最後の問いかけが光りますが、もちょっとわかりやすくしてもよかったんじゃない?
テーマが重かったり深かったりすることと作りとしての分かりやすさは別な気がする。
難しく表現してたかなこの心情は最終的にすごくわかりやすいモノになってたし。
切り替えが遅くなった。
主題が幼児殺人ではないことに気づくのが遅くなってしまいました。しかも気づいたのは外部情報からです。冒頭のパトカーが隣家が集まったり報道されてたりしているので、実際の事件をもとにしているのかと思い、wikipediaをちょこっとだけ覗きました。
結果、私の想像とは違っていた。ついでに物語の主題を見てしまいました。けど見てよかった。
回想に入る流れ
回想シーンに入ったことを意識しないようにできているのですが、そのおかげで「あ、これ、過去のシーンか」と気づいたころには5分くらい経過していたことが何度かありました。
この回想に入る手法を2本連続で見たらしつこく感じるかも。
流れて行ったサンダル
タイトルにつながる場面。ただ流れていくのを見てる。
「取りに行きなさい」でもなく、
「とってこようか?」「いいよ、どうでも」でもなく、
「とってこようか?」「ぬれちゃうからいいよ」でもなく、
ただただ見てるだけ。
後のかなこを見ていると何を考えていたか分かります。
過去の暴行シーンを見る限り、俊介は最初は止めています。最終的には止められなかったし、どうしてたんだかよくわからないけど、かなこがターゲットにしたの は止めた俊介のみ。後のやつらは「学生時代にヤンチャした思い出」程度の感覚で罪の意識がないんだよね。感覚が一致していた俊介だけ狙ったかなこ。
ゴラクあたりだとほかのやつらが速攻で殺されて俊介だけが罪の意識を感じながら生きていく展開ですね。
ラストの問いかけ。
その辺をすべて飲み込んでのラスト。かなこが何で出て行ったかはもうわかりやすいです。それでの問いかけ。前提がちょっと汚いけどね。
かなこの心情が主題なら、かなこの正体がわかるのが少し遅い気がする。wikipediaで先をみちゃった私が悪いのは確かなんだけど、夫婦のいびつさは感 じなかったんだよね。しいて言えば一点、通報した時のみ。わけあり夫婦感はあったけど、俊介が罪悪感を感じてて、かなこが愛憎のはざまにいるって感じは私 には受け取れませんでした。
かなこの感情に焦点を当てた話ではなく、
・この夫婦の日常的な関係が異常すぎて意味が分からない。
・真相はこういうこと!
というミステリーな感じもするんだよなぁ。ほら、真相は奇妙奇天烈の方が面白いじゃない?
※原作の方では幼児殺害は解決したんですかね?記者が俊介たちを追いかける動機に使っただけであって主題的にはどうでもいいのですが。
みんなのシネマレビューには誰も投稿してないみたい。
深いところまで考え込んでいる人もいるし真木よう子をひたすらほめている人もいる。
小説を読んだ人か映画を何度も見返した人じゃないと評価しずらい雰囲気だなあ。何人かステマっぽい人もいるけど考えすぎだよね。
私は一見の感想です。
監督 |
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大森立嗣 | ||
原作 |
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吉田修一 | ||
脚本 |
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大森立嗣 、高田亮 | ||
cast |
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真木よう子 | かなこ | |
大西信満 | 尾崎俊介 | |
鈴木杏 | ||
井浦新 | ||
新井浩文 | ||
木下ほうか | ||
三浦誠己 | ||
薬袋いづみ | ||
池内万作 | ||
木野花 | ||
鶴田真由 | ||
大森南朋 |