こんにちは。ヤンです。
「いつまた、君と」を見てきました。近親者回想録です。
- キャスト:尾野真千子さん 向井理さん 野際陽子さん
- 監督:深川栄洋さん
- 脚本:山本むつみさん
- 公開日:2017.06.24
- ジャンル:人生
- 上演時間:115分
- レーティング:なし
映画『いつかまた、君と』の見どころポイント
- 「戦後のドタバタを力つよく生きた」というよりは近親者回想録としてみました。
- 吾朗の不完全さ。包み込む朋子の明るさ
- 野際陽子さん、ご冥福をお祈り申し上げます
では『いつかまた、君と』のネタバレ感想です
こんな作品でした。
映画『いつまた、君と』の評価は75/100
芦村朋子は、不慣れな手つきでパソコンにむかい、亡くなった夫・吾郎との思い出を手記として記録していた。しかし、朋子は突然倒れてしまう。そんな朋子の代わりに、孫の理が手記をまとめていくことに。そこに綴られていたのは今まで知る事の無かった、戦中・戦後の困難な時代を生きてきた祖父・吾郎と祖母・朋子の波乱の歴史と、深い絆で結ばれた50年におよぶ夫婦と家族の愛の物語だったー。
ちょっと美化しすぎなところもあったけど面白かったよ
こんな女性と巡り合いたかったなぁ。いや、こんな素敵な女性もたくさんいたんだろうな、私が選ばれなかっただけで(泣)
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不完全な二人
冒頭の若い二人が喫茶店で会っているシーンがあったからこそ、後の朋子の明るさが際立つわけですが、まさかあのお嬢さんが力強い女性になるとは思いませんでした。
#以下、私が結婚できない底の浅さが露呈されます(笑)
流行の最先端を追っかけているような服を着て、喫茶店でつまらなそうな顔で男の話を聞いていたあのお嬢さん。
それが
「私も行きます。」といい、
上海からの引き揚げ時に子供を背負い、
旦那を「おとーちゃん」と呼び
旦那が落ち込めば歌を歌って励ます。
女性は強い。それを強く感じました。
#冒頭の喫茶店のシーンで、この女はバカ女だなと思った私は底が浅すぎますよ、、、。
吾朗の格闘・一人相撲
力仕事よりも営業や事務仕事の方が得意な吾朗。
女房の実家で慣れない力仕事をさせられてダメ出しをされて、
運送業を始めようとしてもうまくいかず
就職しても会社が倒産し
食堂を続けてたけどたたむことになってしまう。
若いころは国を相手にしてただけに、俺はこんなところでくすぶっている人間じゃないって気持ちは大きかったでしょうね。
日本を転々として苦労しかさせていない朋子に申し訳なく思っているし、朋子が励ましてくれることにふがいなさを感じてしまう。
頭の中はグルグルするよなぁ。
朋子の明るさ・力強さ
その吾朗を包み込むように明るい朋子。引っ越し途中の焚火のシーンは美しかったですよ。
吾朗が朋子を巻き込んでしまっている自身のふがいなさを軽くする朋子。それは計算した言葉ではなく心から出てきた言葉でした。
素敵な女性でした。
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オトコ側の「すまない」という感情は正しいのか
朋子は吾朗に「私の人生を賭けた」わけじゃないです。好きだから一緒にいるわけです。出世する吾朗について行って自分がいい思いをしたかったわけじゃない。好きだから一緒にいるわけです。
朋子にとって吾朗はもう一人の自分でありパートナーです。一心同体、楽しいことも悲しいことも二人で。そう思っていたでしょう。
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一方、吾朗は朋子に「私の人生を賭けた」と思っているかもしれません。守るべき人だと考えていたのでしょう。貧乏暮らしで「迷惑をかけてすまない」が男から女へのベクトルしか発生しないのは、男の気概がおかしなところに入っちゃったってことなんですかね。
「ありがとう」はうれしいと思いますが、このオトコ側の「すまない」という感情はオンナにとってはうれしいものなのか。少なくとも朋子は望んでなかったものでしょう。吾朗のエゴだったのかもしれません。
カウボーイビバップでアリサが別れを選んだ理由は「守るだけの人形のように扱われたから」
ちなみにこの吾朗の気持ち、私は性別なく思ってしまいます。一緒に仕事をしている相手に迷惑をかけた時に如実に発生します。「こんな人間と一緒に仕事をするようなことになってしまって済まない」となります。同じレベルの迷惑をかけられても、迷惑と感じないのにね。
だーから一定以上の線から人の心に入れないんだろうな。向こうにも一線引いているようにしか思えないんだろうな。あー、友達が欲しい(笑)
ごめん、もう一捻りさせて
※もはや映画や夫婦愛に全く関係ありません。私の心の変なところが開いちゃってます(笑)
自戒のためにもう一ひねり。
この「こんな人間と一緒に仕事をするようなことになってしまって済まない」ですが、自分を相手より立ち位置を低くしときたいんですね。マウンティング的に下に入っちゃったほうが楽になるというか。
これが育っていくと自己評価が低い方が楽で、居酒屋でその価値観が爆発し「どうせ俺なんて」トークが始まります。悪い言い方すると「”そんなことないよ”を待っているかまってちゃん」ですね。
同僚でも異性とサシでも酒飲んでいるときにマウンティング的に下に入ろうとする態度は一緒に飲んでて気持ちがいいもんじゃないと最近気づきました。
ビールを注がれたときに「こんな俺にすみませんすみません」とか、誰かの話を聞いた時に「俺はその話の2段階前の工程ができなくて、すみませんすみません」とか。
相手はそこまで私の素性や考え方に興味はないよ。っていうか、自虐トークは気持ち良く飲むのに邪魔になっているよ。 黙ってた方がいいとは言わないけど、自虐以外のトークの入り方を考えた方がいいよ、俺。
ちょっと美化しすぎかなとは思いましたが、いいんじゃない。
原作が自叙伝ということですので、自身を美しく見せようとしてますが当たり前だと思います。さらに映画化するにあたって、監督さんがさらに美化を上乗せするのも商業として当たり前です。
相乗効果でちょっと美化しすぎなんじゃないかと思うところもありました。
実家を出るときに背中に抱き着いた時とか大阪に行く前の大喧嘩の仲直りの仕方とかね。これだけ美化してどうしても残さなくちゃいけなかったんだから、たぶん吾朗はかなりの酒乱だったんじゃないかな。
ですが夫婦愛は感じました。
『いつまた、君と』のラスト。近親者回想録物語として
結末のフックとして真美との確執が語られてました。ですがノートと押し花を真美に預けたのが直前になってしまったので、ちょっと弱くなってしまいましたね。理由も「ちゃんと相手してあげられないから」と弱かったし。預け先も、高杉さんとこに努めているような若い夫婦だったらともかく実家だったしね。
「カノン」。近親者回想録として最高傑作だと思ってます。泣いた。
映画『いつかまた、君と』のCAST
芦村朋子-尾野真千子さん
素敵な女性でした。
尾野真千子さん出演作品
- 『ミュージアム』感想/評価:40→70点/カエル男(妻夫木聡さん)のクライマックスのセリフで興ざめ
- 『後妻業の女』感想/評価:83点/小心者の豊川悦司さんとおおざっぱな大竹しのぶさん
- 『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』83点/ギャラクシー街道との違い
芦村吾郎-向井理さん
若いころは国を相手に喧嘩してやろうと思うほどだったのに、日本を転々とするようになってしまった人。心の中の葛藤は私の想像を絶するだろうな。だからこそ献身的な朋子が光りました。
芦村朋子-野際陽子さん
遅ればせながら、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
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原作 とアニメ
俳優さん
映画『いつかまた、君と』の3ポイントまとめ!
- 綺麗に作りすぎているところはありますが、差し引いても面白い話でした。
- 朋子みたいな女性に私は巡り、、、あってたんだろうなぁ。そして選ばれなかったんだろうなぁ(自虐、立場的に下に入ろうとするトーク)
- 野際陽子さん、ご冥福をお祈り申し上げます
映画『いつまた、君と』の評判
3.31/5
yahoo映画より(2017.06.24現在)
両極端。若い人は「話に強弱無し」。そうでない人は「夫婦愛」。
私は「夫婦愛」を感じているけど、ラストが弱いと思っているので「話に強弱無し」だと思っていますね。
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監督:-深川栄洋さん-
脚本:-山本むつみさん-
俳優:-尾野真千子さん- -向井理さん- -野際陽子さん- -岸本加世子さん- -駿河太郎さん- -イッセー尾形さん- -成田偉心さん-
最近の世の中
独り言
・タイトルに「野際陽子さん」というワードを入れたほうがアクセスが伸びるのはわかってるけど、どうしても入れられない。人の生命をアクセス目的で取り扱うことがどうしてもできない。