こんにちは。フレデリカです。
散り椿 - 作品情報
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あらすじ&鑑賞前感想
享保15年。藩の不正を訴え出たために、時の権力に負け藩を追放された男、瓜生新兵衛(岡田准一)。追放後、連れ添い続けた妻の篠(麻生久美子)が病に倒れ、死を迎えようとした折、最期の願いを新兵衛に託す。『藩に戻りて、榊原采女様(西島秀俊)を助けてほしい』というものだった。新兵衛にとって采女は、かつては良き友であり良きライバルであり、また篠を巡る恋敵でもあった。そして新兵衛の藩追放に関わる、大きな因縁を持つ二人であった。妻の最期の願いを叶えるため、新兵衛は過去の藩の不正事件の真相と、その裏に隠された妻・篠の本当の気持ちを突き止めようと奔走する。
監督は木村大作さん。TBSラジオにゲストに来ていたのを2度ほど聞いてました。
その結果、私にとって木村大作さんとは尊敬できるがメディア越しの距離感がちょうどいい。
ガンダムの監督である冨野由幸さんにも同じ感想を持ってます。
ラジオによると、木村大作さんは黒澤明さんのチームにいたことを誇りに思っている人です。黒澤明さんに心酔してます。布教したり他人にそれを押し付けようとしたりしている感はありませんが木村大作さんの大事な”背骨”になっています。
快活で熱い方なんですよ。考え方に一本筋が通ってる。それがラジオ越しにも伝わってくるんです。彼の意を受け取れず、頓珍漢なことを言ったりすると、灰皿が飛んできそうなんですよ。
直接、木村大作さんに私が接触したら、殺されるのかというような怒号を受けた後、部下の方や仲間から「悪い人じゃないんだよ」「うん、わかってる」とか慰めあうことになりそうな気がしてならないんですよ。
あんなふうに情熱を持ったまま年を取りたい。でも私自身は近づきたくはない。それが私にとっての木村大作さん(と冨野由幸さん)です。
おっと、映画の話ですね。
木村大作さんは撮影の人です。撮影を担当して凡作をちょい感動作に持ち上げた「追憶」や山の映像の美しさだけで二時間持たせた「春を背負って」。映像は楽しみです。
告知PV
ここから先は 散り椿 の感想です。ネタバレしてます!!
散り椿 - キャラクターと俳優
瓜生新兵衛 - 岡田准一さん
中盤の新兵衛は何がしたいのか何をすれば篠の願いをかなえることになるのか、新兵衛自身もわかってなかったんだろうなー。見ている方もかなりもやもやしてました。
岡田准一さんの殺陣は見事でした。平時の所作も美しかったです。
散り椿 - ネタバレ感想-
最初から最後まで力のある映像でした。
見ているだけで疲れるほど。
冒頭で何の情報もないのに新兵衛と篠の絆が私にしみ込んでくるんですよ。
私は基本的に、映像美よりもストーリー展開に重きを置く理屈バカです。普段なら「そこまでのストーリー的な裏付けがあるからこそ、このシーンは素敵だ」とか言い出します。
けど、そんなの何もないのに(事情はナレーションでちょっと触れただけ)、チューもしてないのに、そっと寄り添っているだけなのに、新兵衛と篠の間にある深い愛が胸にグッとくるんですよ。
そんなシーンばっかりでした。
ま、ストーリー上のつなぎのシーン(田中の用心棒依頼、石田玄蕃の暗躍)は強めの映像になりようにないから、中だるみ感が出ちゃったけどね。
無音というBGM
木村大作監督の「俺は映像で魅せる。音楽には頼らない」という鉄の意志を感じました。BGMは最低限しか使われてない。
音楽を使って盛り上がるレベルを、無音の緊迫感で超えていきました。
物語として
中盤は物語がどこに向かってんだか分からなくなってました。
政略戦争モノが見せたいのかな?と思ってました。
その割には新兵衛が事態の真ん中にいないし、そもそも新兵衛の具体的な目的が分からない。篠の願いは「窮地の采女を助けてあげて」ではなく「采女を助けてあげて」であり、采女が圧倒的な不利な状況に陥っている感じもない。采女は戦闘力的にも新兵衛と互角なんだから刺客から守る必要がない。新兵衛の行動原理が弱すぎだなぁ、、、。やっぱ木村大作さんは撮影の人だよなぁ。、、、、そんなことを思ってました。
四天王という仲間枠や剣術レベル枠があったので話についていけましたが、中だるみ感は半端なかった。新兵衛は生き方死に方を考えているというよりは、篠に頼まれたから帰ったものの具体的に何をしたらいいかわかんないようにしか見えなかったよ。
積み上げられたけどよくわからない展開から(複雑な政略モノを2時間の中で把握するのは無理っすよ、、、、)悪者を石田玄蕃に集約した原作の妙でした。途中が分からなくなっても、石田玄蕃が悪者だったのは一貫していた。
そのころには篠の真意が分かって新兵衛にも行動原理ができたからすっきりしたけどね。
散り椿 のクライマックスの新兵衛と采女の決闘
私が時代劇をそれほど見ないのもありますが、剣術同士で長尺のタイマンって初めて見たかも。
私がこれまで見てきたのは
- 一瞬で決まる(だいたいは両者が刀を振り下ろしながらすれ違って一方が倒れる)
- 一方(主に悪者)が刀以外の武器を使っている
- ラスボスだが剣術レベルは低いから一方的に殺される。本作の石田玄蕃
ってことが多かった。
美しい椿の前で戦う二人は見ごたえがありました。
散り椿 のベストシーン
映画のキモ
エンディングの中で篠の墓(でいいんだよね?)に手を合わせる新兵衛
ちゃんと生きていくから誉めておくれって祈ってるんですかね。
冗談
采女とのタイマンが終わった後に駆け付けた藤吾に不正を決定づける証拠の書簡を渡します。それを殿様に届けるといわれた時の藤吾の一言。
「わが命に代えても!」
あ、ホストがよく使ってるセリフだ!と思ったら笑ってしまいました。
きれい・かわいい・色っぽい
冒頭で
新兵衛と篠が頬を撫であう姿
篠(麻生久美子さん)は肩さえも露出してません。冒頭なので二人の関係を私は飲み込めていません。
なのに、美しかったし、惚れた相手の手に安心感を感じているのがよく伝わってきました。映像ってすげえ。
散り椿 の評判
3.65/5.0 (yahoo映画 2018/10/15)
映像は満点。それ以外は見る人それぞれ。
その他
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監督:-木村大作さん-
脚本:-小泉堯史さん-
俳優:-岡田准一さん- -西島秀俊さん- -黒木華さん- -池松壮亮さん- -麻生久美子さん- -緒形直人さん- -新井浩文さん- -柳楽優弥さん- -芳根京子さん- -駿河太郎さん- -渡辺大さん- -石橋蓮司さん- -富司純子さん- -奥田瑛二さん-
私のこと
初めてお台場ユナイテッドに行きました。金曜日が1000円と安くなってたので。
、、、安い理由が分かりました。金曜日だってーのに人がいない。
安くする曜日って集客が少ない日ってことでしょ?この映画館は金曜日が一番人が少ないの?
散り椿を見に行ったのは、公開初日の20:20から。地元の会場よりも広い客席に客は私を含めて4組5人しかいない、、、、。
初めて行ったところなので、散り椿が爆死なのか、この映画館の金曜日がこういった状況なのか判断つかない、、、、。