嘘八百 京町ロワイヤル
作品情報と鑑賞前感想
- キャスト:中井貴一さん 佐々木蔵之介さん 広末涼子さん 友近さん 森川葵さん 山田裕貴さん
- 監督:武正晴さん
- 脚本:今井雅子さん
- 公開日:2020.01.31
- ジャンル:社会の裏側・犯罪・裏社会
- 上演時間:106分
- レーティング: G
あらすじ&鑑賞前感想
さえないままの目利き古物商・小池則夫(中井貴一)と、未だくすぶったままの腕利き陶芸家・野田佐輔(佐々木蔵之介)。ある日、則夫の古物店に現れたのは陰のある京美人・橘志野(広末涼子)。「父が愛し、騙し取られた思い出の器を探している。もし骨董市場に出たら教えて欲しい」と、渡された写真に写っていたのは、千利休の弟子にして「天下一」と称された古田織部の幻の茶器【はたかけ】の特徴そのまま。驚いた則夫は、早速堺から佐輔を呼び寄せる。ところが、その茶器の背後にはとてつもない陰謀がうずまいていた―。
監督は武正晴さん。2019年に一大旋風を巻き起こした全裸監督を撮っているんですね。うちのブログとしては前作の「映画『噓八百』/50点/うまみ成分の蒸留したところを薄くさらった感じ」ですね。
前作はお正月映画として大人でも楽しめる「ちょっと考えると面白い軽快な駆け引き」が楽しい映画を目指していたようでした。でも内容が薄かったんです。
中井貴一さんの娘の森川葵さんが目利きの才能や視野と解析力が凄く高いような描写があったのですが、それら一切を後半の展開に使用しなかったんですよ。
まさしくお正月映画だったんですが今作は一月末の公開。何か大人の事情があったかな?
ここから先は 嘘八百 京町ロワイヤル の感想です。ネタバレしてます!!
嘘八百 京町ロワイヤル - ネタバレ感想 ( 45 / 100 )
キャラクターと俳優
人物相関図は公式にしっかりとしたものがあったのでそちらにお譲りします。
https://gaga.ne.jp/uso800-2/#diagram
軸の三人は致命傷を書いておきます。
小池則夫 - 中井貴一さん
セリフと流れから言って広末涼子さんにメロメロなんでしょう。全くそんな感じがしませんでしたが。
<致命傷>
個人の骨董屋さんが大掛かりな詐欺ができると飲み込めなかった。
一応、彼は詐欺師ではなく骨とう品屋なんだよね?彼の目指す先にはルパン三世ではなく中島誠之助さんがいるんだよね?だから織部の茶碗で金儲けに使うわけではなく塚地武雅さんに預けたわけだし。
前作は品評会の延長だから、できるかな?とは飲み込めたんですよ。でも今回のTV番組を使った大きな仕掛けは無理だろ。
野田佐輔 - 佐々木蔵之介さん
広瀬すずさんの出演する映画は基本的に良作です。広瀬すずさんだけでなくスタッフチームの判断能力が凄いんでしょう。
その判断能力を佐々木蔵之介さんチームも持っていると思うんだけどなぁ、、、、、。意識改めるべきかな?
<致命傷>
結局は、贋作を作りたくないの?作りたいの?
なんとなく「本物を超えればそれは贋作じゃねえ!」みたいな慰められ方をされてたけど、それでいいのか
橘志野 - 広末涼子さん
指先がアップになったんですけどね、、、、白魚のような指というわけにはいきませんでした。
wikipediaによると2度の結婚とお子さんは3人。一番下の子は今5歳。その指に出会ったのがスクリーン以外なら「年齢と経験を積み重ねた美しい指」です。でも気品ある令嬢設定でその指を見ちゃうとね、、、
<致命傷>
「この人じゃない」感がすごかった。
芸能界の長さや経歴などや、なによりも中井貴一さんや佐々木蔵之介さんとタメをはる看板として広末涼子さん以上の人はいない。でも「この人じゃない」。
和服を着ているときやキャバ嬢のドレスを着ているときの色気もある。でも「この人じゃない」。
清涼感やお昼の日差しのようなきれいさはあるけど、広末涼子さんはムワッとした香水くさい色気はないですね。
あ、わかった。ルパン映画ってさゲストヒロインが光の美しさで不二子ちゃんが闇の美しさでしょ。本作での役回り的には闇の美しさがほしかったんだけど、広末涼子さんが生来持っているのは光の美しさのみ。
人選ミスというのか、広末涼子さんが芸の幅を広げようとして無理したのかわからないけど、ミスマッチでした。
野田康子 - 友近さん
彼女の見せ場は中盤。やる気を出した佐々木蔵之介さんを京都に応援しに行ったら、その理由が広末涼子さんと知ったときの遠回しに嫉妬と嫌味を言うこたつのシーンでしょう。
広末涼子さんのキャラの背骨がしっかりしてなかったので、彼女の見せ場はぐにゃぐにゃになってしまいました。
大原いまり - 森川葵さん
前作の大人顔負けの観察力はオミット。タロット占いをしてました。中井貴一さんのツッコミ役のみ。それも前半だけ。
個人的には活躍を一番期待してたんだけどなぁ。
牧野慶太 - 山田裕貴さん
何しに出てきた。いやマジで。
物語の感想
あー、、、、これはお正月のスクリーンの取り合いに負けるかも。
最後は「つづく.....かも?」で終わりました。次作が出来たら作品の評価ではなく監督さんやプロデューサーさんの政治力や交渉力です。それら映画作成力以外のスキルもなさそうだけどね。スクリーンの取り合いに負けて一月末公開になったわけだし。
「お正月映画なら許せたかも」が続く
ずっと「お正月映画なら許せたかも」と思ってたことに我ながら驚きました。「お正月映画」という下駄の履かせ方を自分がすると思ってなかったもので。
前回は「うまみ成分の蒸留したところを薄くさらった感じ」と評しましたが、本作は「薄味の出汁をさらに薄くさらった感じ」。
正月って日本人として古き良き文化を愛でようって意識が働きます。食事をお節料理にしたり、神社仏閣に詣でてみたり。
本作は京都を舞台とした時代が香る茶器が軸の一つです。広末涼子さんは和服で出てくるし茶の湯をたてるし古田織部を中心に日本史を語るし。
ラストレターやカイジよりもよっぽど「お正月映画」としての体裁を整えています。
佐々木蔵之介さんが広末涼子さんに鼻の下伸ばしたら友近さんがプンプンしちゃうのがほほえましい夫婦喧嘩がお正月映画っぽいじゃないですか。私腹を肥やす国関係っぽい人達を手玉に取るのも、それが軽快なのもお正月映画っぽい。和装の老人が高級な日本家屋をドタバタ走るのもお正月映画っぽい。
だけど、
中井貴一さん、佐々木蔵之介さんが億野万蔵さんや嵐山直矢さんを許せない敵と設定する理由が入ってこない。いや、わかるんだよ?TV番組を使って商売をつぶされて、消沈したところで100万で釣ろうとしたとか。でも入ってこない。
広末涼子さんは詐欺師であり亡き父の恨みを晴らしたいってのはわかるんですよ。でも入ってこない。
本作をお正月に見たら楽しめたのかなぁ。
正月特番を録画して2月に見ると「あー正月はみんな受かれるよねー」と無駄に冷静な目になってしまいます。そんな感じ。
嘘八百 京町ロワイヤル のベストシーン
映画のキモ
敵からもらった200万(警察へのわいろのつもりだった)を「一枚もらって回してー」と雑に報酬を配るシーン。
正月映画っぽいなと。
現金報酬があれだけなんだけど、いいの?労働に対して収入が低すぎるけど。
冗談
警官部隊も居酒屋に入ってきて「全部仕込みだったんかい!」のシーン。
警官部隊が仕込みだったのも隠す気なかったけどね。
一介の骨董屋がこんな大々的な詐欺仕掛けができることが飲み込めてないので「そーですかそーですね」ぐらいなもんでした。
きれい・かわいい・色っぽい
和服姿で現れた広末涼子さんの登場シーン。
ピークでした。
タグと評判
タイトル:-嘘八百 京町ロワイヤル-
監督:-武正晴さん-
脚本:-今井雅子さん-
俳優:-中井貴一さん- -佐々木蔵之介さん- -広末涼子さん- -友近さん- -森川葵さん- -山田裕貴さん-
嘘八百 京町ロワイヤルの評判
3.41/5.0 (yahoo映画 2020/02/08)
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私のこと
私はパーカーで出勤している。
今シーズン一番の寒さらしい。
今週を乗り越えれば、今シーズンはパーカーでやり過ごせるかな?