなのに「新しいもの」「スタッフ受け」の方が大事なように見えてきてしまう、大事ということにしてしまう。
私は仕事をするときに、クライアントの満足よりも、その先にいるエンドユーザーの満足まで考えながら提案するようにしています。

なるべく神谷と同じ方向に逃げないようにしたいと思ってますが、(私でいうと顧客と関係ないところで必要のない高い技術を使ってスケジュールを遅らせようとする)
俺はどこまでやれてるかなぁ。

 

ま、即物的な「客の笑い」のみを求めると、裸芸・下ネタになっていきます。限度があるし、師匠たちに怒られちゃいますけどね。

神谷のあがき・逃げ方

徳永は神谷の「誰もやっていないこと・過激なこと」を見て、師匠と慕うになります。

 

神谷は”芸人”という概念にとらわれすぎてます。「女には世話になるが情は感じないもの」「後輩にはおごるもの」「枠に捉われないもの」「世間のマイノリティであること」。

本来は「舞台上で笑いを取っているから、私生活が荒れていても問題ない」だと思うんですが、神谷はそれが逆になってました。私生活を荒れさせて「自分は芸人」ということにしていました。

 

残念なのは、神谷のすごさがまるきり伝わらなかったこと。最初に地方営業で客とケンカしているときは、インパクトはあるけど「誰もやっていないこと・過激なこと」のスゴサは感じなかったんだよね。

前半に見た神谷のすごさがそのまま神谷の逃げだったという転換が見たかったなぁ。

ライブのコンテストで音声を流しているだけで自分たちはしゃべらないという漫才をやってました。あれは「神谷が型にはまらない」の描写だったんですね。神谷よりも「ずいぶん肝っ玉の小さい審査員がいるな」ぐらいにしか思いませんでした。

 

前半のグダグダ

悲しいことに私はお笑いレベルが高いです(笑)。面白いって役目を持っているっぽい舞台部分が面白くないんですよ。一番面白かったのは、ネタ見せの時の他のコンビの「彼女の浮気相手が竹野内豊だった」かなぁ。昔どこかで見たような気がする。

「面白い舞台描写が面白くない」はそのまま映画が面白くないに直結します。

正直、つまらないなと思ってました。DVDなら目を放すレベルでした。ただ、それは後半の熱さが、こちらに伝わり切らず勿体ないことになります。

 

高級マンション鍋からラストステージ

 

高級マンションでの鍋

仕事はできるけどダメンズ好きなOLさんっぽい女性の部屋に転がり込んだ神谷。そこでの鍋。緊張感にOLさんが逃げ出した後の会話。

二人の緊張感は見事でした。前半での提示不足を補うのに十分でした。

このシーンで私の気持ちが、お笑いの道の話ではなく自分にも起こりうることとして切り替わったような気がする。

徳永の正論を神谷が茶化して誤魔化そうとしたとき、話は終わりました。

 

ラストステージ

鍋のシーンが観客にも刺さるシーンだったのに対し、こちらはお笑い芸人としてのシーン。ちょっとウソ800の件が長かったよね。

客としてあの会場にいたら、徳永に圧倒されて”長い”とかは思わなかったろうな。

 

その後のグダグダ

ラストステージで終わっちゃっていいと思うんですが、そのあと少し続きました。

神谷のまだ夢を追っている!というラストはいいと思うんですが、それが私の心にしみこむには前半がパワー不足でした。

 

ジェンダーを笑いにする問題は、保毛尾田保毛男騒動が直結で浮かび上がります。ただ誰かの心の傷を気にしながら笑いは作れないと思いますよ。あまりにひどいネタは規制してしかるべきだとはおもうけどね。カミナリのネタも「大人の男の人の怒鳴り声」で身が固まってしまうような人もいるだろうし。私も嫌いなネタをする芸人がいますが、そしたらチャンネル変えるだけですよ。

 

スカイラブハリケーンの最後。

後半で解散の話になってきたときに頭に浮かび上がった人たち。

スカイラブハリケーン。芸人さんのコンビ名です。一生懸命応援していたわけじゃないんですが、色々と名前や顔を見てきた人たちです。特に桜井さん。

 

「力不足」。その言葉をはっきり口にしてスカイラブハリケーンはお笑い業界から去っていきました。

nogizaka-journal.comちょっとだけ知っていて、ちょっとだけ感情移入していたから、その引き際に見事なものを感じてしまいました。

 

舞台芸人の人々

舞台で頑張っている芸人さんって2種類いるなあと大昔に書きました。 

テレビで出来ないネタ

見るπが小さいからこそできるネタです。辛口、下ネタ、やりすぎ、人の死が軽い、道徳的なことを気にしない。みんなはソコソコ好きだけど、許せるラインが違うからTVのように大きな場所でやると、許せない人が気を悪くするネタ

テレビで流せないネタ 

クオリティの低くて人にお見せできないネタ。

大声は武器ですが、それだけでは、、、、というネタ。

DVD『ぴんく-1ぐらんぷり』/TVで出来ないネタとTVで流させないネタ - フレデリカは日本映画ばっかり見ています<ネタバレ>

 私はもちろん「テレビで出来ないネタ」が好きです。神谷もこちらを目指していたことでしょう。

けど、ほとんどの人は「テレビで流せないネタ」です。一見すると”こんなんでよければ俺でも作れるわい”というレベルに見えるネタ。、、、、に見えるんですけどね。

 

少し話は飛びます。子供のダンス発表会を見るとちゃんと踊れない子供を見て「手足を動かして!せっかくなんだからちゃんとやろうよ!」と思うことがありません?

私は400人の前でダンスを踊ったことがあります。動画で舞台上の私を見るとね、もろに上記の子供程度にしか動けてないんですよ。もちろん一生懸命に踊ってます。けど、まじめにやってない子供程度にしか見えないんです。

 

「テレビで出来ないネタ」をやろうとして「テレビで流せないネタ」にしかなってない。

何をやるにしても自分のやっていることの中で、伝わるのは1/3程度。それは意識しておいた方がいいんでしょうね。

 

 

火花 - 関連グッズ

主題歌 とサントラ 

エンディングの浅草キッドは、結構いいかなぁと思ったんですが、、、


www.youtube.com
やっぱり歌への気持ちが違いすぎますな。

原作とアニメ

Netflixオリジナルドラマ『火花』ブルーレイBOX [Blu-ray]

俳優さん 

キネマ旬報 featuring 菅田将暉 (キネマ旬報増刊)

木村文乃 ファースト写真集 『 ふみの 』

 

海の声

 

菅田将暉 アーティストブック 『 20+1 』

サイト内リンク

徳永 - 菅田将暉さん出演作品

神谷 - 桐谷健太さん出演作品

真樹 - 木村文乃さん出演作品

鹿谷 - 加藤諒さん出演作品

 

その他

評判

2.97/5(yahoo映画 2017.11.27)

原作やNHKドラマは面白かったので素材はいいはずなんですが、、、、という人が多い。
板尾さんの不倫騒動で集中力を切らせちゃった人も少なくなく。。。。

タグ

監督:-板尾創路さん-

脚本:-豊田利晃さん- 

俳優:-菅田将暉さん-  -桐谷健太さん-  -木村文乃さん-  -川谷修士さん-  -三浦誠己さん-  -加藤諒さん-  -高橋努さん-  -日野陽仁さん-  -山崎樹範さん- 

最近の世の中

私のこと

日曜日に15時間寝てました。疲れてたのかなぁ

 

 

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