フレデリカ LOVE 邦画<ネタバレ>

内容を知っている方だけどうぞ。ネタバレで感想や評価を書いています。たまに批評・解説になっちゃっているところもあり。

web小説「200億の女」/上質な詐欺もの

昼休みにWEBで読める小説を読んでいます。
今は東京カレンダーの「200億の女」

tokyo-calendar.jp

 


上質な詐欺もの小説

リア充バリキャリ社長令嬢ウーマンの暖かな家庭もちを詐欺師が騙す話です。
※今、私は智と小川がアフリカに行ったところです。

私はまだ途中までしか読んでませんが、、、、すげえ。
 
こんな言葉を聞いたことがあります
「すべてを嘘で塗り固めるのは三流の詐欺師のやること。一流の詐欺師は最後にちょっと嘘をつくだけ」
登場する詐欺師の小川シンタロウは違う。真実だけでだましきる。超一流の詐欺師だ。もしくは、もはや詐欺師じゃねえ。
 
「小さなウソをつくとそれを隠すために大きなウソをつき、それを隠すためにさらに大きなウソ...」という文句はよく聞くことで、詐欺モノは大体それで詐欺師の計画が破綻してオチにもっていかれます。けど、この詐欺師はウソをつかなくてもいい状況にもっていっている
 
真実を話すだけで相手が掌で踊るように、「前段階を作り、話をする状況を作り、動揺するタイミングで動揺させる言い回しで発言」する。この”前段階”が肝で、女性の部下と付き合ってみたり旦那の前に現れて話し込んでみたり。
「Aさんがあなたのことをこんな風に言ってたよー」が嘘じゃないんです。本当に言ってた、もしくは言わせてるんです。Aに確認しても本当だから詐欺計画がほころばないんです。
漫画のウシジマくんの「洗脳くん」編(娘の婚約者に家族が操られて娘らがお父さんを感電死させちゃう話)は家族間を猜疑心で固めて、家族間の連携をできないようにしていました。でも「200億の女」は詐欺師がいないところで、関係者が腹を割って意識のすり合わせをしても問題ないように状況を作ってるんです。
 
すっごい良質な詐欺モノ小説に出会ってしまいました。
さて、最初に書きましたが、まだ読みかけです。

 

読了した人には笑っちゃうかもしれないことを書きます

智と小川がアフリカに行ったところであり、中盤を超えたあたりです。
私はこの作者の....あれ?作者名がない!とにかく「200億の女」の物語を信用しました。「200億の女」の世界にどっぷりつかってます。物語の失速を全く心配せずに楽しんでます。

< ↓ ここからは笑うポイントかもしれない。>
私は小川が徹頭徹尾の根っからの詐欺師だと思っています。智に情がうつるようなことはなく。
この記事を書くために落ち着いたので考えることができましたが、アフリカ支援団体って本当にあるのか?
存在したとしてアフリカの地で智がみる支援団体は、本当に東京で紹介したアフリカ支援団体なのか?
まさか智をだますためにアフリカ支援団体を立ち上げてある程度の活動を行ってるとかじゃないよなぁ。(←だとしたら俺の好みじゃなくなる。しかけが大掛かり過ぎて引く)
今まで信じ込ませるために作った真実だけで智の信愛を得たけど、最後に小さな嘘をつくのか、真実だけで押し切るのか。できれば真実だけで押し切ってほしい。刑事の前での堂々とした態度だった理由は”詐欺が絶対にばれない”からではなく”法には触れていないように立ち回った”自信であってほしい。
<↑ここまで笑うポイントかもしれない。>

 

「200億の女」を読了している方がこの記事を見たら、
そのあたりでは思うよねーとか、最後はまるで違うのになーとか笑うかもしれません。こんなふうに思考を積み重ねていることこそが作者や小川の術中なのかもしれません。
もし笑えるならうれしい。それは私が想像もしない展開になるってことだから。