こんにちは。フレデリカです。
ラストレター
作品情報と鑑賞前感想
- キャスト:松たか子さん 広瀬すずさん 森七菜さん 庵野秀明さん 豊川悦司さん 中山美穂さん 福山雅治さん 神木隆之介さん
- 監督:岩井俊二さん
- 脚本:岩井俊二さん
- 公開日:2020.01.17
- ジャンル:人生・日常
- 上演時間:120分
- レーティング: G
あらすじ&鑑賞前感想
裕里(松たか子)の姉の未咲が亡くなった。裕里は葬儀の場で、未咲の面影を残す娘の鮎美(広瀬すず)から、未咲宛ての同窓会の案内と、未咲が鮎美に残した手紙の存在を告げられる。未咲の死を知らせるために行った同窓会で、学校のヒロインだった姉と勘違いされてしまう裕里。そしてその場で、初恋の相手・鏡史郎(福山雅治)と再会することに。
勘違いから始まった、裕里と鏡史郎の不思議な文通。裕里は、未咲のふりをして、手紙を書き続ける。その内のひとつの手紙が鮎美に届いてしまったことで、鮎美は鏡史郎(回想・神木隆之介)と未咲(回想・広瀬すず)、そして裕里(回想・森七菜)の学生時代の淡い初恋の思い出を辿りだす。
監督は岩井俊二さん。あれ?初めましてです。お名前はつねづね聞いているつもりなんですけどね。
私にとってのパワーワード(”パワワ”と訳すらしい。本当か?)福山雅治さんの名前がありますね。彼が出てくると基本的に福山雅治さんを愛でる作品になることが多いです。
すべての事象に「※ただし福山雅治さんに限る」の注釈がついていた「マチネの終わりに」
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アニメという枠を超えてイケメンを見せつけた「未来のミライ」
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ここから先は ラストレター の感想です。ネタバレしてます!!
ラストレター - ネタバレ感想 ( 80 / 100 )
キャラクターと俳優
私が想像していた「芸能人イケメン美女パワー」で勝負している人は一人もいませんでした。それよりも表現力や役者魂パワーで私を魅了してくれました。
岸辺野裕里 - 松たか子さん
冒頭のバス停で乙坂に追いつかれた時、「こいつ誰?」感が強かったですね。あまり「分かっているけど早く逃げなきゃ」感は感じなかった。
その後の一方的な文通にすごい違和感を感じてましたが初恋の相手だったんだね。
遠野鮎美・遠野未咲 - 広瀬すずさん
男子生徒のマドンナ・生徒会長・卒業式で答辞を読んだ・裕里の持ち上げ方・乙坂のラブレターに反応しない。
これらをもって美咲は神格化した完璧超人に見えてました。
遠野裕里・岸辺野颯香 - 森七菜さん
去年に「天気の子」のヒロインに声を当てた人。
現代フェーズの颯香の立ち位置が絶妙でした。
軸の裕里と物語の中心の鮎美をつなぎ、
周回遅れ感を出すことで鮎美がおかれた状況の異常性を表現し
田舎にいたいのは自分都合の事情もあったので周回遅れ感を取り戻しました。
特に「軸の裕里と物語の中心の鮎美をつなぎ」を犬と共に担当してくれなければ、裕里フェーズと鮎美フェーズが完全に別々のものになっていたでしょう。
岸辺野宗二郎 - 庵野秀明さん
なんかかわかった。家で仕事をする職人肌感がよかった。
阿藤 - 豊川悦司さん
無頼派のロクデナシ。クズだからこそシッカリしている美咲が引っかかっちゃったんでしょうかね。私がいてあげないとダメ的な。
高校生時代の美咲が色々なフィルタがかかって完璧超人に感じましたが、一人の若いお姉ちゃんです。乙坂をはじめとする他の大学生にはない個性を放つ阿藤に魅力を感じたんでしょうね。阿藤は大学生でさえなかったようですが。
同棲してからは共依存、、、、、うーん、阿藤は依存してないか?
サカエ - 中山美穂さん
あんなに底辺の生活をしているやさぐれたミポリンを見ることになるとは思わなかったよ。スナックのお姉ちゃんが阿藤に口説かれて同棲した様がはっきりと感じられました。
髪の毛はぐしゃぐしゃで適当にまとめただけ、しわしわの妊婦服。だけど隠し切れないきれいさがありました。
乙坂鏡史郎 - 福山雅治さん
イケメンパワーはOFFってました。
彼はどうやって裕里だって確信したんですかね。同窓会の時から裕里だろうなとは思ってたようですが。
下のAは美咲とのやり取り。Bは子供たちとのやり取り。両方とも美咲に成りすましている。
- A.美咲から返信先不明の手紙が来るようになった。
- B.美咲の実家に手紙を送ったら返信が来た。いつもと字が違った。
- A.自分の手紙とB.相手の返信がかみ合わない
- A.返信先を指定された手紙が来たが、B.その住所は実家ではなかった。
- 美咲がなくなっているとは想像もしていない
この状況を整合性を保つようにするにはどうやって整理すればいいんだ?
Aは裕里とすぐに確定するとして、Bを美咲だと思ったのかな?
乙坂鏡史郎 - 神木隆之介さん
私は高校時代に何もなかったので、人のこと言えたもんじゃありませんが、 妹さんにラブレターを渡しただけで恋が進展していると思うんじゃねえ。
ノベライズ
物語の感想
前半は飲み込みずらいですね。 後の状況を作るのに結構無理やりなことしてます。
見る側の軸によって評価が変わる
主人公はなんとなく裕里という軸がありますが、見る人によって主題や軸が変わると思います。
サインと握手も重要かな?
乙坂との再会は、乙女心を復活させて一方的な文通を始めました。
突然現れた乙坂を前にして大急ぎで身の回りを整える裕里がかわいいですね。
乙坂の作品が「美咲」だったのを知り、ちょっとだけ復活した初恋に終止符を打ちました。
最後に握手したのは気持ちの整理であり、サインは「せっかくだから」という日常に戻ったということですね。
乙坂の人生の全ては美咲でした。美咲を死に追いやった原因を作った男と対峙した時、言われるがまま握手してしまいました。敵と決めつけてきたはずなのに。
殴ることさえできなかった乙坂。その男に「お前は美咲の人生に何も関与していない」と言われてしまいます。
帰り道にサカエからサインをねだられて阿藤に魂を食われたまま茫然自失状態で書きました。
その後、鮎美との会話で魂を救われます。美咲も自分を大事に思ってくれていたと。心を込めてサインを書きました。
乙坂の立場だと人によっては、早く会いにこれなかったことを一生引きずりそうだけどね。
裕里の「あなたと結婚してほしかった」と鮎美の「早く迎えに来てほしかった」は受け取り方によっては『親族からの恨み節』だよ?乙坂は『自分の気持ちの肯定』として受け取ったようなので前を向くことができましたけどさ。
高校の回想が終わり話が大学の話にうつったころ、「ひょっとして人生追跡ものの側面があるな」と考え始めました。嫌われ松子の一生とかカノンとかの系統。
でもこれはないか。乙坂は阿藤の話を聞いていただけだし、美咲の最期が映像として描かれたわけじゃないし。
颯香がそばにいてくれたのもあったし犬が来たこともあったので元気を取り戻しましたが、鮎美は母親のことをちゃんと誰かと話したことがありませんでした。大人に言われていたのか自殺したことは颯香にも言っていなかったようです。
乙坂に母親のことを話し、家に帰るという颯香からの立ち直り太鼓判を押されたことで、始めて母からの手紙を読むことができました。
こう書きだしてみると、「美咲の一生」から「鮎美の心の整理」に続くコンボが本線な気がしてきた。
見ごたえあった演技バトル。
よーし、ぶん殴ってしまえ!最低でも、ビールを頭からぶっかけろ!!
と思いながら見てました。
好き勝手をへらへらしながら上から語る豊川悦司さんの攻めと 、攻めに来たはずなのに守り一辺倒の福山雅治さん。二人のコントラストがすごかった。
福山雅治さんが言い返すことができないのを感じた豊川悦司さんがどんどん調子に乗っていく。
見ごたえのあるシーンでした。
阿藤に天罰が欲しい人は溜飲が下るかな?、、、阿藤とはちょっと違うかな?
昔話だ。当時を知る人には大体年代がわかると思う。
友人Aは俺らの大学時代の友人。
Aは定住所を持たなかった。誰かしらの家に居候しては、飽きたら別の家に移っていた。
Aはスナフキンのような旅人でもあった。
ほとんど大学には来ず、飲み会とバイトに精を出し、バイト代が溜まるとふらっと海外へ出かけ
またふらっと戻ってきて山ほど土産話を聞かせてくれる。
行動力があり、アジア各国の政治状況に明るく、世界を知っているのに気取らず
酒の席ではケツ毛を燃やしたりと気さくなAは、俺たちの憧れであり、一種の理想の体現者だった。しかし俺たちも歳を取り、卒業して就職。
Aは変わらず自由人であり続けた。
社畜になってからも、いや社畜だからこそ一層、俺たちはAに憧れた。
Aが帰国するたび、Aを囲んで飲んだ。各国の土産話を聞かせてもらい、「好きなだけいろ」とAをアパートに泊めた。だが20代後半ともなると結婚する奴がちらほら現れた。
多くの人間が、結婚後にAを新居へ呼んだ。
海外生活が長く、食事中に手鼻をかんだりと、Aは衛生観念が生粋の日本人と少し違った。
またアジアでの買春話などを、陰でしてくれりゃいいのに嫁の前でも隠さなかった。
Aはたいていの嫁に嫌われた。
そこで平謝りする男と、「俺の友達に失礼だ!」と怒る男に二分された。
Aは夫婦喧嘩には委細かまわず、自分の選んだ家で好きなだけ寝泊まりした。
3人の嫁が実家に帰り、そのうち2人が離婚した。俺は喪男ながらも30代でなんとか結婚した。
結婚後Aが帰国し、いつものように帰国歓迎会で飲んで、Aのチンコ芸を堪能した。
Aは「泊めて」と言ったが、俺は断った。しかしAは無理やりタクシーに乗りこんでついてきた。
俺はけしてAが嫌いではなかった。
だが俺は喪男ゆえ、なんとしても離婚したくなかった。
結婚してから意識が変わったのか、Aに対し以前ほどの憧れもなくなっていた。
嫁が妊娠中で、腹の子が女の子とわかっていたせいで、11~12歳の娘を買春した話にも嫌悪を感じた。
俺は自宅とは離れたコンビニ前でタクシーをおり、フェイント&ダッシュでAをまいた。
Aはその後、別の友達(独身)の家に泊めてもらったようだ。
Aは怒っていなかったらしいが、その泊めた友達が俺を「友達甲斐のない奴」と怒り、
以後飲み会にあまり呼ばれなくなった。
Aはそいつの家に2ヶ月居座り、また出国していった。7年後、Aが死んだと連絡が来た。
麻薬の過剰摂取か何かで死んだらしい。遺体は兄弟が引き取りに行ったとか。葬式はなかった。
なんとなくAを偲ぶ会のような飲み会が開催され、7年ぶりに俺も参加した。
そこで知ったが、俺の知らない7年間で、Aはさらに5組の夫婦を離婚させてたらしい。
通算7組。Aは顔が広かったから、大学の仲間以外のつながりでもっとやらかしていた可能性は大だった。
「Aが死んで、日本の離婚率がさがるぞ」と笑顔で乾杯した幹事も
Aによって離婚したうちの1人だった。さらに数年経過した頃、かつての仲間数人がA家の墓を壊して、小さい記事だが新聞に載った。
離婚した7組のうち、3人が酔ってやらかしたらしい。「動機は昔の怨恨」とだけ載っていた。
今は大学時代の友人と会うことはなく、墓荒らしの続報も聞けない。
だがあの時Aを泊めなくて本当に良かったと思う。
学校のプールらしきところで浴衣姿で二人で花火をしているシーン。
夏休みが終わりに近づき、別れをさみしがる鮎美。さみしいのは真実。でも颯香に転校してくるって言われちゃうと、「そこまでされても困る」ははっきり言っとかないといけない。
鮎美が心配だけど、そうじゃないように見せながら転校を言い出すと森七菜さん。
親友の善意を断らなくちゃいけないという心苦しさがすごく出ていた広瀬すずさん。
なかなか見ごたえがありました。
前半の飲み込みずらいところ
前半に時間かけられて後半が薄くなってしまうよりも、ささっと設定を作ってくれた方がうれしいです。ですが中盤までは本作を信用してなかったので、うーん、、、とか思ってました。
- 同窓会は「欠席」に〇つけて出せばいいじゃねえか。行ったところで「妹の裕里 です!」って叫べば事情を聴いてくれるでしょう。乙坂の顔が見たくて会場に行ったようにも見えないしなぁ。ノベライズではうまく説明しているのかなぁとか思ってました。
- 裕里も乙坂も恋の始まりがちゃんと描かれてない。二人とも顔見ただけで好きになっている。なので、あんなに追いかけるような理由付けが薄い。
- 嫁とはいえ他人のスマフォを水没させちまうのは、現代の社会人としておかしい。子供のDSをたたき割るぐらいおかしい。
- あの犬って成犬だよね?成犬を買ってくるってどういうこと?
- 子供と共に義母のデートの後を追いますか?
- 救急車が来たときに先生が裕里に事態を押し付けましたが、おかしい、、、、、くはないか?ああいうときの男ってあんなもんかも。
- 救急車騒動は家に手紙を届けさせたくないけど、次の展開のために住所が必要だったってこと。、、なんだけど他人の家の住所を書くってすげえな。
ラストレター のベストシーン
映画のキモ
裕里が訪れた乙坂に美咲のことを話した後のバス停にて。
誰かがその人のこと思っていたら、生きていることになるじゃないでしょうか
「ONEPIECE ヒルルク」美咲の魂は鮎美、裕里や颯香たちの中に。
冗談
姉の同窓会に事情を話に行ったら、あれよあれよと出席にすることになった。それを旦那に話したら「なんだそれ?」と言われた裕里 。
私は面白いと感じたわけじゃないんだけど、何人か笑っていたので面白いシーンだったのでしょう。
きれい・かわいい・色っぽい
白濁の湯船につかったまま、スマフォを取り返すために腕を伸ばす松たか子さん。
おっぱいが見えたとか見えそうだったとかはなかったんですが、色っぽかった。
タグと評判
タイトル:-ラストレター-
監督:-岩井俊二さん-
脚本:-岩井俊二さん-
俳優:-松たか子さん- -広瀬すずさん- -森七菜さん- -庵野秀明さん- -豊川悦司さん- -中山美穂さん- -福山雅治さん- -神木隆之介さん-
ラストレター の評判
3.84/5.0 (yahoo映画 2020/01/18)
その他
最近の世の中
2019.11
2019.12
2020.01
私のこと
去年11月から少し映画を見ることから離れていたので忘れてたことがありました。
「映画を見る日はあまり水分をとってはいけない」
家にいるときに寒かったのでお茶で暖を取っていました。
そしたら始まって30分で尿意が、、、、、。
どっかで行ってこようかと思ったんですが、トイレ行っちゃうと分からなくなるし目が離せない良作だったので、漏らす覚悟をしました。
スタッフロールが始まったらすぐに席を立ちました。、、、、EDの後にもう人エピソードとかなかったよね?そういう映画じゃないよね?