フレデリカ LOVE 邦画<ネタバレ>

内容を知っている方だけどうぞ。ネタバレで感想や評価を書いています。たまに批評・解説になっちゃっているところもあり。

映画『真実』/ファビエンヌと私の中の樹木希林さん

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正直に言う。途中で3回ぐらい意識がなくなってた。フランス語?ってなんであんなにぬるぬるとしてゆるゆるとした言語なんですかね。
絵的に派手なシーンや動きの激しいシーンがあるわけでもなく、母親の仕事論や葛藤を中心に話が進みます。
んで過去作を想うとなんとなく思ったんですよ、この母親って樹木希林さんか?

是枝監督はたくさんの作品で樹木希林さんを起用しています。是枝監督から見た樹木希林さん像を描きたかったのかなと思いました。

私が見た樹木希林さんを起用している是枝監督の作品 

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ファビエンヌと樹木希林さんと外角的な立ち位置が似ているんですよ。大女優で少し偏屈。娘は役者で脚本家。娘夫婦とは別居で娘婿は役者。旦那は亀にされちゃってるし(言われれば亀に似てる?)。


私の中の樹木希林さん。

私のイメージでは樹木希林さんは、人が好きでいたずら好きな賢者です。
相手が困っていると導いてくれる。けどすべてを委ねようとすると突然押し返してくる。いたずらっぽい笑顔をしながら。

 

亡くなってすぐの時に思い出を語る伊集院光さん。「いい人」ではなかったそうです

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ファビエンヌと私の中の樹木希林さんは似たところもあるが違うところも多くありました。、、、、と思ったら同じなような気がしてきました。
自伝の中で「娘の世話をちゃんとしていた」とあります。娘さんは嘘だといいました。世間、というか私はどちらが真実だと思いたいかというと前者です。私の中の樹木希林さんは何でもこなせる人です。あった出来事よりも受け手のイメージを崩さないほうをとったのかもしれない。ま、普通に考えればファビエンヌが世間から好印象を受けたいためについた嘘だけど。
自伝にはお手伝いさん(執事さん?)のことが書いてなかったそうです。希林さんも(私の耳に伝わっている所では)自分で依頼を受けて自分で金額の交渉をして自分で受注していたそうです。希林さんが完全に一人だったわけもなく人の中にいたんだろうなとは思いました。
クライマックスはファビエンヌがシーンの取り直しを願うところで終わりました。希林さんはプロの仕事をするために言い出しそうだし、達観して言わなそうだしと思いながら見てました。ただ、誰かが「今ならいい演技ができそうだからあのシーンを取り直したい」と言い出したら希林さんは何も言わずに付き合いそうだなと思いました。


※書いてみて分かったけど、思ってた以上にオレは希林さんを聖者だと思ってるなぁ。

何で是枝監督はフランスでこの映画を撮ったのか。

この考察に深い意味はありません。なんとなく思っただけ。

候補1.フランスのどっかから金が出た。

国なのか企業なのかわからないけど、フランスを舞台にするのを条件で金が出たから。

 

候補2.フランスでフランス人と仕事がしたかった
私が「ニューヨークの高層ビルの一室でアメリカ人ビジネスマンと互角に渡り合いたい」と思っているのと同じ方向性のもの。外国に対するあこがれと外国人かぶれの延長。

 

候補3.表現したいものの状況が一番揃っているのがフランスだった。
一番まっとうな理由。言い方を間違えると候補2と同じになってしまいます。

 

候補4.希林さんを表現することを日本ではできなかった。
希林さんをフラットに伝えるには、日本の風景の中で日本人の俳優を使うとどうしても何かしらのバイアスがかかる。役者にも無意味なプレッシャーがかかってしまう。
ファンタジー化するために外国を舞台に外国人を使った。
※私は希林さんが好きすぎですね、、、、。

 

-是枝裕和さん-