「のぼる小寺さん」を見てきました。俺はこういう映画のためにカテゴリ「青春」を作ったと思い出しました。
のぼる小寺さん
作品情報と鑑賞前感想
- キャスト:工藤遥さん 伊藤健太郎さん 鈴木仁さん 吉川愛さん 小野花梨さん
- 監督:古厩智之さん
- 脚本:吉田玲子さん
- 公開日:2020.07.03
- ジャンル:青春
- 上演時間:101分
- レーティング: G
あらすじ&鑑賞前感想
クライミング部に所属している小寺さんは、大好きなボルダリングに一直線。何事にも一生懸命だけど、球技は苦手で、鉛筆はナイフで削ってる・・・・・!クライミング部の隣で練習する卓球部の近藤。何度でも立ち上がり、目の前の壁に挑み続ける小寺さんからなぜか目が離せない近藤は、いつしか彼女に惹かれていく。しかし小寺さんを見つめているのは近藤だけではなかった。クライミング部の四条、ネイルが趣味で不登校気味の梨乃、密かに小寺さんを写真に収めるありか。やがて、彼らはそれぞれの一歩を踏み出そうとする───
アフタヌーンの漫画原作。監督は古厩智之さん。主戦場はTVの監督さんですね。
Twitterで高評価がたくさん上がっている本作。私の中でちょっとハードルが上がってます。
ここから先は のぼる小寺さん の感想です。ネタバレしてます!!
のぼる小寺さん - ネタバレ感想 ( 85 / 100 )
すげえのは、小寺さんに引っ張られるけど引っ張られすぎるのではなく、みんなが各々の世界で頑張ろうとするところ。
小寺さんに関わる濃淡が4人にはあるので、しつこくなくすっきりとした鑑賞でした。
キャラクターと俳優
ずっと「おでら」と読んでたんですが「こてら」だったんだね。
小寺 - 工藤遥さん
薄笑いの「何でマジになってんの?」という問いかけが、何を聞かれているか理解できないほどクライミングに熱中している人。
本編の中で彼女は何かが変わることもなく強い感情を表現することもなく。最後にちょっとだけ近藤に寄り添ったけどね。
クライミング大会は小寺さんのまっすぐさとクライミングで上に上がっていくことがリンクしちゃって感動しちゃったよ。
くっそー、、、ベタなのに、、、くやしいぐらい感動しちゃったよ。
近藤 - 伊藤健太郎さん
まいった。見てた時のモヤモヤを直撃された。
見てて思ってたんだよね。「何にもない奴はどうすりゃいいのかな」と。
四条 - 鈴木仁さん
道具を粗雑に扱ったヤンキーをちゃんと文句を言った姿はかっこよかった。が、本人に言っても、みじめに思うんだろうな。
気が付いたら彼女ができてた人。
倉田梨乃 - 吉川愛さん
きれいドコのヤンキー。
薄笑いの「何でマジになってんの?」を言ったり、一緒になって笑っている側のつもりであり、
楽なのでヤンキーに流れたけど、
バカにされても、意地で反応しないのではなく本気で気にしていない小寺さんの姿に自分の好きなネイルの道に進むことにしました。
倉田さんに「他人の誉め言葉ではなく自分がうれしい」と話す小寺さん
田崎ありか - 小野花梨さん
カメラマン。撮った写真に「独りよがり」と評されても厳しいよね。ま、これからこれから。
物語の感想
もう一度言う。
俺はこういう映画のためにカテゴリ「青春」を作った。
このブログのカテゴリは映画に関して6つありますが、カテゴリ「青春」に割り振ることが多いです。ほかのカテゴリに当てはまらないときに放り込んでおくのが「青春」です。
違うんですよ、そんなフキダメは「テレビ会社制作」だけで十分なんですよ(暴言)。
たいていは主題の1mm隣に恋愛がいるんですけど、本作は主題と恋愛が5mぐらいは離れている。
もう私が失ったか最初からなかった青春特有のガムシャラさこそが青春ですよ。
絶対的な物差しを持っている人は強い。ってか、そんな価値観にさえ気づいてない。
小寺さんに思うのは、かわいいとかきれいとかではなくかっこいい。
教室の中では、変な奴扱いされてますね。日本人という人種の特徴がそうであり特に中高生の命題である”周囲からはみ出さない”が、小寺さんにはその概念がない。
小寺さんは教室で孤立していることに気づいてさえいないかもしれませんね。
小寺さんに影響を受けた人たちが、それぞれの世界に熱くなっていく姿が心地よかったです。
んでこのトシになって思う。やるんだったらちゃんとやった方がいいと。
薄笑いの「何でマジになってんの?」とか「一生懸命だねえ」が怖い。中高生の時は何よりも恐れていたような気がする。今でも怖いし。
半端にやって成果が出ないんだったら時間の無駄、もしくは時間を効率的に使ってないよね。
工藤遥さんはキレイ方向に本気を出すとメチャメチャきれいです。
普通の人たちは隣人を見てメモリを調整する相対的な物差ししか持ち合わせていません。中高生じゃ、その物差しもしも短いしね。
小寺さんは自分の中に絶対的な物差しを持っていてぶれることがありません。
その小寺さんの物差しを一番見聞きしています。
小寺さんは「私はこう思う」と語っているだけで、押し付けてこない。センコーの言うことなんか聞く気がない倉田さんには一番刺さる言葉たちでした。
「何にもない奴はどうすりゃいいのかな」を直撃された
小寺さんに影響を受けた人たちが自分の世界に真剣に取り込み熱くなっていきます。カメラだったりネイルだったりクライミングだったり。それは好意的に感じられました。
彼等を見ていて、ヨカッタネと思ったんですよ。
俺も周囲の目やテンションを無視して、自分のやりたいことをやっておきゃよかった。だけど同時に思い出しました。俺だったら何だったんだろうと。アニメやアイドルは金をかけるほど熱くなれない。勉強も将来に対する漠然とした不安からやっているだけ。アウトドアは現地に行くのがめんどい。部活のテニスは誘われたから始めただけ。
熱中したいものに斜に構えているのではなく、俺みたいにそもそも熱中したいものがない奴やどうすりゃいいのかなーと考えてました。
ちゃんと答えを提示してきました。ならば目の前にあるモノに熱中したらいいよと。
近藤君が卓球部に入ったのは、”親がうるさいから”ぐらいの後ろ向きなものです。部活に集中する気はなく、「小寺さんが好きなら卓球部やめてクライミング部に移ったら?」とからかわれても移動する気がないほどどうでもいいものでした。
その近藤君は小寺さんの熱を受けて、卓球を見直します。そしたら半端な気持ちの友人たちに距離を取られてしまいます。でもその先で仲間が見つかります。文化祭の看板作りの途中で手を離した友達の代わりに手を貸してくれたのは四条くんでした。(近藤君の変化に友人が離れていく暗喩に看板作りを途中で投げ出されるのは、ちょっと違う気がしたけどね。看板作りくらい最後までやってけやというか)
俺で言えば、なんとなく始めた部活のテニスか、漠然とした不安だから身の入らない勉強だったんでしょうね。そーいえば、部活に急に真面目になった友達から距離を取られた気がする。俺は上記の半端な気持ちの友人でしかなかったね。
一生懸命やってみないと始まんないですよ
近藤君は「卓球が好きか」と問われれば、曇りなく”好き”という言い方はできないでしょう。”嫌い”ではないでしょうけど。
でも何かに熱中してやり切った時間と経験と仲間は、一生モノの宝だよねぇ。
あー、青春っていいなぁ。
いつまでも見ていられるなと思った。
日常系っぽく作ってある映画や着地点が見えずらい映画は、「この後どうするんだろ?」とか「どうやって締めるんだろ?」とか考えちゃうんですけど、本作は「このままずっと見ていられるかも」と思いながら見てました。小寺さんの練習風景とか四人の成長や変化のスピードがすごく心地よかったんですよね。
青春の年齢からダブルスコア以上のトシになってしまった俺。通った道・通りたかった道・通れなかった道が重なってて親近感を持って見つめていました。
のぼる小寺さん のベストシーン
映画のキモ
握手を求めてきた友達の手を拒否った近藤
ダラダラした時間との決別。なんだけど、そこまですることはないとは思ったけどね。
冗談
文化祭での河童と豚の緊急ミーティング
四条の成長というテーマと内容の深刻さ(仲間だと思ってたのに彼女作ってやがった)に対して、格好がおかしい。特に河童のクチバシが緊迫感をそいでいるのが面白かった。
きれい・かわいい・色っぽい
中途半端に隠れているときの工藤遥さんの脚
ロングTシャツで短パンが見えない時とか、制服のまま登り始めちゃったときとか。
タグと評判
タイトル:-のぼる小寺さん-
監督:-古厩智之さん-
脚本:-吉田玲子さん-
俳優:-工藤遥さん- -伊藤健太郎さん- -鈴木仁さん- -吉川愛さん- -小野花梨さん-
のぼる小寺さん の評判
3.86/5.0 (yahoo映画 2020/07/22)
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始めてのMGでしたが、精度が高いから同じことの繰り返しが多い。だから飽きた。