映画『バイバイ、ヴァンプ!』20点/何も考えていないシナリオ/笑いの暗黒面
バイバイ、ヴァンプ!
作品情報と鑑賞前感想
公式HPの貼り付け場所
- キャスト:寺坂頼我さん 高野海琉さん マーシュ彩さん 工藤美桜さん 美月音寧さん 平松賢人さん 橋本祥平さん 瀬戸啓太さん とまんさん 私市夢太さん 澤山璃奈さん なべおさみさん 川平慈英さん SIZUKUさん
- 監督:植田尚さん
- 脚本:中村啓さん
- 公開日:2020.02.14
- ジャンル:青春
- 上演時間:107分
- レーティング: G
あらすじ&鑑賞前感想
名古屋発の7人組グループ「祭nine.」の寺坂頼我が主演を務め、噛まれると同性愛者になってしまうバンパイアによって巻き起された騒動に立ち向かう高校生たちの姿を描いた青春ホラー。中世ルーマニアから人間と共存し、生きながらえてきた美貌のバンパイアたちが、新たな王国を築く場所として、日本の茨城県にある私立野薔薇高校に目をつける。そこに通う高校2年生の小日向京平は、友人たちと毎日を楽しく過ごしていたが、ある日、親友の吾郎が怪しい人物に襲われたことで事態は急変。無類の女好きであるはずの吾郎が女装し、同性愛者となってしまい、クラス中が大騒ぎになる。巷では町にバンパイアが現れるという噂が流れており、京平たちは、そのバンパイアに噛まれると同性愛者になるのではと予測を立てるが……。
※記事をアップしたのは03/01ですが、見たのは2/18です。03/01時点でもうどこも上映していないらしい
ちょっと忙しくてホームにしている映画館のスケジュールから目を放していました。
yahooニュースで同性愛を揶揄しているというニュースが。
公開停止も求められているらしい。
WEBページを見に行ったら私のホームの映画館「ユナイテッドシネマ台場」で上映していました。
しかも14日に始まって20日で公開終了らしい。映画館の方が終了しなくちゃと判断したんでしょうね。
yahoo映画を見ると評価は1.5前後。
「同性愛を題材にしているのではなく、マイノリティの象徴として....」という擁護派もいない。
これは見に行かねば!(私は性格の悪い好事家です)
賛否の問題ではなく興行収入的に、DVDにも配信にもならない映画でしょう。だから私が狙っている「DVD販売時にアクセスもう一跳ね」は期待できない。死蔵する記事になるのはほぼ確定でしょう。
それを回避するためにも演者の誰か!今後に大成して「黒歴史」としてこの映画が有名になれ!
一応、この目線で見に行くつもりだけどね。
バイバイ、ヴァンプ!に関しまして
— 映画「バイバイ、ヴァンプ!」【公式】 (@byebyevamp) 2020年2月16日
この作品はコメディーのテイストでありながら、「愛」をテーマにしています。
愛には様々な形があります。男女の恋愛、同性愛、人種を超えた愛、家族愛。
どの愛も等しく大切です。
しかし、それぞれの愛にはそれぞれ立ちはだかる壁があり、
ここから先は バイバイ、ヴァンプ! の感想です。ネタバレしてます!!
バイバイ、ヴァンプ! - ネタバレ感想 ( 20 / 100 )
キャラクターと俳優
特筆すべきことなし。
演者の誰か!今後に大成して「黒歴史」としてこの映画が有名になれ!
しいて言えば、渡辺裕之さん。彼はちゃんと仕事してました。よくこのグダグダの映画に付き合った。
物語の感想
真面目に語るような映画じゃないですよ。
まずは最初にザーッと書いた感想を。
もともとは吸血鬼に血を吸われた人は吸血鬼になるんじゃなかったかな。
それが物語のために設定が変えられてしまうのはよくある話。最近はゾンビになることが多いですね。理由はゾンビブームだから。
吸血鬼に噛まれたので正常状態ではないという理由付けで、本能が暴発してることも多いですね。性欲が爆発するとか、秘めていた思いを全力で表現するとか。
んで、本作は同性愛者になると。
、、、、あ、いかん、真面目に語りすぎている。本作に対しては、これでも真面目に語りすぎ。
街全体がパニックになる前のコメディタッチの教室の混乱が一つも笑えない。
教室の異常性(として表現されている)に対してツッコミを行っていますが面白くも何ともない。
仲間内で呑んでいるときには大笑いしたんだよ!みたいな感じでもない。
素人が脳内で考えた笑わせポイントが延々続くんですよ。
街の異変に自分たちしか気づいていなくて何とかしなくちゃ!が主題なのかな?
花火大会でパンデミックを引き起こす計画が提示され、花火大会の準備や町の人たちが集まってくるシーンが描写されます(実際の花火大会の様子を流しているだけだと思いますが許可とっているのかなぁ。境市が協力的だったのかな?)
パンデミックを止めるべく主人公チームらしき男子生徒たちが奔走し始め、、、、、なかったなぁ。
行き当たりばったりなんですよね。いや、男子生徒たちの行動ではなくシナリオの作り方が。撮りながら考えているんじゃないの?ってレベル。ここまで何も考えていないシナリオはニート・ニート・ニート以来だ
www.frederica-movie-review.com
双子の吸血鬼と主人公と地元の吸血鬼が対峙するクライマックス。
ここからが凄い。このシナリオを描いた奴は恥ずかしくないのかってぐらい凄い。
んで、ここからtwitterでも話題の「人としての愛」だと思うんですけどね
- 吸血鬼の男の方が街を支配したい理由は孤独だからなんだと。吸血鬼は生まれた時からずっと一人なんだって。確か、あんたはハーフヴァンパイアを殺すために本部から派遣されてきたんじゃなかったんだっけか?
- 双子の吸血鬼は兄妹ではなく幼馴染らしい。双子設定に意味があったのかはよく分からないが、それをばらされたところでなぁ。
- んで女の方は男が好きなんだと。吸血鬼が同性愛者設定はどこに行った。
- なんかキリストさんのことを語り始めた。日本に来たことがあるんだと。
- 男は自分が一人じゃなかったことを知り計画を止めました。
激しいシーンかどんでん返しを30秒ごとに作って驚きの洪水を作ろうとしたんだっと思うよ。驚きの洪水のためには整合性なんてちっぽけなことなんですよ。
こんな残念な頭の人のために議論する時間を作る方が無駄ですよ。こんな文章を書いている私が一番無駄ですよ。
いちおーキリストが日本に来た説はwikipediaに載る程度には有名です
笑いの暗黒面。
上記を踏まえて。
申し訳ないけど、同性愛者については論じるほど詳しくありません。
「多数派と少数派」、「否定されたくない個人の軸」の話になります。
公式ページに書かれた一文が全てです。
「この映画には一部、同性愛の方々に対し不快な思いを抱かせる表現が含まれているかもしれませんが、同性愛を差別する作品ではありません。」
だからこそ怖いんです。「自分たちの価値観以外を笑うことによって優位を保とうとしている」ことさえも分かってない。
物事にはいくつもの側面があります。良い面もあれば悪い面もあるし、良いと思ってたところも状況が変わったりやりすぎてしまうと悪い面になる。「笑い」はそのほとんどがよいことですが、本作は「笑い」の暗黒面が非常によく出ています。
笑いは共感を得ることができ、グループを構成することができます。一緒に笑い合えば仲間です。
自分にはない価値観に触れた時、人は不安になります。その価値観を持っていない自分は少数派であり相手よりも格下なのではないかと。少数派であることが格下であると思う人間はいます。一定の輪から外れてしまうことを恐れる人間は多いです。彼らは揶揄を始め相手を笑い始めます。笑えば誰かも笑って自分がグループの中の一人だと認識できます。
自分の立ち位置を確立するために相手を笑います。これが笑いの暗黒面。
監督さんは自分の価値観以外を笑うことによって優位を保とうとしていることさえも分かってない。
クラスの中心で威張っている連中が自分らの価値観をぶんまわして、ふんぞり返ってる。そんな感じ。
なんか聖人君子みたいなことだけ書くのも嫌なので。
私もやったことありますよ、異論を大きく笑うことで封じ込めたことは。
やられたこともありますよ、相手と違う意見を言ったら小ばかにされたように笑われて続きを話せなくなったことも。
ちいさなコントライブに行ったときはこんなネタをする人は少なからずいる。いくつものネタの中の一つだから、本作のように2時間近く浴びせられるわけじゃないけど。
拗らせちゃっている舞台を見に行ったこともある。
本作は映画界としてはめちゃくちゃ小さい中で公開のはずでした。だから世間に注目されることなく許されるナンセンスな笑いだと思ったのかも。
2年前に「カメラを止めるな!」は2館のミニシアター上映から空前の大ヒットになった。映画って媒体は独り歩きしやすくさせやすい。コントや舞台の作品の功罪は個人に見えるけど、映画って団体の功罪に見えるんだよね。誰か止めなかったのかと。
バイバイヴァンプはそれを小ネタぐらいにしか考えていませんでしたが安易に触れたそれは劇薬でした。扱いきれる技術を持っていませんでした。あんなつまらないモノを作る制作者たちが扱っていい代物じゃねえよ。
自分たちが扱うものは丁寧に選択するべきという教訓がつよい作品でした。
バイバイ、ヴァンプ! のベストシーン
映画のキモ
大問題となった象徴のシーン。子ヴァンプになった生徒たちが所かまわず抱き合い始める。
同性愛者は理性を持ち合わせてないとでも思っているのか!?と大激怒を受けました。
一応「子ヴァンプになっているから理性も飛んでいる」ってことになっているんだけどね
冗談
ボスのヴァンプと十字架で戦っています。が、十字架を持っている主人公君もヴァンプ設定です。
「デタラメさ」ではなく「何も考えてない」の象徴
きれい・かわいい・色っぽい
画としてきれいでした。
タグと評判
タイトル:-バイバイ、ヴァンプ!-
監督:-植田尚さん-
脚本:-中村啓さん-
俳優:-寺坂頼我さん- -高野海琉さん- -マーシュ彩さん- -工藤美桜さん- -美月音寧さん- -平松賢人さん- -橋本祥平さん- -瀬戸啓太さん- -とまんさん- -私市夢太さん- -澤山璃奈さん- -なべおさみさん- -川平慈英さん- -SIZUKUさん-
バイバイ、ヴァンプ! の評判
1.89/5.0 (yahoo映画 2020/03/01)
その他
最近の世の中
2020.01
2020.02
私のこと
見に行ったのは2/18です。
その後、扁桃腺が腫れて3日ほど”よだれを垂れ流すだけのデク”をやってました。つばが飲み込めなかったの、痛くて。(溶連菌感染症というらしい)
直ったタイミングでライブを見に行ったので書くのがこのタイミングになりました。