フレデリカ LOVE 邦画<ネタバレ>

内容を知っている方だけどうぞ。ネタバレで感想や評価を書いています。たまに批評・解説になっちゃっているところもあり。

映画『万引き家族』70点/3つのポイントとベストシーン/ネタバレ感想と評価

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万引き家族を見る前に張った画像なんですが、りんちゃんの今後が不安になるシーンです。ラス前にりんちゃんが母親の傷を撫でてあげようとして怒られて、謝罪を強要されます。信代の方がりんちゃんに寄り添ってるよね。

 
 こんにちは。フレデリカです。

万引き家族 作品情報

万引き家族 その1

www.frederica-movie-review.com

 

万引き家族 の3つのポイント

  • 家族になっていく
  • 生活することと愛することのすり合わせ。翔太の中に発生した気持ち。自分たちだけ世間を出し抜くことへの違和感
  • りんちゃんのその後はスルーすること

全体感想- 評価:70/100

バッドエンドはわかりにくい!りんちゃんの事件が起こったばかりだから、りんちゃんにばかり目がいってしまったよ。

りんちゃんの事件は、前の記事にリンクを張ったのでそちらからどうぞ。あまり多くリンクを張りたくない。

 

家族が臨ちゃんを受け入れていく速度の違いがすごく心地よかったです。

治が拾ってきました。

初枝は最初から受け入れ態勢万全。

信代は拒否反応から一転。すぐに”わが子”になりました。守るために職を捨てました。

亜紀は拒否もしなかったけど、受け入れもしてませんでした。それが順当に受け入れていきました。

一番の難題は翔太でした。自分の居場所を奪われるって思ったんでしょうね。それがどんどん打ち解けていく。

 

笑顔が多くなりおしゃべりになったりんちゃんがうれしかったです。

 

分からなかったこと。服を買うと叩かれる

りんちゃんは服を買ってもらうことに強烈な恐れを持っていました。服を買ってもらうと叩かれるからです。「買ってもらっても叩いたりしない?」は涙が出そうでした。りんちゃんフェーズはそれで終わっていたので今後もそれは続いていくのでしょう。

どういうこと?服を買うと隠されるところが変わるから、その隠されるところをたたかれていたってこと?叩くことに対する謝罪の前渡し?
なんにしても悲しすぎる刷り込みです。

 

生活することと愛することのすり合わせ。報道と真実の違い

報道と真実の違いはよくあるテーマなので、あまり語る気もしませんが。

「住人を埋めて、他人同士5人が住んでいた」はワイドショーとしては垂涎のネタでしょう。

亜紀のショック 私はお金のためだった?

逮捕(補導?)後、亜紀は親に初枝が金の無心をしていたことを知ります。

金の無心をするために自分を住まわせていたのかとショックを受けた亜紀は埋めた場所を指し示す。

亜紀よ、金のために集まってるだけなら皆で海水浴に行ったりしないよ。海は楽しかったろ?

お金を手に入れるための方法と心は直結してないよ。お前さんもやったろ?

 

初枝の埋葬と年金

初枝が亡くなったとき、家族に金はないし、全員が役所に届けると危うい立場になる。だけどちゃんと埋葬してあげたいから自分たちで埋めました。その理屈に国に認められたルールは関係ありません。埋葬したのは初枝を愛していたからに他ならないです。

その状況を利用して、年金を不正に受け取ったからといって、初枝を金づる扱いをしていたことにはならないでしょう。

 

初枝の金の無心とJKリフレ

亜紀はJKリフレで4番さんをVIPルームに誘います。その時点で4番さんは金にしか見てなかったはずです。

でも、コブシの傷を見て、4番さんを抱きしめました。金が目当てなら黙って膝枕だけしておけばいいのに。

おばあちゃんの金の無心はそれと一緒です。(理屈の順番が違うけど)

 亜紀はお金が目当てで情が沸いた

 おばあちゃんは情で一緒に住んで、状況を利用してお金を得た。

理屈が金か情かに100%偏っているということじゃないんだよ。

 

翔太の万引きに対する拒否反応。

駄菓子屋で万引きを繰り返していた翔太。りんちゃんに実行犯を任せたときにはじめて店主に呼び止められました。

店主はお菓子をくれて、「妹にはやらせるな」と言います。

店主はすべて知っていました。それでも翔太が店に出入りすることを許してました。

(そういえば店主は「妹にはやらせるな」でしたね。「二度と来るな」じゃなかった

 

翔太は店主の言葉で、万引きするアイテムにも所持者がいて、それが同じ人間であることに気づきました。いままで万引きするアイテムの先に誰かがいることを意識したことがなかったんでしょうね。頭の中で何かが一気につながり広がった瞬間でしょう。

 

翔太が万引きをやめたかったのは法に触れるからではなく

一般的な感覚として、相手が同じ人間であり、迷惑がかかるからでしょう。

その質問を治にぶつけたとき、「店のモノはまだ誰のものでもない」という屁理屈でした。

屁理屈に違和感を感じた翔太は信代に相談します。その後、りんちゃんに万引きをさせないために大暴れして店の商品を持って逃げ、足を折りました。

信代の覚悟

刑務所に入った信代は、翔太にさらった時の状況を話しました。翔太の中に自分たちとは違うものを感じ取りました。尋問の時に「お母さんと呼ばれたことある?」と言われた時の長い長い沈黙の中で考えたのは、翔太のために翔太と決別することだったかもしれないですね。

治の決断

一緒に雪だるまを作った後、父であることを降りた治。そのあと、翔太は父ともおじさんとも呼ばずに別れました。

あの時、治は翔太を捨てたのか?

治たち家族は家族ですが、その形はいびつです。その継続の方法も。

収入は万引きとJKリフレと死んだ初音の年金ですから。

 

翔太にとっては捨てられたのかもしれないです。

けど、治たちにとっては、警察に預けて翔太を明るい世界の人間に戻す。だったのかもしれないですね。

 

りんちゃんの今後は割り切るしかない?

全ては翔太を描くために配置されたと考えることができるなら、ですが。

 

翔太はりんちゃんを受け入れるのに時間がかかってます。はっきりとした拒絶から入ってます。

そして家族になり、りんちゃんを愛します。

その後、万引きはしたくないと考え始め、特に何も知らないりんちゃんを巻き込むことはだめだと葛藤します。(スーパーに入れずに自分だけ入った。結局りんちゃんも入ってきちゃうけどね)

物語としては、りんちゃんの役目はそこまでです。そこからのすべてを翔太に焦点を合わせて物語を描くなら、再会することのないりんちゃんのその後を描くのは不要

 

お父さんとお母さん以外にも世界があることを知る樹里が中高生まで成長した時に自分の身を守る行動を起こすことを妄想して気持ちを落ち着かせましょう。

 

万引き家族 のベストシーン

映画のキモ

独りで全部やったと言い切った信代

警察の尋問という形で、世間一般の声を家族たちにぶつけてました。共犯の方が刑は軽いという警官に、一人でやったと言い切る信代。

信代が守ったのは治だけじゃないですね。世間の目から子供たちを守りました。

 

ちなみに、刑が確定した後なら、何しゃべっても問題ないらしいです。だから刑務所で対面した時の内容(みんなで埋めた)が、警察に話したこと(信代が一人で埋めた)と異なっていても、罪状がひっくり返ることがないらしい。

 

他にはゆりちゃんがお麩を食べたいと言い出したところ。
それまでは与えられたものを食べていただけでした。心を開いてくれたのが、うれしかったよね。

冗談

Hの余韻に二人で慕って、いざ2回戦!!とおもったら子供が返ってきちゃって大慌て(笑)

きれい・かわいい・色っぽい

夫婦二人でそうめん食べているときの信代。治に襲い掛かりました。

事後のお尻もかわいかった。

他には、四番さんを膝枕しているときの亜紀の太もも

あれを生で見たら、抑えきれねえよ!!

 

 

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