哀愁しんでれら(75/100)
作品情報と鑑賞前感想
- キャスト:土屋太鳳さん 田中圭さん COCOさん
- 監督:渡部亮平さん
- 脚本:渡部亮平さん
- 公開日:2021.02.08
- ジャンル:人生・日常
- 上演時間:114分
- レーティング: G
あらすじ&鑑賞前感想
児童相談所で働く小春は、自転車屋を営む実家で父と妹と祖父と4人暮らし。幸せでも不幸せでもない平凡な毎日を送っていた。しかしある夜、怒涛の不幸に襲われる。祖父が倒れ、車で病院に向かうも事故に遭い、父が飲酒運転で連行され、火の不始末が原因で自宅は火事になり、家業は廃業に追い込まれ、彼氏の浮気を目撃(しかも相手は自分の同僚)…一晩ですべてを失う。そんな時に出会ったのが、8歳の娘・ヒカリを男手ひとつで育てる開業医の大悟。優しく、裕福な大悟は、まさに王子様のよう。彼のプロポーズを小春は受け入れ、不幸のどん底から一気に幸せの頂点へ。しかしその先には、想像もつかない日々が待っていた――
次世代のクリエイター発掘のためのコンペティション「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2016」でグランプリを獲得した企画を基に映画したそうです。
監督は渡部亮平さん。監督業は初めてで、脚本は「麻雀放浪記2020」。感想としては世界的に有名なネズミっぽく「ハハッ」って映画でした。
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ここから先は 哀愁しんでれら の感想です。ネタバレしてます!!
※ラスト近くで小春が踏切で倒れる前と後で切り分けます。
何も書いてなければ、小春が踏切で倒れる前までの話になります。
キャラクターと俳優
福浦小春 - 土屋太鳳さん
「母のようにならない」と「母と同じことをしている」の間でがんじがらめになって動けなくなった人。
母が出て行ったのは小春と妹の「試し」に付き合いきれなくなったんですかね。小春が泉澤家を出るときに原因のヒカリが泣きついてきました。同じ構図だって考えたら、小春が「試し(=わがまま)」を繰り返したのかな。
そういえば結婚指輪はどこに行っちゃったんでしょうね。捨てられた筆箱の中に入っているもんだと思ってました。
泉澤大悟 - 田中圭さん
「バカは人間じゃない」と素で思っている人。映画の中の人物じゃなくて、その辺に普通にいると思いますよ。石を10個投げたら、1個ぐらいはこういったやつに当たるぐらいには存在する。底辺の私としては、もちろん近寄りたくないけど。
前の嫁さんは選民思想の相手をするのに疲れたのかもね。(ま、小春・大悟・ヒカリの構図を作るために事故っただけでしょうけど)
ところで、開業医は暇なの?
ずっと小春と遊んでたような気がする。その割にはいい家に住んでたなぁ。
泉澤ヒカリ - COCOさん
小春が母になったとたんに本性を出した。.....というよりは「試し」だと思いたいなあ。劇中で言っている通りに。
怒られるようなことをしているのに怒られない。最終的には自分のワザで手玉にとれる小春をなめ腐ってました。
スクリーンのこっち側という外野から見たときに小春の失敗は二つ。
- 筆箱が出てきたときに物的証拠を目の前に話し合いをしなくちゃいけないけど、捨ててなかったことにした。
- おにぎりに五円玉入れて、なおかつ、食ったとうそをついたのを問い詰められない。(五円玉じゃなくてワサビぐらいの方がいいと思いますが。ってか具の確認で判断できるならそれでよくない?)
最初から悪魔みたいな子供だったわけじゃないと思うんですよ。
母のはずの小春への万能感をヒカリは世界への万能感にしてしまいました。
結果、とてつもなく姑息な子供になってしまいました。
わたるとラブラブな女の子を突き落としたか否かは、それほど問題じゃないでしょう。本作としては小春がヒカリと目を見て接することができなくなっている方が問題。靴を変えられない、スマフォに夢中なのを止められないのが問題。
教訓というよりは母ちゃんへの感謝の言葉だったらしい
前半での衝撃を後半で使うのは好きですが...
「母が自分捨てた記憶」「踏切内で倒れる」
これらの前半のインパクトが、ほぼ同じ意味でクライマックスで使われるのが好きです。とくに「母が自分捨てた記憶」は本作のメインだしね。
だけど、前半のインパクトをクライマックスに使って終わってしまう作品が多い。
※本作は違うように見えますが、その辺のことは後で書きます。
前半のインパクトをクライマックスで使って、見ている側のテンションを爆上げし、さらに展開していってほしいんですよ。
「その運命は輪廻であり、すべての人が取り込まれる」ではなく、「輪廻から脱する」が見たいわけです。
似たようなものに、クライマックスのインパクトのある画面を最初に見せて「どうしてこうなってしまったんだろう」から回想に入る。で終盤にそのインパクトのある画面を見せて終わるのも惜しいと思う。そのインパクトのある画面から一転二転してほしい。
バカバカしすぎて大好きなんですが、最後の展開がなかった「jam」
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ミニシアターっぽい細工の粒々さ
ミニシアターっぽくもあるテーマ直結の演出つくり
冒頭で不幸を叩き込み小春が不幸のどん底に落ちますが、
それがそのまま大悟の信頼される理由に直結していました。
小春が結婚を決める前、お手製の筆箱を作っているときの時刻がpm11:57だったんですよ。タイトルの「しんでれら」とも相まって、幸せなターンは次の描写で終わることを示していました。
他には小春のお手製筆箱が後半で強い意味を持ったり、
わたるが好きなことと、小春の「試し」がつながっていたり、小春との約束を反故にすることと直結していたり。
こういう細工の細かさは好きです。私好み。
いくつかの場面でテーマに直結しすぎて浮いているセリフもありました。
靴のサイズしか知らない女と結婚するシンデレラは共感できない(友人)とか
違う世界に行くと違う世界の常識が自分の常識になる(父ちゃん)とか。
分かりやすくて好きです。
最後だけテーマから外れてエンタメに寄った
本作のテーマとしては、これが最終局面です
- 自分の母親と同じくヒカリを振り切った
- 今更、実家に帰れない
- 否定したはずの親子は自分よりもちゃんと親子をやっていた。(夜の公園でブランコ)
自分を全否定された小春は踏切で死を選ぶしかなかった。
で終わりです。バットエンドです。
最後まで目に瞳が入ることはありませんでした。
小春が踏切内で横たわった先の話は、小春の夢です。電車が来るまでの短い夢です。多分。
分かりやすいのは3人の肖像画の目の色がおかしいところ。
そうじゃなくても、そこまでのテーマから外れたんですよね。絶妙なバランスをとっていたテーマが、極端の方向に一気に倒れている。
よく言えば、『小春がなりたかった「家族(それ以外はどうでもいい)」』です。メガネっ子の手紙の内容なんてどうでもいいんですよ。事件の真相なんてどうでもいいんですよ。
私が思ったのは、『作品としてインパクトのない作品になっちゃったからインパクトのあるシーンを足しておこうかな』でした。
哀愁しんでれら のベストシーン
映画のキモ
お手製の筆箱を捨てて、なかったことにした小春
ヒカリとの直接対決は避けることにしました。
冗談
父ちゃんが事故った理由の酔っぱらい
むかつく酔っ払いでした(笑)
きれい・かわいい・色っぽい
ベットでいちゃつく土屋太鳳さん
ほかには、ヒカリにおっぱいを触ることを許可する土屋太鳳さん。
タグと評判
タイトル:-哀愁しんでれら-
監督:-渡部亮平さん-
脚本:-渡部亮平さん-
哀愁しんでれら の評判
3.37/5.0 (yahoo映画 2021/02/08)
その他
最近の世の中
2021.01
2021.02
私のこと
職場に毎日通ってた頃、「おうちにコーヒーメーカーほしいな。でも今は使わない。テレワークとかで一日中お家にいる業種になったら買おう」と思ってました。
そして、今、ずっとお家にいます。業種がら、最短でも一年はこの状態でしょう。
暖かい飲み物は今が一番欲しい時期です。ずっとティーバックのお茶を飲んでいる。日に何度か「ちょっと贅沢な珈琲店」の粉末を飲んでる。
んー.....コーヒーメーカーはいらねえ。
おーいお茶、最強。
ちょっと贅沢な珈琲店
あこがれてたけど、いらないと気づいたコーヒーメーカー