Fateの最終章を見てきました。しまった、前作を見直してからいくんだった....。登場人物の関係性の濃度と物語に対する貢献度がフワフワした状態になってました。
Fate/stay night Heavens Feel3
作品情報と鑑賞前感想
- キャスト:杉山紀彰さん 下屋則子さん 川澄綾子さん 植田佳奈さん 門脇舞以さん 伊藤美紀さん 中田譲治さん 津嘉山正種さん 浅川悠さん 稲田徹さん
- 監督:須藤友徳さん
- 脚本:桧山彬さん
- 公開日:2020.08.15
- ジャンル:アニメ
- 上演時間:122分
- レーティング: G
あらすじ&鑑賞前感想
正式タイトル:劇場版「Fate/stay night[Heaven’s Feel]」III. spring song
少年は、真実からもう目を逸らさない。少女を救うために。自分の選んだ正義を貫くために。魔術師〈マスター〉と英霊〈サーヴァント〉が万能の願望機「聖杯」をめぐり戦う――「聖杯戦争」。その戦いは歪んでいた。ひとりの少女――間桐 桜は犯した罪と共に、昏い闇に溺れてしまった。桜を守ると誓った少年・衛宮士郎は遠坂 凛と共闘し、「聖杯戦争」を終わらせるため、過酷な戦いに身を投じる。イリヤスフィール・フォン・アインツベルンは闘争の真実を知る者として、その運命と向き合い、間桐臓硯は桜を利用して己が悲願を叶えようとする。
その後、連綿と続くFateシリーズの最初の最終章の最後ですね。原作的にはやりたいことを全部放り込んだパートでしょう。
桜を取り戻せるのか、セイバーを戻せるのか。
原作はPS VITAでセイバールート・凜ルートはクリアしています。桜ルートは2部のところまで。3部の部分は初見です。
もともとは、最も懐の深いと言われるジャンル「PC用エロゲ」*1だったFate。
wikiによるとこんな感じだったようです。
推奨環境のCPUが ペンIIIですって。メディアはCD3枚だったんですって。
今はスマフォゲームになって、売り上げは100億じゃきかない?すげーな、おい。
ここから先は Fate/stay night Heavens Feel3 の感想です。ネタバレしてます!!
Fate/stay night Heavens Feel3 - ネタバレ感想 ( 70 / 100 )
アニメ(1部)+アニメ(2部)+映画(1部)+映画(2部)を見ただけじゃ理解が追い付かないところも多い。
wikipedia、ピクシブ百科事典、ニコニコ大百科を見てて補足してたから理解できました。
キャラクターと俳優
衛宮士郎 - 杉山紀彰さん
桜と違って一つも迷わなかった主人公。
最初に提示され慎二にバカにされた「他人の幸せが自分の幸せ」を最後まで貫きました。
バーサーカーと戦うときにイリアに言った「倒していいな?イリア」と言ってましたが、「別に倒してしまっても、構わんのだろう?」とリンクは、、、しねえかな。
ところで、ライダーの名前を思い出せない描写がなんだったんでしょう?桜や家の鍵のことは覚えていたようなので、英霊のことだけ思い出せない?
赤い包帯をすぐに巻き直せるのは「創作物の嘘」と思ってたんですが手首のところで縛っていたらしい
間桐桜 - 下屋則子さん
全ての感情が暴走しまくっててどうにもならない状態の桜。
世界を壊したいのか愛したいのか。
周囲を固める方々
言峰綺礼 - 中田譲治さん
ラスボス。士郎の真逆の相手として作られた人。
そのバックボーンはFate/Zeroで補填されているというよりは、Fate/Zeroをみないとわからないよなぁ、たぶん。
綺礼に子供がいる。士郎が切嗣の実の子ではない。
この二つを足すと綺礼と士郎が親子だと匂わすように見えるんだけど、劇中では一切触れてないですね。それに士郎とイリアが姉弟だそうなので、違うんでしょうけど。
遠坂凛 - 植田佳奈さん
桜にとってのラスボス。そして勝てなかった相手。
9の1ペアを喜んで出す桜に、フルハウスの手札を引っ込める優しさ。
なんとなくスクールランブルの天満と八雲の姉妹を思い出しました。
そーいえば、二人が姉妹なのはどっかで表現されてましたっけ?私はwikiで知りました。
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン - 門脇舞以さん
もともとイリヤルートも考えられていたそうです。けど没になり、その名残が桜ルートに残っているとか。だから話を締めたのがイリスなのかな。
聖杯戦争の根幹にかかわっていることもあって、大活躍。
イリヤが士郎のお姉さんなのは、思い込みや実は100年以上生きているとかではなく、本当に姉らしい。
その辺もFate/Zeroで語られているそうです。
ライダー - 浅川悠さん
いい自転車に乗りたくて最終秘宝具「大人の女性(ヒト)」を発動するライダー(笑)
こういった動画を見ていたのでライダーが桜を大切にしているのはわかる。大切になった理由が出てきてないのでイマイチふわふわしてました。原作なら出てきているんですかねー。
間桐臓硯 - 津嘉山正種さん 真アサシン - 稲田徹さん
始まりにしてひん曲がった黒幕と、それにふさわしい英霊。
二人とも程よい粘り腰でした。
始まりの人間が最終決戦にいないのは興ざめだけど、邪魔されても冗長だよね。勝手に自滅していったのが素敵でした。
セイバーオルタ - 川澄綾子さん
ここの順番は物語への関わり度合いですが、セイバーがここなのが納得いかない。
ちゃんと作品を見てきたつもりだけど、やはりセイバーはFateを象徴するキャラです。
桜の壁役になったまま、士郎陣営に戻ることなく退場するとは思わなかった。
確かにセイバーって、凜ルートでは単なる戦力になってて物語に深くかかわらなかった(”食いしん坊のいとこの子”みたいな印象がある)。桜ルートでも見せ場はあるものの話の根幹にはつながっている印象はない。だからってこの扱いですか?
消える前に一瞬でも戻ったセイバーが見れたらうれしかったけど、それをやっちゃうと安いお涙頂戴モノになっちゃうんですかねー。
アンリマユ
拝火教(ゾロアスター教)のラスボスのアンリマユ。キリストさんところで言えばサタンの立ち位置。
ファイナルファンタジーで言えば、空飛ぶ目ん玉ですね。
藤村大河 - 伊藤美紀さん
全部終わった後に玄関前にいたのは覚えてる。
物語の感想
面白かった。けど私が見たかったものとは少しずれた。
先に褒めます。
士郎vs綺礼 ラストバトルはげんこつ。
本作はFate/stay nightという3部作の物語の最後です。
桜ルートのHFだけでなくセイバールートや凜ルートで延々と描かれてきた士郎のポリシーを背負ったバトル。凛ルートでもラストバトルで綺礼と対峙してますが質の方向性が全然違いますね。
世界のためではなくポリシーのための戦いは見事でした。
本作は英霊を中心とした 超常現象みたいなバトルが続きました。セイバーオルタとのバトルの迫力はすごかった。絵と構図の能力と時間が目一杯使われたすごいシーンでした。あそこまで派手なら何やってるか分からなくなりそうなのに、ちゃんとバトルの展開が分かったもんなあ。
一発殴ると壁まで飛んでいくバトルの次は常識人レベルの殴り合いです。
これができるのは最初の作品の特権です。
- ドラゴンボールで、最初の天下一武道会の決勝はかめはめ波の打ち合いの果てに悟空vsジャッキーチュンの最後は殴り合い
- ガンダムはMSの決戦の後で、アムロとシャアの生身の対決
- 封神演義(漫画版)は権謀術数を使った末に、太公望と聞仲の殴り合い
- ボクシングマンガは世界戦で交互の殴り合いで勝敗を決する試合が必ずある。熱くなれます。
固唾をのんでみてしまいました。
書いてて思ったんですが、綺礼とパリストンって似てますね
桜やセイバーオルタと真っすぐ対決
敵の強固な意志が、思い出の一つを語られたら全て吹き飛んで改心や無防備になることは多いです。
過去の一つの裏事情が分かったところで、世界破滅一歩寸前までいっちゃった信念が壊れることはないだろうと思うことも多々あります。
本作はそれがない。むしろ凜の方でそれが発生してました。
けど私が見たかったものとは少しずれた。
私が見たかっただけで、質が悪いとは言ってませんよ(震え声)
セイバーの扱い
上にも書きましたが、セイバーの扱いについてです。私がFateを知らないころから、このヨロイの金髪ねーちゃんのことは知っていました。ビジュアルのインパクトとしては凜や桜よりも圧倒的に上でした。
その状態からFateの世界に入ったのでセイバーの存在は特別であり全ての物語の中心にいるんだろうなと思ってました。
それが”最強の壁”の役割を終えたらさっくり退場。士郎の隣に戻って共闘を見たかった。そうじゃなくてもオルタになる前のセイバーを見たかったね。
ま、最初のセイバールートの最初に出てきたのは凜であり、3部作にわたって凜がずっとキーマンだったんだから、Fateの正ヒロインは凜なのかもしれないけど。
壁:セイバーオルタ
大聖杯の前の空洞で一人待ち構えていたセイバーオルタ。最強の敵のはずです。
今まで頼もしかった敵です。「味方としては頼もしいが、敵としてはこれだけ厄介なものはいない」の具現化した姿です。
それはセイバールートから桜ルートまで使って構築した壁です。一つまでじゃ山を吹き飛ばすバーサーカーを圧倒的な力で完勝してたし。
大聖杯の前の空洞で一人待ち構えていたセイバーオルタ。最強の敵のはずです。でも絶望感を感じなかった。
ちょっと残念でした。
敵が立っているだけで絶望感を感じるシーンのある「High&Low」
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ラスボス:アンリマユ
ゾロアスター教の悪役のアーリマン。
上記通りに物語が変われば、大量に出てくる敵の一体になります。
各宗教の神様への対抗馬としての悪の軍団とその軍団長は存在します。
だから、新たな物語のラスボスとしてはインパクトが弱くなる。
ずっとゾロアスター教の世界観でやってきて最後にアーリマンが出てくるのはいい、キリスト教の世界観で展開した物語でラスボスとしてサタンが出てくるのはいい。
でも古今東西の物語の英霊が出てくるなら、ラスボスはオリジナルがいいな。
ゾロアスター教は善悪の二元論の宗教で、アーリマンは過程も何もなく悪意を集めた純粋培養された悪魔だから巨悪にふさわしいのも確かだけどさ。(サタンは堕天使(=神様の下僕を経由している)って説もあるし)
事態を収拾したのはイリア
HFの正ヒロインの桜がラスボス前に退場して綺礼と殴り合いを始めたときは「Fate/stay night3部作の最終クライマックスだ!」と熱くなりました。
それが終わり、アンリマユを潰すのに現れたのはイリアでした。そこは復活した桜と士郎で封じてほしかった。
いや、わかるんですよ?桜が動けないのも、器であるイリアが封じるしかないのも、イリアには封じるという役目があるのも。理屈としてはイリアの行うことかもしれないけど、士郎たちで対応する姿を見たかった。
物語を彩ってきた登場人物たちを順番に退場させました。英霊たち、慎二、臓硯などなど。必要な人物だけを残していく流れは見事でした。さらに退場前に各人物に綺麗に見せ場を作っている。上からになってしまいますが、シナリオを心底信用していました。だからこそ、突然のイリアに違和感を感じてしまいました。
Fate/stay night Heavens Feel3 のベストシーン
映画のキモ
士郎と綺礼の殴り合い
Fate/stay night全体に及ぶ士郎の拳は熱かったです。
臓硯をつぶした後に、セイバーオルタに言った桜の言葉
「姉さんは通して」
桜が凜を一人だけ呼び出すほど嫉妬しているようには感じなかったんだよなぁ。間桐家の連中よりも早く退場しても違和感はなかった。大聖杯まで凜を残すほど、正ヒロインってことなんですかね。
冗談
アイツベルン城に窓から侵入してくる士郎
投げつけられた....
他には
綺礼の長尺のセリフ
一本調子の口調が少しツボに入りかけました。
さらに動画の1シーン
動画の中では3/28公開
動画のタイトルでは4/25公開
実際は8/15公開
コロナめ....
きれい・かわいい・色っぽい
大聖杯の前の桜のケツ
物語への集中をそごうとしてるんじゃないかってぐらい生々しい。
タグと評判
タイトル:-Fate/stay night Heavens Feel3-
監督:-須藤友徳さん-
脚本:-桧山彬さん-
俳優:-杉山紀彰さん- -下屋則子さん- -川澄綾子さん- -植田佳奈さん- -門脇舞以さん- -伊藤美紀さん- -中田譲治さん- -津嘉山正種さん- -浅川悠さん- -稲田徹さん-
Fate/stay night Heavens Feel3 の評判
4.47/5.0 (yahoo映画 2020/08/19)
Fate系のレビュー
私にとっての始まり。映画を見るルーチンで見に行ったら意味が分からず、そのまま書いたら叩かれた
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色々見て、Fate村民になってから見た2章
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PS VITAのセイバールートをクリア。
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PS VITAの凛ルートをクリア。
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アニメのセイバールート
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アニメの凛ルート
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その他
最近の世の中
2020.07
2020.08
私のこと
FGOが映画化されるそうです。プレイせずにレビューしたらまた叩かれそうだなあ、、、プレイしてみる?
*1:最も懐の深いと言われるジャンル「PC用エロゲ」:適度にエロ画像があればすべてが許される世界。適当に作っても、斬新すぎて受け入れられないバトルシステムを構築しても、犯罪・グロ・トラウマ植え付けなどのサイコ的な物語でも、一般受けしそうにないけど描きたい物語を描いても、ユーザーがついてきてくれる。そして「熱中したけど人としてダメ」とかのつまらないことは言わずに「面白いものは面白い」と言ってくれるジャンル。
PC用エロゲなら今年物議をかもした映画「バイバイ、ヴァンプ!」さえも認めてくれる。ただし面白ければですが