こんにちは。フレデリカです。
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去年の冬、きみと別れ - 感想まとめ
作品情報
去年の冬、きみと別れ の3つのポイント
- サイコパス度が足りてないってのが素敵です。振り切った事象よりも、ちょいズレの事象の方が面白いことがあります。
- 朱里お姉ちゃんも狂ってるんだろうなと思ってましたが、その上をいかれました
- 前半のご都合主義は後で回収されます。
全体感想- 評価:90/100
心地よくだましてもらいました。
こんなこと思ってたわけですよ。
- 朱里お姉ちゃんと、たまたま持ち込んだ先の編集者が付き合っているって無理あり。
- 雄大をサイコパス的に見せたいんだろうけど、雄大の殺人に連続性がない。百合子を殺すには理由や衝動がなさすぎる。
- 百合子が雄大のあった後に、監禁されて、燃やされるまでがあっさりしすぎててつまらない
- 恭介は上京して、すぐに生贄にする女を捕まえたのか、イケメンだな、おい!!!
- 百合子が死んじゃったのはかわいそうじゃない?いくら自〇志願者だったとしてもさ
場面場面の説得性のなさを後で全部繋げられちゃったら白旗上げるしかないわな(笑)
ここまでやってくれたなら朱里お姉ちゃんを焼き殺すときに、背筋をピンと伸ばして座ったままが、おかしいなんてどうでもいいですよ(回収してくれるのをちょっと期待してたけど)
ま、百合子の報酬に用意した大金と偽造パスポートをどこから手に入れたかは置いておきましょう。
「観た人すべてがだまされる」自ら作ったハードル
かなり構えてみてました。朱里お姉ちゃんの名前が出てきたときに、黒幕候補にすぐさま入れました。というか恭介も黒幕候補にうっすら入っていて、他の雑誌で掲載履歴がないと判明したときに黒幕候補筆頭に上がりました。
百合子が死んだのを「自〇志願者だったし死ぬ前に一芝居付き合ってもらったんですよ」の理屈で押し通していたら、ハードルが上がっていただけに納得できなかったろうなぁ。
上がったハードルをしっかり超えてくるいいものを見せてもらいました。面白かった!
視点の切り替え
視聴者として感情移入したり、映画の中で自分を重ねたりする人がいます。ほとんどの場合は主人公です。
最初は恭介で、ゆっくりと小林に移動していきました。その視点の切り替えがすごくスムーズでした。小林が北陸に一人で行くときも全く違和感を感じなかった。
監督さん・脚本さん・原作さん、どなたの技術なのかわかりませんが、すげーな。
「ひぐらしのなく頃に」のラストは主人公チームの動きを隠したいがために敵の現場リーダー視点になってなんだかわからなくなってました。
そしてあの迷シーンが、、、
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サイコパス度ランキング
グリーピーの香川さんをレベル100とします。
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ミュージアムの妻夫木さんもレベル90ぐらい
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MARSの窪田さんがレベル50ぐらい
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怒りの森山未來さんはレベル0。ありゃ小心者をこじらせただけです。
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そんな感じの定規でサイコパスレベルを測ってみました。
雄大がレベル45
序盤は雄大をサイコパスっぽく描こうとしているけど、うまく行ってないように見えてました。それが最高にモヤモヤしてて、映画全体が駄作なんだろうなと思い始めてました。けど最終的にはそれが現実を少しはみ出しているだけ感をつくりました。
雄大のサイコパスレベルは低いです。百合子(本当は朱里お姉ちゃん)が焼けている写真を撮っているのは、二度目だからだもん。一度目は一度目だから動けなかったけど、二度目は冷静になれたので体が動く。
一度目は体が動かなかったんだから、サイコパス度は低いっす。
あー、でも百合子(本当は朱里お姉ちゃん)が死んだときは出かけてました。百合子を拘束したまま、蝋燭に火をつけて。未必の故意かな?でも「未必の故意」も”計画性”だからサイコパス度は低いよなぁ。
朱里お姉ちゃんがレベル70
この作品の面白い理由の一つが黒幕の朱里お姉ちゃんのサイコパス度が高すぎない所でしょう。
わざわざ恭介を抱かせた後に真実を話すほどには狂ってはいます。弟さんを偏愛し、気に入った子を拉致。言うことを聞かないと分かったら、焼き殺して「撮れ!!」。
目的がないナチュラルなサイコパスのレベル100の香川さんや、自身の芸術のための妻夫木さんレベル90の妻夫木さん。それに比べれば、自分の外側(弟)に理由がある朱里お姉ちゃんのサイコパスレベルなんてまだまだ(笑)
攻撃するかの判断には一般常識での判断を一度挟んでるしね。
それでも許しがたい人間であり、普通に殺したんじゃ殺したりない人間。見ている側としてはスッキリする終わり方でした(この捉え方に共感できる人はきっと私と同じくサイコパスレベル10はあるかと思います)
恭介のレベル20(養殖)
警察署で百合子の遺体のふりして朱里お姉ちゃんの遺体を小林に見せる。復讐の一つですが、なかなかに狂ってますな。
去年の冬、きみと別れのクライマックス。恭介の部屋で話す恭介と小林
小林がどこまでも、「事件の脇にいたけど、俺は関係ない」と本当に思っているところが興味深かったです。恭介の目的はあくまで木原坂姉妹であり自分は含まれてないと思ってる。
普通は二人が同じ価値観でぶつかり合っている姿が熱いからクライマックスなんですけどね。
小林は逃げ腰とかバレてないとかでさえなく恭介と価値観や方向性が一致してない。それがだんだん恭介の言っていることが理解していき絶望していく。
すごいいいシーンでした。
去年の冬、きみと別れのベストシーン
1.警察署で遺体確認をする小林と恭介
ダブルミーニングその1。雄大の恐ろしさを描いた、、、ふりをして、亜希子の遺体を小林に見せる。恭介最大の復讐シーン。
2.亜希子が点字の本を読了して満足そうな笑顔
あれは惚れるよ。
3.執筆する恭介を百合子をねぎらおうとするが邪険にされる
ダブルミーニングその2。婚約者同士のすれ違いを描いた、、、、ようで、百合子が本気で恭介を愛して心配しているシーン。