こんにちは。フレデリカです。
人魚の眠る家 - 作品情報
作品情報
- キャスト:篠原涼子さん 西島秀俊さん 稲垣来泉さん 斎藤汰鷹さん 坂口健太郎さん 川栄李奈さん 田中哲司さん
- 監督:堤幸彦さん
- 脚本:篠崎絵里子さん
- 公開日:2018.11.16
- ジャンル:人生、日常
- 上演時間:120分
- レーティング:なし
公式HP
あらすじ&鑑賞前感想
二人の子を持つ播磨薫子(篠原涼子)とIT機器メーカーを経営する夫・和昌(西島秀俊)。娘の小学校受験が終わったら、離婚すると約束した夫婦のもとに、突然の悲報が届く。娘の瑞穂がプールで溺れ、意識不明になったというのだ。回復の見込みがないわが子を生かし続けるか、死を受け入れるか。究極の選択を迫られた夫婦はある決断を下すが、そのことが次第に運命の歯車を狂わせていく。それは果たして愛なのか、それともただの欲望なのか。過酷な運命を背負うことになった彼らの先には、衝撃の結末が待ち受けていた――。
監督は堤幸彦さん。
うちのサイトとしては「エイトレンジャー2」と「イニシエーション・ラブ」です。
イニシエーション・ラブが一年ぐらいアクセスの上の方にいてくれたなぁ。「渇き。」に次ぐ看板記事ができたと喜んだもんです。
さて、、、監督さんのベクトルが分かんない。20世紀少年やTRICKも監督しているみたいだから、打席が回ってきたらとりあえず振る人なのかな?
告知PV
ここから先は 人魚の眠る家 の感想です。ネタバレしてます!!
人魚の眠る家 - キャラクターと俳優
播磨薫子 - 篠原涼子さん
母の愛の強さと暴走。瑞穂を笑わせたときは本当に怖かった。ぬいぐるみを受け取るところまではギリ飲み込めたけど、口角あげさせたのは完全に自己満足。
もう”どのベクトルが正しいか”って概念では割り切れないよね。
私の年代だとダウンタウンのごっつええ感じで、セクハラ受けまくってた小娘ってイメージがあるんですが、すっかり大女優さんですね。鬼気迫る姿は本当に怖かった。
播磨和昌 - 西島秀俊さん
最初にちょっとだけ違和感が。
意識のない瑞穂を見て「大きくなったなぁ」と言います。でも回想に出てくる瑞穂はそのままの瑞穂でした。、、、、あれ?
星野祐也 - 坂口健太郎さん
色々なルートを考えちゃいました。薫子との熱愛ルート、瑞穂をサンプルとしてみてしまって事故ルート、ロボット部からの嫌がらせルート。
劇中での役割はあくまで”状況を作るための技術屋”でした。彼に異を唱える人もいたけど、熱い反論はしないで流している。彼の一番大きな役割は播磨家と真緒のジョイントだなぁ。
ところで星野さん、真緒ともんじゃ焼きを食べた後に播磨家に行くじゃない?もんじゃ焼き屋のテーブルにビールがあったけど、、、、、。瑞穂に会う前に飲んでないよね?大丈夫だよね?
川嶋真緒 - 川栄李奈さん
見ている側の代表として、違和感を感じる人。それを物語の中に伝播させる人。
この配置が当代きっての小説家ですね。
そして川栄さん。物語上のその役割が分かっていないとできなような演技をしてました。見ている側と物語内のジョイント役。
AKB48出身の彼女ですが、前田敦子さんや大島優子さんよりもきちんとキャリアを積んでいて、それに見合った実力を持っていると思います。べた褒め。
進藤 - 田中哲司さん
法・客観的・繰り返された事案から社会が学んだ方法を提示してました。こういう時に家族には寄り添えないことが分かっているので、感情を入れずに抑揚のないように事務説明の仕方。見事でした。
薫子が落ち着くなら殴られてもいいような覚悟が見えました。
人魚の眠る家 - ネタバレ感想-
東野圭吾さん、さすがです。すべての場面に複数の意味合いが入ってました。そしてメインテーマから逃げない。
瑞穂を連れまわしている描写に、あんな意味があったとは!
脳死・心臓死、「生」はだれが決めるのか
生きているという薫子は、死んでいないだけと感じている和昌。だからこそ薫子は生きている証拠を探して作り出してました。
瑞穂の口角を上げて生きていると証拠付けようとする薫子は、命を遊んでいるように見えたよね。瑞穂のあずかり知らぬ以外のところで、感情を作るのは、、、、。
追い詰められた薫子は国に瑞穂の生をゆだねようとしてしまいましたが、最後は家族で生きていると決めました。
ちょっと思い出しました。
この理論だと私は心臓死後2日で忘れ去られる気がする。最上の死に方でも、「入居できた老人ホームでスタッフの方々に看取られる」だからなぁ
コロッケ・焼き鳥
笑わせることまで出来た薫子が瑞穂にどうしてもさせてやれなかったこと、食事。
居酒屋で真緒が手づかみで食べるコロッケ、和昌が親父さんと囲炉裏で食べる焼き鳥。光りましたね。おいしそうでした。まさに「生きていること」の描写でした。
東野圭吾さんをなめてたけど撤回!
私が見てきた東野圭吾さん原作映画って”なんだかな”って感じだったんですよ。
あれ?並べてみると、結構高い評価してますね。疾風ロンドなんかは「しょうもねえな」と思いながら見てたような覚えがあるんだけど。
ガリレオシリーズがピタッとはまったけど、、、あれだけ一発当たるだけで大した作家だけどね。とよくわからないフォローを考えてました。
でもね、あんな王道なラスト(薫子の夢)で感動させられちゃったら見直さざるを得ないよ!
やっぱ東野圭吾さんの物語を構築する技術はすげーよ。真緒の配置は見事だし、真緒に恐怖を覚えさせる違和感を先に説明する(エコー現象)とか見事すぎっすよ。エコー現象の説明が後になると、見ている側に大きな恐怖を与えられるしミスリードで客の興味を引っ張れるけど、伝えたい”違和感”が薄れてしまっていたところだよ。
人魚の眠る家のクライマックスの瑞穂に包丁を向ける薫子
瑞穂が生きているのか死んでいるのか決めるという薫子。死んでいると主張していた
和昌はそれでも刺そうとする薫子を止めました。
メインテーマが胸に突き刺さりまくっていました。ミステリー的なアクセント(プール事故の真相)がノイズに見えるほど。
人魚の眠る家のベストシーン
映画のキモ
薫子が包丁を取り出した一件の後、星野が真緒に会いに行きます。働いている動物病院の前で再開した真緒の一言。
「おかえりなさい」
真緒は見ている側の代表です。瑞穂のことで視野狭窄になっていた関係者が、通常レベルに戻ったのを感じました。
あ、鋭利な緊張感が緩和されたと言っているだけですよ。
物語として「脳死は死」という結論ではないです。だからこそ家族でアスレチックに行く描写があるわけで。
冗談
、、、、なかったかな。
きれい・かわいい・色っぽい
冒頭のみずほたちの水着、、、、、いや、ないな。
人魚の眠る家の評判
ド黒。
そりゃお前の最期は「私は心臓死後2日で忘れ去られる気がする」だよ と言われるようなことを書きます。
閲覧注意。
近しい中に病気療養中の方がいらっしゃったら見ない方がいいかも。
あくまで100%創作だから言えること。思っちまったんだから仕方がない。
行きますよ?離脱するなら今のうちですよ。
薫子の意志がどこで自己満足に変わったか?
最初は間違いなく瑞穂を救いたいでした。ですが途中で自己満足に切り替わったような気がする。
- 自宅療養
- 横隔膜を動かして呼吸をしてもらう
- 脊髄に電気を送り四肢に筋肉軌道を促す
- 機械で一人で瑞穂の脚を上げてエコー現象を確認する
- 真緒に見せる
- ぬいぐるみを手渡しさせる
- 瑞穂を笑顔にする
- いくちゃんの入学式に参加させる
- 外を連れ歩く
- いくちゃんが家庭外の意見に触れて家庭に持ち込む
- いくちゃん誕生日
- 瑞穂に包丁を向ける
- 皆で公園散歩
- 夢でサヨナラをする。
- 葬儀
自己満足は「4.機械で一人で瑞穂の脚を~」から始まり、「8.いくちゃんの入学式~」あたりがピーク。「12.瑞穂に包丁を向ける」で爆発。その後、落ち着いたものの「14.夢でサヨナラをする」でもう一度自己満足。
「14.夢でサヨナラをする」を自己満足に加えるところが鬼畜だよねえ。自分でそう思うよ。でもね、瑞穂の治療を拒否ったんですよ。自宅療養の状態に戻る可能性もあったのに。
倫理や道徳に沿わないことをかっこよく「人の業」という言い方をすることがありますが、これは「人の業」とは呼ばないでしょう。
ま、思っちゃったんだから仕方がない。
10年以上前の大みそかにこの話をされている鶴瓶さんをTVで見ました。
news.livedoor.comすごく感動したんですが、それは鶴瓶さんの話術があってこそ。私の文章力では真逆の印象を与えそうで怖くて書けない。
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監督:-堤幸彦さん-
脚本:-篠崎絵里子さん-
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私のこと
ネット環境の支払いを忘れて3日間止まってました。あまり不便はしなかったなぁ。